見出し画像

熟女が家にやってきた

 恐らく五十歳手前位と言われた気がする。
 でも、そんな年老いたようには、見えない。もっと若くも見える。
 とりあえず、来ると決まってそれなりに気持ちと必要なものの準備をした。きっと、僕と違うものを好むし、生活リズムも違う。覚悟もしたし、歳上と同居することでマウントを取られないよう、あくまでこの家の主は自分だと改めて意識し、鼻を膨らました。
 それでも、できる限り気持ちよく過して貰いたいから、友達に相談して準備には奔走した。
 でもそれは全て、嬉しい悲鳴だったと思う。

 そして、今日、彼女はやってきた。
 勝手に物を取られたり、僕の買っておいたおやつを盗み食いされたり、喧嘩にもなるだろうと想定はした。注意深くなった方が、起きたときに楽だから。悪いことも想像しておけば、実際起きたときに許せる範囲は大きくなる。

 ひとしきり、家の中をぐるりと見渡し、彼女は横になった。話しかけてくることも無く、眠っている。喧嘩をすることもなく、物を取ることもなく、ずっと前からここに居たような雰囲気を醸し出している。

私、八歳の熟女の里親になりました。

まめさんです。

宜しくお願いします。

もしも、貴方が幸せになれたら。美味しいコーヒー飲ませて貰うよ。ブラックのアイスをね。