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溢れ出る小川糸さん愛を語る

ここ数日、本・映画・ドラマ・アニメ等々でインプットを急速にしまくったせいか息苦しくなったのでこれを機に私の好きなものへの愛を惜しみなく語ろうかと思います。note万歳。


私が小川糸さんの作品に初めて触れたのは柴咲コウさんが主演を務められた映画、『食堂かたつむり』。

食堂かたつむり

この時の私は柴咲コウさんの演技に魅せられ、そして食というものが人間にとってとても大事なことを教わりました。豚のエルメスが大好きで、動物とは思えない愛らしさがあり、まだまだこの世界に浸っていたいと学校の図書館でポプラ社から出ている原作の本を借り、嬉々とした表情で読みふけっていた覚えがあります。


それからしばらくは小川糸さんの作品を読んでいませんでしたが、『ツバキ文具店』が出版され店頭に並んだ瞬間、私はどうしようもなくその本から目を離すことができなくなってしまいました。私の好きなしゅんしゅんさんの装丁に、好きな文具を取り扱うお店。尚且つそれは鎌倉での生活の話…。好きなものが溢れてしかいない。今まで平常通りだった血の循環が一気に加速して、呼吸が乱れ、もう気になって気になって仕方がない。そんな気持ちで手を伸ばし、単行本だからお金がなあと思い返して棚へ戻すこと数か月。


ツバキ文具店


ようやく決心をして、大切に一ページ一ページ大事なお菓子の包み紙を外すときのように慎重に読み進めました。初めの一行目の文章から感じる温かく穏やかな雰囲気は、私が仕事やプライベートで忙しくしていて息たえだえの時に読むと和らぎと元のペースへと戻してくれる包容力があり、物語に出てくる鳩子やキューピーちゃんのようなキャラクターに終始癒され、最後には誰かに手紙を書きたくなり、大切な人たちに手紙を送って今の気持ちを伝えたりしていました。私の核となる部分に新たなる書籍がずっしりと腰を据えて(他はまた別の機会に)、もうそこから離れないぞと陣取っているのが愛おしくて仕方がない。私はただただその書籍をぎゅーっと抱きしめて離さない子供になりました。

それからというものの小川糸さんという人柄が気になって幻冬舎から出ているエッセイを色んな書店を巡って買い集め、それを読んでは心の中にはびこっていたモヤモヤを少しずつ取り除いていきました。小川糸さんはとても素敵な方で、生活に対する姿勢やペンギンさんとのやりとり、ゆりねとの楽しい時間、海外で過ごすときのことなどをシンプルな言葉で書いていてそれが彼女の素の文章なのかと思うと愛おしさが噴水の如くあふれ出る。

何かが出版される度にチェックをして、買いに行って、大好きな小川糸さんに触れる。それが物凄く幸せなこと。ただサイン会には参加できない。好きすぎて号泣になるのが目に見えているから。急に泣かれたら困るだろうと自分が泣かないように平常心でいられるようになるまでは会いに行くことを自制している。それくらい好きな作家さん。そんな好きな作家さんが書いた大好きな『ツバキ文具店』の続編に『キラキラ共和国』が出たのは小躍りをしたくなるほど嬉しかったです。


キラキラ共和国


またこの家族に会えるなんてと思うと、ほっこりと癒されました。人間ストレスよりも癒される時間が多いほうが大事なのではないかなと思います。本を通して皆と家族になれるのがとてつもなく愛おしい。続編を読み終わると大切な人たちに手紙が書きたくなり、近況報告やらなにやら書いて家の近くのぷストへ投函しました。どうか無事に届きますようにと願って一応ポストを撫でてりしていました。


その後忙しさにかまけて読めていなかった『ライオンの家』を昨日読了。いや、ほんとに重いテーマなのにも関わらず、どうしてこんなにほっこりして号泣できるのだろうか。それは単に小川糸さんがもつ文章力であり、キャラクターの際立たしさなんですけどそれはもう読んでみないとわからない人生残り最期の平和な時間が描かれています。

ライオンのおやつ


もし病気になったら私は瀬戸内海のホスピスに行きたい。小川糸さんが書いた世界観を想像させてくれるようなホスピスへ。そうしたら今よりもずっと健やかに過ごせるのかもしれない。最近は疲れやすいから布団に蹲って寝ていることが多い。今日も夜は眠い。



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