（現役皮膚科医が教える皮膚科に行かなくても健康、綺麗になる方法）秋の花粉症とアレルギーのお話

みなさま、こんばんは^ ^
10月とはいえ、昼間は例年にない暑さが続きますが、朝夕は過ごしやすい季節になりました。
今回は秋の花粉症のお話です。

花粉症やアレルギーというと、スギ、ヒノキが有名ですね。実は花粉症をおこす植物は60種類以上と言われており、日本では真冬以外の季節に花粉症があります。花粉症の人のうち、約15％が秋に症状があります。

秋の花粉症は秋特有の植物によるもので、夏の終わり頃から10月にかけて目や鼻に症状が出ます。
その症状も、原因となる植物によって若干変わることがあります。また、スギ花粉症がある人は、秋の花粉症も発症しやすいともいわれています。

花粉はアレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎はもちろん花粉症皮膚炎の原因にもなります。
花粉症皮膚炎のかゆみや赤みは顔の露出部に出やすく、まぶたや頬、あご、首などに多いです。

○花粉症皮膚炎のメカニズム
通常、秋からは気候の変化でお肌が乾燥しやすくなります。乾燥によりお肌表面の角質が乱れ、お肌のバリア機能（外敵から守る力）が低下すると皮膚からアレルゲン（アレルギーを起こす物質）が侵入し、アレルギー反応が成立する（感作、といいます）とアレルギーになってしまいます。
お顔や目の周りに痒みや皮膚症状のある場合は花粉やほこりなどがアレルゲンになっている可能性が高いでしょう。

秋のアレルギーでよくみられるアレルゲンについて説明します。

○花粉
イネ科のススキ、キク科のブタクサやヨモギ、アサ科のカナムグラなどです。これらは秋に河川敷や公園、道端などでよく見かける植物です。

◉ブタクサ
キクのように黄色い花を咲かせます。「ブタクサ花粉症」は日本で最初に見つかった花粉症と言われており、背が低く花粉の飛散距離は数百メートルほどです。

◉ヨモギ
草餅の材料としても使用されています。繁殖力が強く、刈り取っても根が地中に残っていると新芽が出ます。こちらも背が低く、飛散距離も数百メートルです。

◉スギ
春のスギ花粉が秋に飛散することもあります。スギは本来夏場に花粉をつくって来春まで冬眠します。しかし、近年の温暖化で冬眠がうまくいかず、よく晴れた秋冬の暖かい日などに飛散することがあるのです。
スギ花粉はブタクサやヨモギと違い、背の高いので花粉の飛散距離は数十～数百キロと言われています。

○秋の花粉も特定の似たような成分を持つ食べ物と交叉反応を起こす口腔アレルギー症候群（OAS)を起こすことがあります。

ブタクサはスイカ、メロン、バナナ

ヨモギはニンジン、セロリ、ジャガイモ、トマト、キウイ

は交差反応を起こすことがあり、注意が必要です。
ヨモギの場合セロリと同じセリ科のコリアンダー、クミンなど）でアレルギーを起こし、カレーやスパイスが食べられなくなるということもあるのです。

ちなみにスギ花粉症の人はトマトに注意が必要です。

花粉対策として有効なのは、マスクや花粉症用メガネの着用、花粉が落ちやすいつるっとした衣類の着用、帰宅時に玄関で花粉をはらう、帰宅後の洗顔やうがい、こまめな掃除、空気清浄機や加湿器の利用などです。

最近では花粉の付着を防ぐスプレーやジェルも販売されているので使用されてみてはいかがでしょうか。

○ダニ、ハウスダスト

家の中で症状が強くなるような場合は、花粉症ではなくダニやハウスダストが原因になっている可能性もあります。 
秋は夏に繁殖したダニの死骸が家の中に増える時期。そのためこの時期はアレルギー症状が強く出る人が多いのです。
花粉症の人はダニやハウスダストのアレルギーの合併率が高いという報告がもあります。
ハウスダストには、室内のホコリやダニ（死骸も含む）だけでなくペットの毛、人の髪、フケ、カビなどが含まれます。

対策は掃除です。しっかり掃除機をかけ、風通しをよくして湿度が高くなりすぎないように注意しましょう。

賢く対策して快適な秋をお過ごし下さいね♪

昨年11月に開催された学校の先生方向けざ瘡web講演会の動画が学校保健会のサイトにアップされました！ニキビについてお話しています。よろしければこちらもご覧下さい^ ^

https://www.nikibi-hoken.jp/

医療法人社団兼愛会前田医院皮膚科・美容皮膚科ホームページ

http://hopitalmaeda.com/derm/index.html

https://www.instagram.com/p/BgLsCWIFlQD/?igref=ogexp&utm_source=fb_www_attr


https://www.environ.jp/  


http://www.cutera.jp/zoskinhealth/  

顔は洗うな-なぜスキンケアで失敗するのか-大仁田亜紀

https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B01NAZ7NHQ/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1525966921&sr=8-1&keywords=大仁田