見出し画像

【洋楽】DURAN DURAN - FUTURE PAST

80's再び

数ヶ月前に発表されたDuran Duranの新譜 FUTURE PASTが発売されました。本国英国ではELTON JOHNの新譜とチャートを争っているそうで、今は1980年代かと錯覚しそうですがあれから40年経っています。

何ヶ月かにかけてシングルじゃないですが、曲を少しずつ発表して話題を提供しながら本発売を迎えるというアプローチはなかなか面白かったですね。

アルバムタイトルはFUTURE PAST。未来と過去です。DUA LIPAが古くて新しいDISCOソングでチャートを席巻していますが、ベテランであるDuran Duranはどういうアプローチを見せてくれるのか、聴いてみましょう!

多彩なゲスト

本作品はまず多彩なゲストが話題ですね。DJのErol Alkan, ブラーのギタリストGraham Coxon、Tove Lo、これが初のコラボというのが信じられないGirogio Moroder、ここ数作品ではお馴染みとなったMark Ronson、日本からCHAI、David Bowieと長く活動を共にしていたMike Garson(Tribute Song Five Yearsで共演していましたね)、Ivorian Doll。

もうこれだけでも十分ご馳走ですね。

今回直前にダウンロード版が出たので飛び付いたのですが、CDで国内版を見たらFive Yearsが入っていたのでこちらも購入しました。

順番に曲を見ていきましょう

01. INVISIBLE

画像1

メンバー4人とErolの共作でErolがプロデュース。
本作からのファーストシングルでAIを使ったあやしいミュージックビデオでも話題になりました。

曲調は何か胸騒ぎを感じさせつつ、続きを期待させる終わり方でもっと聴きたい!と思わせるのです。NOTORIOUSのような爆発的な感じはないですがぞくぞくさせるところは似ているかも。


02. ALL OF YOU

Duran Duran+Graham Coxonのポップな一曲。もう始まった瞬間80'sに戻りました。Simonのヴォーカルを追いかけるうねるギターサウンド、最高です。ここまでの2曲を聴いてもう痺れました。

03. GIVE IT ALL UP FEAT. TOVE LO

画像2

Tove Loをフィーチャーした一曲。彼女の持つ世界観を取り入れたような感じがしますね。疾走感のあるシンセ・コード進行に合わせて、まずはSimon、そして続けてToveのヴォーカルが入り、サビに繋がるところは聴かせどころですね。

04. ANNIVERSARY

画像3

40周年を迎える昨年出す予定だったアルバムがコロナで出せなくなり、延期することで色々なことが見えてきて、そして出されたアルバムにこの曲が入っていることの意味を色々と考えてしまいます。

でもビデオは色んな人のそっくりさんを集めたノーティーな感じでいかにもなビデオでしてやられましたね。こういう感覚がいいんですよねぇ。

05. FUTURE PAST

本作品で私が最も好きな曲です。名曲です。毎作品毎に一曲はバラードかミッドテンポの良い曲を入れてくれますが、歌詞も曲もこれは良いです。すごく好きになりました。というか一発目聞いて泣きそうになりました。

06. VELVET NEWTON(*)

Nick Rohdesここにあり、という感じでしょうか。Grahamが入っってNickに良い刺激を与えたと思うしかないですね。

07. BEAUTIFUL LIES

Giorgio Moroderとの共作。御大はキーボードでも参加しておられます。なんでしょう、この自然な感じ。最高じゃないですか。

この曲を聴いて、今までGiorgio Moroderと組んだことがなかったのが不思議なくらい、良い相性だと思いました。もっと早くに一緒にやってくれてもよかったのでは?と思えるくらい、良いノリです。本当に今は2020年代なのか?80年代の間違いではないのかと改めて思うノリです。

08. TONIGHT UNITED

画像5

07. Beautiful Liesに続けてMoroderとの共作です。高揚感ありありでとてもいい曲です。

コロナ禍を超えて今こそ一緒に、という意味もあるでしょうけど私的にはGirgio Moroderとやっと一緒に作ることができたって感じに聞こえます(^^)

09. WING

これも05. FUTURE PASTにならぶ良い曲です。Mark RonsonがGraham Coxonにさらに加わって作ったバラード。間違いなく名曲です。

すごくDuran Duranの良さを知っている二人が参加することで旨味が凝縮された感じがします。

10. NOTHING LESS

メンバー+Erol Alkanによる共作、バッキングヴォーカルにはSimonのお嬢さんであるSaffronのクレジットあります。

次のLaughing Boyでもそうなのですが、新作のはずなのに80's感、既視感(既聴感?)バリバリなんです。

後半のGrahamのギターの感じはまさしく初期のAndyのギターへのオマージュでしょう!

11. LAUGHING BOY(*)

メンバーとGraham Coxonの共作。デラックス盤に含まれる曲です。

揺れるギターサウンド、重なるキーボード、これは80'sに出された曲と言われても違和感を感じない、新しくて古い曲ですし、誰が聴いてもDuran Duranの曲です。

12. HAMMERHEAD FEAT. IVORIAN DOLL

NEW RELIGION, HOTHEADあたりを思い起こさせる感じで、SIMONではなくIVORIAN DOLLのラップがいい感じで入ってきます。

バッキングヴォーカルにはBarli以外にSimonの娘さんSaffronの名前もクレジットされていますね。

なんだか神秘的な雰囲気のする「いい曲」です。ライブ受けしそうです。

13. INVOCATION(*)

メンバー4人+Erol Alkan,Graham Coxon作、プロデュースはErol Alkan + DURAN DURAN。デラックス盤に含まれる曲です。

出だしのギターサウンド、Simonの歌い出し、重ねていくメロディー、重厚な音作り、初期の頃の雰囲気を思い出しました。ライブではギターをヘビーに入れてキーボードと演奏バトルしてほしい、そんな曲です。

14. MORE JOY! FEAT. CHAI

画像4

メンバー4人とErol Alkan、Graham Coxonによる曲です。アニメのMUSIC VIDEOで度肝を抜かれたCHAIをフューチャリングした曲で、ゲームやアニメの曲みたいな感じで。そういう感じからはElectric Barbarellaを思い出しましたし、ポップでキャッチーな感じはGirl Panicに近いのかも。Duran Duranの色々な持ち味の一つと言えますね。

https://music.apple.com/jp/music-video/more-joy-feat-chai-lyric-video/1581084708

15. FIVE YEARS(**)

David Bowieの名曲です。ボーカルンジはライブでも参加しているAnna Ross、Barliが参加しています。

大好きなDAVID BOWIEがなくなってはや5年。その死を悼み、功績を偲び多くのアーチストがライブや曲を演奏しました。その時に発表された曲です。数あるカバー曲でも非常に秀逸と評されましたが、ポイントはDavid Bowieの原曲の雰囲気を壊さず、かつDuran Duranの曲にしているところでしょう。Simonのヴォーカル、Nickのキーボードの仕込み、そしてMike Garsonの参加全てが素晴らしいです。

この曲のビデオはコロナ禍の中離れ離れの状態で撮影して合成したらしいのですが、すごく良くできていますね。All She Wants Isのような光の流れが残るような綺麗な映像がとても沁みます。 

16. FALLING FEAT. MIKE GARSON

曲はメンバー4人、プロデュースはメンバー+Erol Alkan。

ピアノでMike Garsonが参加しています。それだけでもうDavid Bowieのアルバムの空気が感じられます。なんとなくジャジーで、それでいて揺らいで落ちてゆくような空気感が繊細なSimonのヴォーカルと混じり合い、表現されています。アルバムの締めくくりにふさわしい一曲です。

* デラックス盤、輸入盤のボーナストラック
** 国内盤のみのボーナストラック

さていかがだったでしょうか?ずっと昔から好きなバンドなので解説に熱が入りましたが故に、かなりとっ散らかっているかもしれませんがご容赦を。

彼らのFUTURE PASTは他でもない、自分達のやってきたことに真正面から向き合い、ど真ん中に投げ込んできた感じです。これでいいんです。これが欲しかったんです、って感じです。

そうそう、途中に挟んでいる写真などアルバムアートに関しても昔から定評ありますが、今作でも凝ってますね。

おすすめ度:★★★★★(もう聴くしかない!)

よろしければサポートをお願いします。もっと突っ込んだレポートを書いていく足しにしたいと思います。