ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地

早稲田松竹でシャンタル・アケルマンの「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」を見た。この監督の作品を見るのは初。これは近年になって評価が上がっている映画だ。

日々の単調な作業の繰り返しを単調なままに撮る。映画をエンタメ的に成り立たせるための技巧を徹底的に排するという試み。この手法がストイックなまでに全編にわたって貫かれる。

これが作られた意義はなんとなく理解はする。語ろうと思えばいくらでも語れる要素はあるんだろう。それは認めたうえで、やっぱり全然面白くないと言ってしまいたい。拷問のように退屈な3時間。

説明台詞が過剰すぎる作品も苦手だが、見る側が懸命に感じ取らなきゃ成り立たないレベルで何も説明しない作品ってのもどうなんだろう?こういう表現もアリ、というところに映画の奥深さは感じるが。

不穏なラストに向かっていくプロセスにもう少し緊迫感があれば評価も上がったろうが、たとえば「ラルジャン」などと比較した場合、全然たいしたことないと思える。時間を無駄に引き伸ばすような長回しを最後の最後までやってて呆れ果てた。睡魔に襲われながらも我慢して見てたのに、完全に期待外れ。多分いろいろと見落としていて理解しきれてないところがあるんだろうとは思うが、かといってもう一度見る気にも到底なれない。

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