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計画性のない私が、少しだけ戦略的に地方媒体を攻めてよかった3つのこと。

※このnoteは #PRLT (Lightning Text) Advent Calendar 2023 の12/7分の記事です。

こんにちは。
駐車場予約アプリ「akippa」広報の石川と申します。
アドベントカレンダーというものに初めて参加しており、ドキドキしながら筆を進めています。

私自身前職時代を含め気づけば7年近く広報の仕事に携わっていますが、広報はいまだに学ぶことや発見の多い領域だと感じています。
今年は地方のメディアで取り上げていただく機会が多くあり、同時に多くのことを学ばせてもらいました。いつも私がいろいろな方の知見を参考にさせてもらっているように、少しでも誰かの役に立てたらいいなと思い、2023年の学びを一つシェアしたいと思います。


akippa(アキッパ)とは?

本題に入る前に、少しアキッパについての紹介をさせてください。

アキッパは駐車場のシェアリングサービスです。
個人宅の車庫や、月極駐車場で契約されていない区画、大型商業施設の駐車場などの空いているスペースをインターネット上で事前予約・事前決済して利用できるサービスです。
Airbnbさんやスペースマーケットさんの駐車場版とイメージしていただければわかりやすいかと思います。

アキッパの仕組み

公共交通機関が発達している首都圏・関西圏にお住まいの方は日頃車に乗らない方も多く(私も平日はもっぱら電車です)なかなか馴染みが薄いかもしれませんが、ユーザーとなるドライバーさんには、日常使いからお出かけまでさまざまな使い方をしていただいています。

特に
「事前予約だから混雑した場所でもギリギリでも確実に車が停められる!」
「事前決済だから駐車料金を気にして焦る必要がない!」
などの理由からイベントとの相性が良く、スポーツ観戦やライブに行く時に使っていただくことが多くあります。

ありがたいことに現在、累計350万人もの方に会員登録をしていただいていますが、「駐車場を予約する」「駐車場を貸し出す」ということ自体がまだまだ一般的ではないと感じています。

そのため、広報としては、駐車場を貸し出すオーナーさん、ユーザーさんの双方にまずはサービスを知ってもらうきっかけをつくろうと日々試行錯誤をしています。

今年は、新型コロナの5類移行に伴い世間的にお出かけモードになったことも相まって、移動に対する注目度も高まったように感じています。
アキッパは今年、地方メディアで紹介いただくことが多くあり、特に長野県で25件(うちテレビ3件)、北海道で5件(うちテレビ4件)、佐賀県でも5件(うちテレビ1件)のメディアで紹介していただきました。本当にありがとうございます。

なぜ地方でのメディア露出がこんなにも多く実現できたのか。

もちろん取り組みがあったということは一つの理由にありますが、広報としても少しだけ戦略を立てて動いたことが変化のきっかけだったのではないかと思っています。

計画性のない私が、戦略を考えられた理由

今回は長野での取り組みを軸に話を進めます。

アキッパは今年、第75回諏訪湖祭湖上花火大会において渋滞解消と係員の労働負荷軽減を目的に、花火大会の公式駐車場を完全予約制で運営させていただきました。

取り組みの詳細については割愛するので、こちらをお読みください。

「初」の取り組みだったのでプレスリリースを出すことは決まっていました。

毎年交通渋滞がひどいことで有名だったため、課題解決のための取り組みであることを打ち出していくことで一定の注目は集められるのではないかと考えていました。
しかしメディア露出が多ければ良いというわけではなく、いかに取り組みを事前に知って、当日までに予約をしてきてもらい、当日はトラブルなく運用できるか、が取り組み成功の重要なポイントとなります。

社内はもちろん、実行委員会の皆さん、地域のパートナー(代理店)さんからの期待も大きい取り組みなだけに、広報も協力してなんとか成功させたい、そう思っていました。

メディア露出の先にある理想の状態を実現するためにはプレスリリース(とメディアアプローチ)だけでは足りないだろうと思い、広報でできることは何なのかを考え始めました。

そして、ゴール設計をしてゴールから逆算してアクションを決めていく必要があると思い、少し戦略を考えてみることにしました。

全体像を捉えて、みんなのHappyを想像する

まずはじめにプロジェクトの全体像を捉え、各プレイヤーがどのようになる状態がHappyになるのかを考えました

次に、各プレイヤーをHappyにするために広報でできることは何か?を考えました。

取り組み自体は
「花火大会の公式駐車場を有料化し、akippaでの完全予約制にする。
民間駐車場も使えるようにして駐車場不足を補う。」
と、書いてしまえばシンプルなものなのですが、

  1. 取り組みを知ってもらう

  2. 駐車場を予約してもらう

  3. 来年も使いたいと思ってもらう

大きく3つのフェーズに分けられることが見えてきました。

そこで、各プレイヤーのHappyな顔を思い浮かべながら、それぞれのフェーズでやるべきことが何かを考えて動くことにしました。具体的には

・誰に何をしてもらいたいのか(ゴール)
・そのためにはどこで何をすればいいのか(手段と内容)

を考えてアクションしていたように思います。

結果的に行ったことは下の表のような感じでした。

手段としては基本的なことばかりですが、「点を線に繋げる」というよりは「線を点に分解して繋げていく」という感覚だったように思います。

と、まとめるときれいなのですが、実際は走りながら考えている状態で、常に焦っていましたし、本当に良い結果が出せるかは正直不安でした。大渋滞するかもしれないですし、当日まで花火大会が中止になる可能性もあったので。。。

結果的には、多くのメディアで大きく報道していただき、当日の駐車場待ち渋滞も解消、アンケートの結果も良かったので、みんなのHappyに少しは貢献できたのではないかと思います。
何より、実行委員会の方やパートナーさんの安堵の顔が忘れられません

記者会見翌日には2媒体で一面トップニュースで紹介していただきました。
純粋に嬉しかったです。


ちなみに、よく聞かれるのでどのようにメディアさんにアプローチしたのかを打ち明けます。

これまでに繋がりのあった記者さんには、もちろん個別にご連絡しました。
ご存知の通り長野県は広く、同じ県内でも地域によって担当が大きく分かれています。繋がりのある記者さんの半数ほどは違うエリアの担当だったのでダメもとでしたが、久しぶりの連絡にも関わらず諏訪地域の記者さんを紹介いただくこともあり、優しさに救われました。

繋がりのない媒体に関しては、パートナーさんの人脈を頼ったほか、記者ハンドブックやネット上、SNS上に落ちている情報を頼りに、支局に電話やFAXをするなどのアプローチを行いました。

(ここだけの話、地方はまだFAX文化が根強く残っています。東京オフィスがWeWorkに移転してからFAXがなくなったので極力メールでご連絡したかったのですができず、コンビニのFAXを長時間占領していました。ごめんなさい。)

地方ネタで少しだけ戦略的に動いてよかった3つのこと

最後に、今回気づくことができてよかった3つのことをまとめたいと思います。(本当はもっとあるけど)

一つは、戦略的に取り組むと、点が線につながるということです。

これまでもアキッパをメディアで紹介していただく機会はありがたいことにたくさんありました。しかし、その後のフォローアップがあまりできておらず「点」の情報で終わってしまっており、課題に感じていました。
今回戦略的に動いたことで、メディアさんから「予約状況はどうなったか?」「結果はどうなったか?」といったお問い合わせをいただくこともありました。私自身も、いつ頃連絡ができそうだな、と目処をつけることができたのはとても進めやすかったです。
また、先を見越して必要になりそうなデータは社内に依頼して取得してもらうなど、準備ができたのも大きかったです。

2点目は、報道の連鎖が起きたことです。

地域課題の解決策は地域にとって大きなニュースであるので、たとえピンポイントな取り組みであったとしても報道の価値が生まれます。そのためストーリーのある報道をしていただけました。
また、一つの記事をきっかけに別の媒体からお問い合わせをいただき取材につながることが多くありました。こちらは北海道や佐賀の事例で主に感じたところですが、それぞれ記事がきっかけでお問い合わせをいただきました。北海道日帰り出張は正直きつかったですが、(休みをくっつけて野球も見られたので)今となっては良い思い出です(笑)

北海道のエスコンフィールド周辺での駐車場開拓状況について、取材いただくきっかけとなった北海道新聞さんの記事▼


3つ目は、情報拡散面です。

連続して複数の媒体で大きく報道していただいたので、社内も情報発信モードになり、情報拡散に協力してもらいやすかったです。途中から全社一丸となってPRしているような気分になっていました。
さらに、ローカルニュースはその地域の方しか見られないと思っていましたが、それは少し前の話。今はYouTubeでの動画掲載、Web記事のYahoo!ニュースでの転載は当たり前となっています。実際、北海道で某ニュース番組で取材いただいた時には、東京にいる私の元に関東在住の知人からニュース見たとの連絡を何件もいただき、影響力を感じました。


一方で、地方ネタを全国のニュースとして扱ってもらうのは難しいです。
考えてみれば当然ですよね。それを読む読者、視聴者の方がHappyになる情報ではないと、なかなか取り上げづらいのは明白です。

「この取り組みがいまや全国各地で起きてトレンドになっている!」といつかマスメディアでも報じてもらえるように、来年も頑張って行きたいと思います。

長文乱文失礼しました。
お読みいただきありがとうございました。


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