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効率化と情緒のはざまで

最近、Amazonオーディブルに
加入しようかどうか、迷っていた

このアプリは
本の読み聞かせなので
移動中や作業をしながら
本を読めてしまう、人気のサブスクだ

1ヶ月1500円で聴き放題

ハードブックなら
2冊分にも満たない料金だ

ただ、昭和の俺には
この便利なシステムに
引っ掛かるものがあって躊躇している

今一歩その①
→読む力が衰えるのではないか

今一歩その②
→小説の場合、他人の声で
 感情移入ができるのだろうか

そして、今一歩その最後
これはまさに
陸上やってる息子が鼻で笑って言ってた
昭和のコーチの教えそのまま

今一歩その③
→何でも効率よく、がいいのか

若い世代の効率化ばかりを
良しとする言い分

ザワザワするし
腹だたしい

(笑)

山ちゃんのこれまでの経験の答え合わせができたのと
この先の見方が変わった本


同僚C子の娘は
中学2年生でありながら
録画したドラマを2倍速で観てるという

俺は動画編集の真似事をするが
2倍速って男の声もきゃっきゃの

カセットテープの再生を押したまま
早送りを押す、あれだ

あんなんで、物語みれんの?

正気の沙汰とは思えなかったが
C子も一緒に観る時があるので
慣れてしまった、という

感情移入や共感性まで
効率化の時代なのか

オーバーサイズの服も着れない
外食慣れもできない
時計で支払いできない

スピード社会
俺が中学生の時に聞いたことがあるような
ないような上っ面な21世紀が
今、目の前に立ち憚っている

その高い高い壁の内側で
進撃の巨人に食べられる順番を
待っているのだ

社会から完全に取り残されている
その話を聞いて、実感したのだった

湊かなえの大ファン
特に贖罪、花の鎖が好き


もともと
俺は他人が好きなもの
愛するものに
とやかくいうタイプではない

自分がどう感じているのか
自分が楽しんでいるのか

これが大切だと信じているからだ

しかしながら、さすがに
2倍速ドラマってどうなのよ
と、言わずにはいられなかった

そんなの、情緒がないだろ!

まるで反科学的論者みたいな俺が
にょきにょきと顔を出し
薄っぺらい信念がガラガラと崩れだした

そして、何かが破裂して

あ、やっぱ
オーディブルやってみよう

皮肉言ったり
マウントとったりしてる俺
恥ずかしい

効率化の恩恵を、素直に受け入れよう

人間は苦行で成長する
っていうカチカチの昭和魂

フィットネスジムに通って
必死にウサギ跳びしてるようなもんだ

すごく恥ずかしい
やめだやめ

(笑)

この本、好き過ぎて読み終わった後
もう読めないことに悲しくなった


と、言うことで

まずは大好きな本を
オーディブルで
聴き比べしてみることにした

2倍速で

今日から寝る前が楽しみ
C子の娘、俺の殻を破ってくれて

ありがッ、TOO!

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