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ティーカップを口へ運ぶしぐさが好きだ 小指だけ自然に少し離れる すましているわけでなく ピンと伸びているわけでもなく 左手は 温度を手のひらで楽しむようしっかり添わわる 両手で持ちあげるほど重さはないのに そういうしぐさをいつもしていた 白いろのティーカップ 砂糖はスプーン半分に申し訳程度 紅茶の温度が下がる味変も楽しむように時間をかけて しぐさ が大切な誰かを思い出させる 目にしたものが大切な誰かを思い出させる 言葉が大切な誰かを思い出させる 名詞が大
思うように時間を過ごせないひとがいる 思うような生活が叶わないひとたちがいる ふつう という言葉はときにあばれ 暴力をふるう いろんなひと がいる 、そして色んな人がいる 勤労 納税 教育 このハードルは実は高い 勤労の権利を有すること が冒頭にうたわれているのに 労働と義務との関係は誤って使用されることが少なくない いろんな職がある 、そして色んな職がある 存在の価値は とても高い 消費の類義語にもなりえるから 能力とか優劣、貢献や順列や生産性のよ
のぼる坂ってのは労力を要し苦しいものだ 重力に抗い その場所より上方へ あゆみを進める 苦しいときってのは のぼりざかだったりする のぼりざかは 右肩あがりなんていわれる 今いる場所より上方へ向かい上昇の比喩もする 登った上方からの景色は さぞ見晴らしよかろう ぐんぐん ぐいぐい めきめき どんどん よい言葉として耳にすることが多い