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TRIBUTE TO MCA

ビースティ・ボーイズのメンバーで、実質的なリーダーだったMCAことアダム・ヤウク。彼が47歳で亡くなってから、今日でちょうど10年になる。

中国のチベット占領と民族弾圧を世界に───特にわれわれ若い世代に知らしめるため、アダムの呼びかけで始まった〈ミラレパ基金〉や「チベタン・フリーダム・コンサート」は、90年代のユース・カルチャーと政治との関係を語る上で重要なムーヴメントだった。

しかし、昨今のウィグル自治区、ウクライナで起きている問題を考えれば、アダムたちが蒔いてくれた種が本当に実ったのか、と不甲斐ない思いになるし、ビースティのファンとして、またひとりの人間としても申し訳ない気持ちになる。

閑話休題───。

ひとかたならぬ思いで、ビースティのレコードを長年、集めてきた。ぼくのコレクションのなかでとりわけレアな一枚が、1983年発売のセカンドEP『Cooky Puss』。

これは”Hauppauge Pressing”と呼ばれている盤で、discogs価格で100ドルくらい。手に入れたのはぼくが高円寺の中古レコード屋で働いていた20代の頃。つまりビースティが「チベタン〜」を世界各地で開催していた90年代半ばのことだ。LAでレコードの買付旅行をしてるときに見つけて、自分用に買ったと記憶している。値段はたしか3ドルくらい。今みたくスマホ片手に買い物できる時代じゃなかったから、あの頃のレコ掘りは脳内に蓄えてるデータベースと運だけが頼りだったし、まるで砂金を探すような楽しさだった。早くいろいろ自由になって、あんな旅をまたしてみたい。

アダムが亡くなった直後に作ったトリビュートミックス。よかったらぜひ。

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