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コントってやつは

 僕はコントが好き。子供の頃から、沢山の漫才、コントを観て育ってきたけど、特にコントが好きやった。舞台に光が灯った瞬間から、どんな設定のどんな人間達の狂った世界が、観れるのかワクワクしてた。自分がまさかやることになるとは思わんかったけど、やってみるか、どうにでもなれ、と踏ん切りというよりは半ば諦めたように、開き直った気持ちで始めた気がする。中学生の時から漠然とこの先やりたいことなどないと諦めていた自分には途轍もなくぴったりハマった。いや、ハメにいった感覚。ぴちぴちに窮屈かぶかぶかに愚かか、その後考えようと思った。
 演るのも、観るのも好き。長くやってると、あ、そうか、自分はこんなのが好みなんやな、とか分かってくる。分かってくると、また好きになる。好みじゃないものを観た時も、自分はこうせえへんな、とか思うと色んなやり方があるんやなって、また好きになる。好みのものを観ると、嫉妬が顔を覗かせて、やる気が漲る。そんな自分は単純やなって想うけど、そんな素敵なものを観せてくれてほんまにありがとうって思う。まじで思う。

 世界は自由やから、生き方は自由やから、隣の畑を見なければ、ずっと幸せで居れる。好きなものを耕して、好きなおかずを作ればいい。本来、生きるってことはそれくらいのもんやと思ってる。幸せなんか自分の中にあるもんで、誰かを悲しませることさえしなければ、あとは何をしたっていいし、そうやって一日を使い切ることが、この世界に降り立った意義やと信じてる。
 
 でも、そうはなかなかいかない。賞レースってのは、その畑を見せあって存分に競うから、心にびゅうびゅう風が立つ。今まで作ってきた自分の愛する野菜を疑ってしまう。負けると苛立ち、虚しさ、おもくそ人生を否定されたような、切り取られた真っ暗な夜を目の前に持ってこられる。どんだけスイッチ探してもその夜だけは見つからない。

 歳を重ねたおかげか、またこれか、と俯瞰出来る自分がいるし、自分が変わらない事も知ってるし、変わるよりもっと好きなものをもっと考えてあげるほうがいいと思ってる。それくらいコントが好き。それくらいのものに出会えて良かったと思うし、これなかったら何してたんやろ、って。なかった世界のほうが幸せじゃないの知ってるから。

 だから、コントよ、ありがとうって思ってるねん。

 最後に、一言だけ、ここに書き留めときたい。

なんで落ちるんや!
三年連続やがな!
いやや!
いやや!いやや!
コントめっちゃ好きやねん!
なんかわからんけど今年いくわーおもてた!
明日、人前で笑えんのか!?
おい!
山名!笑えるか?!
今年駄目でしたわー!もぉー!
とか薄ら笑いで言えるか?!
ロケで元気に話しかけれるか?!
後輩においっす!って兄さんらしく言えよ!
言わなあかんぞ!
おまめ!どこや?!おい!おまめ!
うわ!実家やがな!
ごめんな!長い間!明後日迎えにいくからな!その時は、笑うようにするからな!
おととい、すげえいいサンダル買ったんよ。
それ今日届いた。
めっちゃ幸せやった。
ずっと履いていきたいって思ってる。
結果見てから、一切そのサンダル見てない。
今どうでもいい!
言うとくけど、今ずっとシラフやからな!
酒入ってないからな!
うわー!!
もぉー!!
ちょー!!
あっかん、しんど!
あつっ!熱っ!身体あつっ!
わー!!!!!!!

ほんま、ぴえん越えてぱおんですわ。


 
 

もしも、貴方が幸せになれたら。美味しいコーヒー飲ませて貰うよ。ブラックのアイスをね。