見出し画像

【洋楽】Depeche Mode/Memento Mori

随分待たされましたがようやくリリースされたデペッシュ・モードの新作、メメント・モリです。

アンディ・フレッチャーがいなくなり、二人になってしまいましたがさて、その出来栄えは如何に。

アルバムにはフレッチャーを偲ぶ頁があり、前編盟友アントンコービンによる痺れる写真も溢れてます。これも実にDMらしい。

収録されているのは下記12曲です。それぞれ私の拙い感想を:

1 MY COSMOS IS MINE

心臓の鼓動のようなリズムから始まり、Daveのネバっとした低音が絡む、実にDepeche Modeらしい曲で幕開けです。転調するところでは何か教会で讃美歌を聴いているような感じを受けます。その反面My Cosmos is mineを繰り返す終盤は(最近の作品ではよくある傾向かもしれませんが)呪いをかけているのではないかというようなしつこさも感じます。

2 WAGGING TONGUE

キーボードに乗せて歌い始め、コーラスが入る。王道です。私だけが感じるのかもしれませんがとても丁寧に歌っていると出だしから感じました。

最初のバースの後のキーボード、煌びやかな音が広がるところ、ライブで聴いてみたいところです。

Watch another angel die..

3 GHOSTS AGAIN

アルバムに先行してリリースされていた曲です。リズミカルな出だしで少しポップな曲調でEnjoy the silenceが被ります。でも曲調に反してタイトルが示すように歌詞を聴いているとなぜか切なくなります。フレッチャーを無くした哀しみがそこかしこに滲み出ているのかもしれません。後半に向けてリズムはどんどん力強くなるのが余計にそこを煽ります。

Whisper we'll be ghost again

4 DON'T SAY YOU LOVE ME

DMのバラード、という感じです。相反するツレへの思いをジト〜っと歌い上げます。

So don't say you love me
How could you love me

5 MY FAVORITE STRANGER

バラードの後はまたシンセリズムからのミッド〜アップテンポな曲です。実にDMらしい、期待を裏切らない曲で、昔のアルバムにあっても違和感を感じないでしょう。でも2023の今新作でこういうのが出てくるのが最高です。

途中シンセギターっぽい音が延々続きますがマーティンのライブでの姿を想像してしまいます。

何重にも重ねて作られている音へのこだわり、大きな音でスピーカーからの音に包まれるのはもちろんですが、ヘッドフォンで没入して聴くのにも良さそうです。

6 SOUL WITH ME

Daveのヴォーカルのヒーリングな一面を聴かせてくれる曲です。本アルバムではこれが私の選ぶ必聴の曲です。

And I'm taking my soul with me

7 CAROLINE'S MONKEY

なぜCarolineなのかはわからないのですが(知っている人がいたら教えて欲しい)、なんだか怪しい、ヤバイ感じのする曲です。PVで映像化されたら面白いかも。

フレッチャーが好きそうな曲だと思ったのは私だけでしょうか?
歌詞ではサビでのF始まりのところが気に入りました:

Fading's better than failing
Falling's better than feeling
Folding's better than losing
Fixing's better than healing

8 BEFORE WE DROWN

Daveのヴォーカルがここでも冴えてます。何か沼から抜けられず溺れていくのをサウンド、曲、歌詞、感情で表しているのでしょうか。終盤は壮大な感じなので単純な溺れるというのではないことを示唆しており、ラストはバックを抑えてヴォーカルで締めくくるところに悲しさが溢れます

We drown

9 PEOPLE ARE GOOD

名曲 People are Peopleではないですが、これもいい曲です。

Heaven help me
Heaven help us

10 ALWAYS YOU

出だしからMy Love…です。これも必聴です。聴くしかない、いい曲です。

11 NEVER LET ME GO

またもやNEVER LET MEなタイトルです。(笑)
ギターが走ってます。Martinが作った疾走感のある曲です。ラストに向けて走り切るぜ、という感じがひしひしと伝わってきます。

NEVER LET ME GO
NEVER LET ME GO
🎸

12 SPEAK TO ME

とうとう最後の一曲になりました。これにてしばしのお別れなのか、ライブでの再会へのスタートなのか。別れたくない、そういう思いをねっとりしっとり、じっとり歌い上げ、徐々に分厚くなる音、続けてリズム、そして停止。最高の終わり方です。

アルバムを聴き終えて〜DMへの愛を再確認

これを書くまでに歩きながら、部屋で歌詞を見ながら、と何度も聴き込みました。ここまでしっかりと聴き込んだアルバムは久しぶりです。

外して良い曲なんて一つもありません。もっともっと曲を入れて欲しいくらいです。もちろんRemixも山ほど出して欲しいですね。DMの音世界に昔からやり続けているようにはめてほしい、溺れさせてほしい。中毒かと言われるかもしれませんがそれくらい格好いいし、気持ちいいんです。BPMや音作り、ヴォーカルの感じ、サウンド、何が、と言えませんが全てが好きなんですね。

素直に作品の出来栄えに喜び、感動し、MartinとDaveの二人に感謝し、Andyの不在を嘆き、今この年齢でこの作品に出会えたことにただただ喜んでいます。もう死ぬまでDaveとMartinには続けてほしい。やりたい放題、マンネリでもなんでもいい、DMらしさを貫いてほしい。それしかないし、それを求めているし、それをやり切ってこそのDMだと思うので。

おすすめ度:★♾️(ごめんなさい、好きすぎてこれしかつけられません)

よろしければサポートをお願いします。もっと突っ込んだレポートを書いていく足しにしたいと思います。