【11】結紀の証言ー虹色の海
英臣に手を引かれて自宅に帰ると、門の前にミニパトが停まっていた。闇を照らす赤いパトランプを見て結紀は不安になり、英臣を見上げる。しかし、英臣は全く動じていない。険しい顔をした2人の警官が英臣の帰りを待っていた。
「一応、お話をお聞きしたいのですが・・・」
彼らもヤクザの親分の息子に事情聴取などしたくはないだろう。渋い顔をこちらに向けている。若衆から英臣帰宅の報を聞いた父の昭臣が厳めしい着物姿で玄関先に出てきた。結紀は警官の顔が強張るのを見た。彼らの緊張が肌を通して伝わってく