うたう

わたしが使っているギターはMartinのヴィンテージ。
64年、NY生まれ。
大先輩である。

人生でギターを買ったのは2本目。
ギタリストではないので次の1本を人生の相棒にしようと決めていた。

カード分割で買うのは嫌だったので
人生でいちばんの大金を握りしめて渋谷にいた。

ただ気持ちよく買いたかったのだ 。
普段は優柔不断なのに心の中はいつだって潔よく居たい。


あれから随分経ったけど
今でもこのギターの音がたまらなく好きだ。
きっとこの先もずっと好き。

初めて弾いた時の感動は忘れないし
今も一緒にいられて嬉しい。
このギターを売ることはないと思う。
いつか誰かに受け継いで貰えたらいいなと
ふんわり思っている。


高校を卒業してから音楽で生きていく道を選んだ。
あれから幾度となく
音楽を雑に扱われたり
ナレーションの現場でも声を軽視されることがあった。
きっとこれからもそうゆう場面は無くならないだろう。

そんな悲しい時ギターを鳴らす。
最近は出したい声に近づいて来ていつまでも歌えるので
弾きながら歌う。

そしたらなんか整う。


わたしはずっとこうやって生きてきたんだ。
歌うのが苦しくなるということは
それが出来なくてもっと苦しくなってたんだ。

今だから分かる。
あの時の苦しみがたくさん教えてくれる。

歌うことでわたしは
たくさんの負を身体から浄化してきたんだと。


今日もなんだかなと思いながらギターを鳴らした。
そしてここに記録しようと思った。


最近は自分の想いというより
大好きな人達の大切な想いを
わたしのフィルターを通して
伝えていきたいと思うようになった。

その為にちゃんと巡っていたい。
この身体がありのままで心地よい状態であること
それがとっても大事。

楽しいが最強。
綺麗事だとしても
突き抜けてしまえばなんとかなる。
そう信じる事ができる。

みんながいるから。

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