神崎あきら

小説家目指して日々書いています。 カクヨムが活動拠点。 カクヨムWeb小説短編賞202…

神崎あきら

小説家目指して日々書いています。 カクヨムが活動拠点。 カクヨムWeb小説短編賞2022 短編賞受賞 現代ドラマ、歴史、ドキュメンタリー、ホラー、サスペンスが好き。 旅した土地が登場する小説を書いています。 頭の中は90年代ハリウッドアクションとジャンプ漫画でできている。

最近の記事

まほろば水族館

「まほろば水族館へようこそ」 館長の鮫島は丁寧にお辞儀をした。 航平と湊は小学校最後の夏休みの思い出に、海沿いにある廃校を探検する。月明かりに照らされた廃校に忍び込むと信じられない光景が広がっていた。 約一万文字のライト現代ファンタジーです。 カクヨムで読めます。 https://kakuyomu.jp/works/16817330663786879238

    • 異聞・桃太郎伝説

      桃太郎伝説は日本各地に存在するが、岡山県には桃太郎の墓がある。 桃太郎のモデルになった人物と歴史の闇に葬られた鬼、温羅の伝説を辿るフィールドワークの記録である。 点在する史跡を繋げば、もうひとつの桃太郎伝説を深く紐解くことができるかもしれない。 歴史や史跡巡りがお好きな方へ、ぜひ読んでいただきたいです。

      • 新作電子書籍『奇跡の青・伝説の眠る島 宮古島』

        宮古島の絶景スポットを巡る旅レポ写真集。美しい海の青と異国情緒満載の南国の風景は何度でも見たくなります。 素敵な南国気分を体験してみませんか。美味しい島グルメの紹介も。 宮古島出身のイラストレーター長崎祐子さんの宮古島の神話、伝説にちなんだコラム「漂着者たちの織りなす綾」を掲載。 アンリミテッドにも対応、ぜひお求めください。

        • 電子書籍発売『ここにしかない絶景に出会う 石垣島』

          amazonKindle電子書籍で写真集を発行しています 石垣島を周遊した旅レポ写真集 絶景に自然に親しむアクティビティ体験、グルメまで 【収録スポット・コンテンツ】 桟橋で眺めるサンセット フサキビーチ 川平湾グラスボート/石垣島最大の鍾乳洞 宮良川マングローブカヤック/ナイトカヤック 八重山の伝統建築で憩う 石垣やいま村 絶景スポット 御神崎灯台/玉取崎展望台 ジャングルナイトツアー 石垣めしレポ 地元グルメ/カフェ

        まほろば水族館

          電子書籍発売『八重山離島巡り』

          石垣島を拠点にした離島巡り写真集+旅レポ 西表島・ 由布島・竹富島・浜島 編 現地ツアーで気軽に楽しめる離島の魅力を紹介します。 アンリミテッドも対応しています。ぜひお手に取ってみてください。 日本の秘境!!マングローブ林クルーズ 水牛車に揺られてゆるり島内観光 南国の雰囲気満点!!島全体が亜熱帯植物園 これは夢!?離島ビーチは奇跡の美しさ 海亀に会える!?珊瑚礁シュノーケル体験

          電子書籍発売『八重山離島巡り』

          新作電子書籍 中国美景vol.8 上海慕情

          電子書籍で販売している中国の風景写真集 中国美景シリーズの最新作を制作しました。AmazonKindleで販売中です。 【収録場所】豫園・外灘・天山茶城・七宝古鎮・朱家角古鎮・東方明珠電視塔・上海浦東空港・虹橋火車・上海駅 過去の旅行のストックになりますが、一冊分なんとかまとめることができました。ちょっと偏りがあるラインナップですね。上海の夜景や古鎮などを紹介しています。アンリミテッドも対応していますので、ぜひお手にとってみてください。

          新作電子書籍 中国美景vol.8 上海慕情

          コミックマーケット102参加

          夏コミ参加してきました。 いにしえのヲタクな私は落選とコロナ禍以外かれこれ20年くらいコミケには参加し続けています。 現在のジャンルは三国志遺跡巡り旅行記・写真集です。旅行という特性から新刊が出せていないのですが、手売りをする少ない機会なので参加を継続しています。 当日のブース イベント参加をすると本を通して交流ができるのが楽しいですね。旅行記だとここ行きました、とかここはどうでしたかとか旅の話で盛り上がります。 コロナ前は入場制限もなく、お客さんも多かったのですが、

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          【創作小説】『悪党たちに捧げる挽歌』あらすじと人物紹介

          【あらすじ】 大学図書館で司書として働く手塚彰宏《てづかあきひろ》には秘密があった。幼少の頃の衝撃的な体験から、人を殺したいという衝動を抑えられない。選んだ獲物を求めて夜の街を歩く。 鳴瀬史郞《なるせしろう》は物心ついたときから訓練を受けたプロの暗殺者。ストイックに仕事をこなす完璧主義で、これまで仕事で失敗したことがない。あるとき、鳴瀬のターゲットを手塚が仕留めてしまうことで、運命の車輪が回り始める。 【人物紹介】 手塚彰宏(34)男性 178㎝ AB型 大学図書館の司書

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          【創作自省録】書籍化したいぞ

           書籍化、したいです。  『東方伝奇』と『烏鵲堂事件簿』『火鳥探偵社』が書籍化されて、書店に瑛さんたちや火鳥たちがババーンと表紙をかざる本を並べたいと切望しています。  書籍化をしたい、と思う気持ちは小説を書き始めたときからありました。いや、書く前からありました。  出版社の新人賞、WEBコンテストにもいろいろ応募をしました。しかし、鳴かず飛ばず。諦めて自費出版をしよう、と思ったこともありました。  それでもやっぱり、書籍化して本屋さんに自分の本が並ぶ光景を見たい。  烏

          【創作自省録】書籍化したいぞ

          【創作自省録】スピードと品質

           私は書くスピードが速いと言われる。これは自慢になることではない。早くて高品質なら良いが、「スピードが早いですね」だけではつまりそれだけのことなのだ。私の本質はせっかちで堪え性が無く、慎重さに欠けると思う。これは作品執筆以外の場面でも顕著な傾向であり、この性格で長いこと生きてきた。  本当はめちゃくちゃ丁寧に作りたい、でもそれができない。一度書いたものをしばらくして見直すことはできるが、完成した!と思うとすぐにお披露目して見てもらいたくなってしまう。  小説を書き始めた当

          【創作自省録】スピードと品質

          MR.BIGのライブに行ってきた!

          MR.BIGというバンドをご存知だろうか。 ある一定の年代の洋楽ファンにはたまらない超技巧派バンドだ。 私は大学生のときにエアロスミスを聴いてあまりのパワフルな衝撃に洋楽ロックにどハマりした。 それから有名なバンドをいろいろ聴いてみてMR.BIGに辿り着いた。 彼らの曲はカッコよくて美しくて心を振るわせる。ボーカルのエリックのエモーショナルな声は最高だし、ビリー、パット、ポールの全員が主役という感じも好きだった。 折しもバンドは超絶仲が悪い時期で、メンバーチェンジにショッ

          MR.BIGのライブに行ってきた!

          【15】色あせぬ絆ー虹色の海

          ―10年後  結紀は桟橋の柵にもたれ、スマートフォンの電話帳を検索する。海を渡る風が潮の香りを運んでくる。目の前には色鮮やかに輝くイルミネーションが広がっていた。少年の頃に見た虹色の宝石のような輝きは今も変わらない。  英臣との出会いは結紀のモノクロームの世界を鮮やかな色で塗り替えた。不器用なまでに強く鮮やかな生き様を学んだ。 「元気だよ。うん、受かったんだ、第一志望の大学」  揺れる水面が陸の光を映して煌めいている。結紀は揺らめく光を懐かしい目で見つめる。 「そう、大学

          【15】色あせぬ絆ー虹色の海

          【14】結紀からの便りー虹色の海

           英臣と見た清らかで美しい夜景は、鮮明に結紀の心に刻まれていた。目を閉じれば、暗闇に浮かぶ色とりどりの宝石の輝きが蘇る。  結紀は色鉛筆のケースを開いた。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。こんなにも色がたくさんある。  赤色の鉛筆を手に取った。次に橙、緑と青を重ねて藍と紫を薄く塗っていく。白い紙をたくさんの色で埋め尽くす。あの日見た海の色を懸命に描いた。  英臣は東京で新しい生活を始めていた。実家とは離縁し、一切の援助は受け無い。授業が終われば深夜までのアルバイトで学費と生活費

          【14】結紀からの便りー虹色の海

          【13】虹色の海

           英臣は結紀の身体を持ち上げ、後部座席に座らせた。小さな身体に座席は大きく、足を大きく開くことになる。バランスを崩しそうになった結紀を英臣が支えた。 「怖いか」 「ううん、平気」  結紀は自分で尻の座りが良い場所を見つけて、しっかりと両足で座席を挟み込む。  英臣はバイクに跨がり革の手袋をはめ、エンジンをかけた。エグゾーストの重低音が身体中に響いてくる。腹の中で野獣が唸るような音に、結紀は驚きと期待でビリビリと鳥肌が立つのを感じた。 「しっかり掴まってろよ、振り落とされるぞ

          【13】虹色の海

          【12】英臣との別れ―虹色の海

           翌年の冬。その日は朝から雪がちらつき、昼には庭に降り積もり始めていた。美しい雪化粧の日本庭園が見渡せる榊原邸の和室で、正座した英臣は父を前にして、膝に置いた拳を握りしめている。 「育てていただいた恩は忘れません。だが、俺は自分の手で人生を掴みたい」  英臣の言葉は凜とした響きを帯びていた。父親に頭を下げながらも、その目は真っ直ぐに父を見据えている。父の昭臣も表情一つ替えず、英臣の目をじっと覗き込んでいる。昭臣は息子の澄んだ瞳に宿る鋭い光に、男としての覚悟を見た。 「それが

          【12】英臣との別れ―虹色の海

          【11】結紀の証言ー虹色の海

          英臣に手を引かれて自宅に帰ると、門の前にミニパトが停まっていた。闇を照らす赤いパトランプを見て結紀は不安になり、英臣を見上げる。しかし、英臣は全く動じていない。険しい顔をした2人の警官が英臣の帰りを待っていた。 「一応、お話をお聞きしたいのですが・・・」  彼らもヤクザの親分の息子に事情聴取などしたくはないだろう。渋い顔をこちらに向けている。若衆から英臣帰宅の報を聞いた父の昭臣が厳めしい着物姿で玄関先に出てきた。結紀は警官の顔が強張るのを見た。彼らの緊張が肌を通して伝わってく

          【11】結紀の証言ー虹色の海