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業苦と犠牲__エミールについて【NieR:Replicant】

 今年9月にNieR:Automataをプレイし、レプリカントの世界観も気になってきたなという事で今年11月に購入したNieR:ReplicantをEエンドまで完走、無事ボロ泣き致しました。
 曲やストーリーの豪勢さもさることながら、キャラクター1人1人にスポットが当てられていて魅力満点の作品でした。まるで1本の映画を見てるような気分だったぜ……
 実質オートマタの前日譚に当たる作品なので、是非オートマタに触れる前にプレイしていただきたい作品である。Switch移植まだ?

 私は登場人物の中でもエミールの事がとても好きで、カイネとのやり取りや距離感がとにかく最高なんですよね。

カイネに揶揄われてるシーンが1番好き

エミールの人物像・そして過去

エミールといえば、パッケージにも写っているようなボロ布を纏いマフラーを巻いている骸骨のようなキャラクターを真っ先に想像しますが………

誰だお前!?(初見時の反応)

 南平原に佇む洋館に、執事セバスチャンと2人で暮らしている儚げな青年____彼こそが本来の『エミール』なのである。
 
私はパッケージに写っているような姿の彼しか知らなかったので、この姿で登場した時は本当に驚いた。
 訳あって見た物全てを石化させてしまう眼を持っている為、目隠しをして生活する事を余儀なくされている。しかしその日常が影響してか、耳が常人よりとても優れており、初めて洋館に訪れたニーアの年齢を足音のみで当ててしまうほど。
 
石化させてしまう己の眼を忌み嫌う彼だが、いつか自分の眼で世界を見てみたいそう。

____そして、突如村に現れた巨大マモノを図書館の地下室に閉じ込めるべく彼が自身の眼でカイネを石化させてから5年…
 カイネの石化を解く鍵が分かったかもしれないという旨の手紙がエミールから届く。そのすべを探るべくニーアとエミール、そしてシロは洋館の隠し地下室へ赴くことになるが………

お姉ちゃん呼びではなくおねえさん呼びな所に品の良さを感じる

 迷路のような複雑な地下室をジグザグ突き進んでいくと、そこにはなんと壁に杭で磔にされているエミールの姉、『ハルア』の無惨な姿が……

 暴走した6号(ハルア)を封印すべく、石化能力を持って産まれた兵器……それが実験兵器7号、エミールなのである。 
 封印を解いたことでハルアが再度暴走、エミールを取り込んで凶暴化してしまう。ニーア達の奮闘、そして姉ハルアからの助言の甲斐あって、エミールはなんとか一命を取り留める。しかしそこには以前のような人間の姿のエミールではなく___

つらい

 骸骨のような姿に変わり果て、顔を覆い嗚咽する彼の姿があった。
 
こんな呪われた姿では皆の前に出られないと言うエミールを、「何があっても俺達がついてる」と言い、抱きしめて慰めるニーア。ニーアさん無自覚イケメンすぎるよお…母性溢れすぎてるよお……

つらい

 強大な力を代償に姿が大幅に変わり果ててしまったエミールだが、カイネには一発でエミールだと見抜かれる。

あぁ^〜

 こんな醜い姿の自分でも構わずに受け入れてくれる仲間がいた事で、エミールは段々自分の嫌いな面を克服し、受け入れていく事となる。

 エミールはこの姿になってから、自分の中で燻っている感情を自覚し始める。……そう、『こんな自分を受け入れてくれたニーアへの恋情』だ。
 何を隠そうエミールは愛情レベルでニーアに好意を寄せており、真っ先に頭に浮かぶのはニーアの事だそう。仮面の王の結婚式前夜の会話では、

素敵だろうなぁ、キレイだろうなぁ。
いいなあ、フィーアさん、いいなあ。
____エミールにもいつか、いいお嫁さんが見つかるよ。
およめさん?……ああ、お嫁さんですか。

……そうじゃないんだけどなあ。

仮面の王の結婚式前夜の会話ログ

 と、まるでニーアの嫁になりたいかのような発言をしている事が明らかとなっている。多くのプレイヤーは、ここで彼の心の内を察した人がほとんどだろう。
 対してカイネの事は姉のような存在だと感じているようで、無意識に実姉のハルアとだぶらせている節があるそうだ。カイネとは共に野宿をする仲であり、いつかマモノ憑きの事や自身の姿を元に戻す方法を一緒に探そうと提案する場面もある。

……と、一通りまとめてみると無害そうな人物に思えるが、ひとたび暴走すると……

ここすき

 やはり魔法兵器。火力にはかわいげが一切ない。
エミールは自身の力を制御できず、『最強兵器としての本能』を暴発させウェンディどころか崖の村一帯を跡形もなく消し飛ばしてしまう。

 崖の村を襲ったマモノだけを倒すつもりが、罪のない村人まで殺めてしまった事で自責の念に駆られるエミールを、ニーアは「けど、エミールは俺達を救ってくれたじゃないか。エミールがいなければ、俺達は死んでたよ。」と頭を撫でながら優しくフォロー。ニーアさんほんと無自覚タラシ

 魔王の城では、デボルの死によって暴走したポポルによって建物が崩壊、エミールが浮遊魔法で難を逃れようとするが……

 既の所で捕まってしまう。しかし、

ぼく……少年だった頃の石化させてしまう目も、この醜い体になってからの姿も、本当に嫌でした。だけど、同時に『誇り』でした。だって……この姿のおかげで、みんなと……仲間になれたもの。みなさん、ありがとうございます。今、人を『守る』ための兵器になれること、本当に感謝しています。 

エミール 最期の言葉

 と伝え、エミールは自身を犠牲にニーア達を先へ進ませる事となる。
 

 と、エミールはここでポポルの暴走に巻き込まれて死んだかのように思えたのだが、なんとBエンドで頭部のみで生き残っている姿が確認できる。見た目に反してめちゃくちゃタフ。

タフなゴム毬ちゃんめ…(号泣)

 姉ハルアからの「生きて」という願いが功を奏したと私は解釈している。Bエンド後、エミールは失った身体を取り戻す為世界一周の旅に出るという展開になっている。

その後彼はどんな姿になったのかは、Eエンドで確認ができる

Eエンドの話

 Eエンドでは、主にカイネにスポットが当てられる。ニーアの存在が世界から抹消されたDエンドの続きの話である。
 神話の森の樹内部で大量のカイネのコピーと戦闘するカイネ。長きに渡る戦闘で力尽き、カイネに剣が振り下ろされようとしたその時…

激熱

生きとったんかワレ!!!!!!😭😭😭(号泣)
 
颯爽とエミールがカイネの目の前に登場。ヒーローは遅れてやってくるんだなって………
 しかもよく見ると腕が4本に増えている。身体を取り戻す際に余分に取り付けたのだろうか。これ以上性癖で刺しにくるのをやめてほしい
 
 エミールの救援もあってなんとかこの場を切り抜けることに成功。
 そしてカイネはシロに背中を押され、ニーアを取り戻すというストーリーとなっている。

 以前のエミールは自身の石化する眼や醜い身体を忌み嫌い、コンプレックスとしていたが、今は自分を認めてくれるニーアやカイネ、シロという心強い仲間に出会った。1人ではなくなった。
 『人を傷つける兵器』から、『人を守る兵器』へ。不器用ながらも、彼は一歩一歩確実に、仲間に支えられながら成長しているのだ。

私達の旅は……無意味だったのかもしれない。
僕達の過去は、間違いだったのかもしれない。
でも、後戻りはしない。
たとえ……この世界が終わるとしても。
大切な人がいる、世界だから。





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