見出し画像

i-COL 2周年ZEPPワンマン

i-COL(あいこる)がデビュー2周年を祝した東名阪ツアーのファイナルとして、ZEPPダイバーシティでワンマンライヴを成功させました。
あいこるは多人数アイドル全盛の昨今において珍しく2人組。あいすとこるね2人であいこるというわけです。

あいこると僕が出会ったのは2年と9ヶ月程前になるでしょうか。当時あいこるが所属する事務所Imaginateは多くのアイドルグループのデビュー準備をしていました。僕はその全てのグループのヴォーカルレッスンを担当していたのですが、その中で「アイドル未経験の子のグループがスタートします。人数は二人です。」と聞いて、少々心配な気持ちになったのを覚えています。
昨今のアイドルで完全未経験者のみでグループをスタートするというのは稀であり、しかも二人しかいないというのも稀です。
「デビューまでに時間はあるのでしっかり鍛えてください」と言われ、そもそもどれくらい歌えるのだろうかと向かった初レッスン。

二人の姿を見て、そして二人に挨拶されて、歌を聴く前に「これは絶対いける!」と確信したのを覚えています。

僕は今までメジャーインディー国内海外男女ゲイ問わず、100組以上のアイドルグループを指導してきました。人数で言えば500人くらいになるでしょうか。その中でも、飛び抜けてオーラを感じたのです。
見た目の可愛さ、若さもありますが、それだけではないオーラを。

歌を聞いてみると、こちらは正直に言うと思っていた以上に歌えず、声も小さく、二人とも「歌は苦手」と言っていましたし、実際、二人の歌はアマチュアの平均レベルよりかなり下でした。
それでも行けると思ったのは何故かと言うと、二人と話してみて、二人の受け答えを聞いたからです。アイドルにしろ、そうでないにしろ、頑張れる子と頑張れない子がいます。二人は確実に頑張れる子であり、頑張れる子の中でも特に頑張る子だと話している中で感じたのです。

実際、歌を教えてみるとみるみるうちに良くなっていきました。
僕の歌の指導は即効性のあるテクニックと遅効性と言いますか日々の努力によって得られる基礎的な身体の使い方を同時に教えていくスタイルなのですが、デビューまで半年程あったので最初に徹底的に基礎について指導することができたというのもありますが、それ以上に僕がこれを家でやるようにと言ったことを二人とも確実にやってきてくれたのが良かったのです。
これ、当たり前のことのようですが、売れるか売れないかの差がまずここで出ます。
今まで500人くらい教えてきた中で、僕がこれを家でやってきてねと伝えて本当にやってくる子はその半分くらいなのです。
そしてこれもこれもやるようにと、宿題が増えていくと、どんどんやってくる子は減ります。
しかし、あいこるの二人は確実にそれをやってきて、レッスンの度に上達していくのが目に見えるようでした。

デビューの時にはもう普通に歌えるようにはなってくれて、アイドル活動がスタートしたわけですが、その後も着実に成長を重ね、二人ともグループを兼任しているということもあって新たな刺激も受け、今ではアイドル界の中では平均より確実に上にいる歌唱レベルとなりました。

そして今日のライヴを見て、さらに覚醒しつつあることも感じました。
あいすは喉の調子が悪い中、長時間のワンマンでもしっかりと最後まで歌いきる体力と技術が備わってきました。
こるねは表現力の幅が広がってきて、僕が教えたことはもちろん、教えていないことも自らの工夫でできるようになってきました。
しかもあいこるの曲はキーが高い曲が多く、二人組ですから担当パートも多いので、普通のアイドルグループより歌うのが大変なんです。
それをやりきった。
素晴らしいことです。

今日はリハーサルから見て音響チェックや諸々のサポートもしてきたのですが、リハが終わって客席で開演を待っている時に聞こえてくるBGMの歌声と、今の二人の歌声を比べると今の方が圧倒的に良い歌になっていて、開演前からエモーショナルな気持ちになりました。

そして本番。
大きなミスもなくしっかりと歌い上げ、歌いきりました。

成長したなぁ。

僕が今まで教えた子達の中でも、スタート時点のレベルと今のレベルを比べると、一番レベルアップしたグループだと言えるでしょう。
2人とも天才ではあるのですが、それ以上に2人とも実は努力の人なのです。
努力する天才は強いですよ。

歌の先生なので歌の事ばかりになりましたが、2人は実にバランスが良い2人であることも忘れてはなりません。

あいすはまだ17歳と若いのに、そうとは思えない精神年齢の高さで、とにかく周りを客観的に見ることができ、その上で自分は何をすべきか自分で考えて動くことができる子です。どうやったらあんな凄い子が育つのでしょう。どこへ行っても出世するタイプです。僕よりはるかに年下ですが尊敬しています。

こるねは天性の人たらし。人たらしというと言い方が悪く聞こえるかもしれませんが、歴史上の偉人である豊臣秀吉や坂本龍馬も人たらしとよく言われます。つまりは、天下を取ったり世界を変えたりする人物は、人たらしであることが多く、こるねはまさしくそれなのです。

それで見た目も可愛いと来たらね、これはもう奇跡ですよ。
今まで色々なことがあり、それを乗り越えて遂にZEPPでワンマンできるようになった2人。
そんな2人を見て、今日強く思ったのは、ここはまだまだ通過点で、もっと上に行けるということ。
たった2人で広いはずのZEPPが、まるで広く感じませんでした。2人のスケールがもっと大きいからでしょう。
何しろ出世頭のあいすと天下取りのこるねですから。

今後の2人のさらなる成長と、さらなる人気上昇を期待しています。
とても良いライヴでした。
これからも2人を応援していきますし、その成長のお手伝いを全力でさせていただく所存であります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?