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改めて、カフェが好きだというはなし

私はカフェが大好き。
きっとそういう人は沢山いるだろう。
コーヒーの匂いが好き。
そこに来る人たちを眺めるのが好き。

今日は朝から劇場に自主練に向かった
けれど、結局何も練習できずに帰ることになった。
ロックダウンしていたポーランドもどんどん開放される場所が増えてきて、
新しいルールが導入されいる。劇場もその一つ。
この状況で安全に開放するために、
書類にサインしたり、規制の説明を受けたりする必要があるらしい。
正式な活動開始は木曜日(明後日)から。

しぶしぶ帰ることにしたものの、物足りなさが残る。
コーヒーでも飲もうと
ふらっとお気に入りのカフェに入った。

すると不思議なもので、
友人にばったり出会う。
見知らぬ人(彼は状況が落ち着いたらアジア一周旅行をする予定らしい)に話しかけられる。
オペラの友人からメッセンジャーでお茶の誘いを受ける。
まるで、今日は人に会うようにプランニングされていたみたいだ。
(もちろん、この状況下でむやみに出歩くのは推奨されていないし、
私自身かなりのビビリなので、できる限りの注意をはらっている。)

友人と話していて思う。
初めて出会った旅人を見て思う。
少し離れた席で話す女の子たちを見て思う。
私はこの空間が大好きだ。

コーヒーの匂い
周りの人から感じる気配
入り混じる会話
壁にかけられたアート
落ち着く音楽
窓の外に見える通行人
新しい出会い
店内に差し込む日差しと
所々に飾られた緑色の植物たち。

どれも当たり前のことだけど、

マスクをしていても、ソーシャルディスタンスがあっても、
人種も言語も違う人たちが
全く違うライフスタイルを持つ人たちが
今この瞬間は
私と同じこの店内の空間を、ここに存在する雰囲気を、
それぞれの五感を通して味わっている。

自粛前は、
日常のざわざわした感情や心配事で
知らず識らずのうちに
”ただ空間を楽しむ”余裕がなくなっていたかもしれない。
時間だけがある今だから気付けることがある。
今だから発見できる喜びがある。

これから少しずつ仕事が再開されて、だんだん世間が日常へ戻って行く時、
私はこの気持ちを覚えていたい。
時々スローダウンして、
できるだけニュートラルな気持ちでいられたら
自分の周りのざわざわは少し晴れるんじゃないかと思う。

立ち止まることが苦手で
時間を無駄にしているんじゃないかと焦ったりしていた私だけど、
前へ走り続けることができなくなったからこそ見えて来るものがあるなぁと。
自分の中に意識を向ける、
ただ周りを見渡して受け入れる、観察する、
当たり前のことに改めて目を向ける。

何も進んでいないように見えたけれど、
この自粛期間中に学んだことは大きいな
と思うのです。



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