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無茶振りタイトルシリーズ第1弾 『乾杯泥棒』

(※この物語はイマケン&ピロちゃんからの『無茶振りタイトル』から、あきちゃんがインスピレーションを受けて書いたお話です。)

俺の名前は鼠ジロキチ、世間では『乾杯泥棒』なんて呼ばれちまってる。

なんでかって???

それは話してもあんまり面白い話しじゃないけど、それでも聞くかい?

あれは単なる偶然だったんだよ。単なる偶然。

だから俺のせいじゃないってコト。

だって、結婚式で乾杯する瞬間に停電が起きるなんて、そんなツイてないことがあるかい?

タイミングが悪すぎるだろう。

ただ問題はその後さ。

その停電の最中に花嫁を連れさった、とんでもないヤツがその結婚式に参加してたんだ。

ソイツは騒ぎに紛れて花嫁に近づくと、何かを耳打ちした。

そして、次の瞬間に花嫁の手を取り、外に用意しておいた車で逃走したってワケ。

そして後日、その結婚式での出来事がワイドショーで話題となり、『乾杯泥棒出現!』というふざけた見出しが出てたのを偶然見ちまった。

でも、チョット違うんだよなぁ。

俺は泥棒なんかじゃ無いんだ。

実は花嫁もグルだったんだ。

元から映画の様に俺と一緒に逃げる予定だったんだ。

停電だけは本当に偶然だったんだけどな。

だけど、その真相は誰も知らない。

俺とアンタだけの秘密ってワケだ。

何でそんな話しをアンタにしたのかって?

だって、アンタだろ。

あの時に結婚式場を停電にしてくれたの。

だから今日はさ。

そのお礼に来たんだよ。

ずいぶん探すのに苦労したけど、やっと会えたな。

ありがとうよ。

〜完〜

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