見出し画像

書体で時代が見える

流行りの書体というものがあります。
時代によってそれは移り変わるわけですが、70年代後半から80年代には丸文字が女性の間で流行していました。多くの女性が丸文字だった、あるいは丸文字を書けた時代でした。

喫茶店でカレーパンとお茶を頼み、領収書をもらったら懐かしの丸文字と再会。
おニャン子クラブ会員番号18番の永田ルリ子さんを思い出しました。

この領収書を書いてくれた店員さんは見た感じ60前後でしょうか。
たしかにその世代が青春時代に流行していた文字です。

これが70歳以上が書く文字となるともっとへにょへにょの独特な乱れのある文字となります。
逆に20代後半から30代の、特に女性は文字が綺麗なことが多いと感じるのですが、これは最初のPC世代で肉筆で書くことが極端に少なくなったからこそ、書く時は丁寧に、というのが根底にあるのでしょう。

そしてさらに下の世代となると、高齢者とはまた別の乱れがあるへにょへにょ文字を書く子が増えてくる印象です。
この世代は生まれた時からPCがあり、幼少期からスマホを持っているのでそもそも肉筆経験が極端に少ないからでしょう。

僕は20年以上専門学校で教鞭をとっており、若い子達の文字を見ることが他の人より多いからこそ、時代の移り変わりを感じるのです。
今となっては丸文字を書く子、ほとんどいません。
ある時代にだけ流行したからこそ、懐かしく思うのでしょう。

ちなみに丸文字はルリール体というフォントとなっており、ルリールは永田ルリ子さんの名前にちなんでつけられたというのはコアなおニャン子ファンには知られていることですが、一般的には知られてないし、特に知る必要もないであろうちょっとしたトリビアです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?