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音のかたち、いのちの音

現在開催中の山形ビエンナーレに出演してきました。と言っても今年はコロナ禍でほとんどのプログラムがオンラインでの開催になるため、
正確には演奏を事前収録しに山形まで行き、その演奏の様子が先日公開されました。

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会場は、東北芸術工科大学の能舞台。ピアニストの坪口昌恭さんにお付き合いいただき、6曲ほど演奏しました。
坪口さんとは5,6年前に、私が好きでよく聴いていたvijay iyerというピアニストの来日ライブで出会いました。それ以来、何度かライブやRECに参加していただいていますが、ジャズピアニストとしてのしっかりとした技術と知識を持ちながらエレクトロニクスを巧みに使いこなすセンスが素晴らしく、音楽でもそれ以外でもシンパシーを感じる部分も多々あります。なかなかいないタイプの希少なジャズ(と言っていいのかな?)ミュージシャンだと思います。
通常の私のライブだとどうしても制約があるので、実験的なアプローチを多用しすぎないように控えていたのですが、今回は芸術祭だし誰でも閲覧できるということもあって、私が思う坪口さんの面白さを前面に打ち出したプログラムにしてみました。

東北芸術工科大学は環境も素晴らしく、ここに観客がいたらどんなに素敵だろう、とも思いましたが、静けさの中、鳥の声のアンビエントが美しい、とても贅沢な時間になりました。
今回はアーカイブは残らないのですが、いずれダイジェストのような形で紹介できたらいいなと思います。

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ライブ後の稲葉俊朗さんとのオンライン対談もまた、とても意義のあるものになりました。今回のビエンナーレの芸術監督も務める医師の稲葉さんは、医療に携わる方でありながら音楽にも造詣が深く、また著書も多く出されていて「医師」というだけにとどまらない幅広い活動をされています。
今回のプログラムのテーマの一つとして私が掲げていた「二元を超えた先にあるもの」とその象徴として選んだ「Words」というポエトリーと、稲葉さんの話がシンクロしているようで、とても心に残る時間でした。鳥の泣き声の話、絶対音感の話、生者と死者で踊る盆踊りの話、どれもとても興味深いお話でした。いつかまた、ゆっくり対談してみたいです。

稲葉さんと話をしながらぼんやりと、10年ほど前に母校の哲学の中村教授と対談した話を思い出していました。
まだリンクが残っていたので、よければご覧ください↓

https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/special/201007_nakamura_akiko-1.html


稲葉さんもおっしゃっていましたが、私を含め自身の活動をカテゴライズするのが難しい様々な方々が、今回のビエンナーレにはたくさん出演しています。会期中、興味深いプログラムがたくさん用意されています。オンラインならでは、ですね。
是非、楽しんでください。

https://biennale.tuad.ac.jp


私の現在の活動、音楽に限ったとしても異なるスタイルを提案してきた中で、そのどれが本当の自分でどれは偽物、とか、どれが優れているか、ということではありません。
言うならば、例えば楽しくてわかりやすい音楽を演奏したり、古いジャズのスタンダードをとてもオーセンティックに(敢えていえばとても「普通に」)歌うことが、何か実験的でアンビエンタルな音楽よりも芸術的に劣っている、ということでもなくて、私の中ではどれも同じように心から向き合える、私の中の根源的な音楽的要素です。変わったことや分かりにくいことをしているからすごい、というわけでもないと思います。大切にしたいのは、自分でそれを「リアル」に感じてやっているかどうか、ということ。なんとなくの「フリ」ではなく、自分自身の心からの表現であるかどうか、ということ。


というわけで、私のルーツミュージック的なイベント「Rockin’ Jivin’ Swingin’」を久しぶりに開催します。

http://www.jzbrat.com/liveinfo/2020/09/index.html#20200921

コロナ対策のため、人数を半数に制限しての開催となります。
Gentle Forest 5 + Gentle Forest SIstersに加えて、アモーレ&ルルさんのダンスパフォーマンスも。
そして今回は初めて、オンラインチケットも発売する予定で準備をすすめています。
詳細はまた追って。

今年はコロナ禍で、活動が制限されることも少なくないですが、
そんな中でも、楽しい企画をどんどん提案していきたいなと思っています。

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