見出し画像

祇園祭 お迎提灯と神輿洗式

2023年7月10日夕刻 
八坂神社へお迎え提灯と神輿洗式を見に行ってきました。

この日から前祭りの鉾町では鉾建てが始まっていましたが、あいにく15:00頃にゲリラ豪雨が降りました。16:30に四条駅に着いて函谷鉾と長刀鉾を見てみたら、どちらも雨除けのカバーが取り付けてありました。

長刀鉾
カバーの下では作業が続いていました

四条通を東へ進んで、御旅所をのぞいてみたら、まだお土産屋さんの営業が続いていました。10日まではお土産屋さん、11日から模様替えスタート、14日には御旅所となるそうです。
7月17日の神幸祭から24日の還幸祭まで八坂神社の三柱神様が御神輿に乗って、御旅所に鎮座されます。
神様が鎮座される御旅所が、祇園祭が終わるとお土産屋さんとして多くの旅行者が立ち寄るスポットになるのも、京都らしいというか、京都でしか見れない光景のように思います。

16:30に八坂神社を出発して、四条河原町を右折し北上するお迎え提灯行列を観れたらいいなぁと思いながら八坂神社へ歩いて向かったら、16:55頃高島屋の前で最後尾の馬長稚児(うまおさちご)をちらっとだけ見ることができました。

馬長稚児(うまおさちご)
雨上がりで湿度が高いなか、お稚児さんもお馬さんも皆さんもお疲れ様です。

道路を封鎖せずに、行列の前後に警察官が帯同して必要最低限の交通規制をしながら行列するのは、さすが京都だなと思いました。
日常生活の中でフツーにお祭りや神事が行われていることに驚きます。

お迎え提灯は、神輿洗いから八坂神社へ戻ってくるお神輿をお迎えするための行列です。文字通り「おむかえ」と書かれた提灯が行列の前方を練り歩きます。

市内行列を終えて、八坂神社へ戻ってきた時の写真です

祇園萬燈会の役員、太鼓、おむかえ提灯、お囃子台車と続き、ここからは子どもたちが行列しています。武者組、小町踊、鷺踊、赤熊、祇園祭音頭、馬長稚児と和衣装を着て行列するのは小学生くらいの子どもたちで、暑い中、せったや下駄を履いて何キロも練り歩くのは、大変だったと思います。
お囃子台車は毎年山鉾町が交代で担当しているそうで、今年は鷹山のみなさんでした。

朝10時に神用水清祓で鴨川から汲み上げられて、宮川堤で保管されている御用水を再び見に行ってみました。
八坂神社か宮本組の方が番をされているのだろうと思っていたのですが、警備をしている人は誰もおらず、結界が張ってあるだけでした。
ゲリラ豪雨でも立砂は全く崩れていなかったです。

川の向こう側、中央の黒い屋根の建物がちもとです

宮川(鴨川は祇園祭の期間中、四条大橋から松原橋までは宮川と呼びます)の向こう側では ちもと で菊水鉾がお囃子(コンチキチン)の準備を進めていらっしゃいました。

祇園商店街の原了郭の店頭は、神輿洗いに合わせて、まだ飾りが付けられていない中御座がディスプレイされていました。たぶん7月10日だけの設えと思います。

17:30に八坂神社に到着したら、すでに見物の方がたくさん集まっていて、本殿では神輿洗奉告祭の神事が始まっていました。

本殿で神事が厳かに行われている中、四若の皆さんが威勢よくホイトォッホイトと掛け声をかけながら神輿庫から三基の御神輿を出していらっしゃるのが何とも不思議でした。

三基の御神輿については八坂神社の公式サイト等でご確認いただければと思います。
知っておくと祇園祭をより深く楽しめるポイント
中御座 素戔嗚尊(すさのおのみこと)が乗られる御神輿で、六角形をしていて、三若(さんわか)がご奉仕(=お神輿をかつぎます)されます。
東御座 素戔嗚尊の妻・櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと) 四角形、四若(しわか)
西御座 素戔嗚尊の8人の子供・八柱御子神(やはしらのみこがみ)八角形、錦(にしき)

7月10日の神輿洗いでは、神輿庫から四若神輿会が三基を運び出します。
最初に中御座、次に東御座、最後に西御座。私が知っている範囲では祇園祭は常にこの順番で進行していきます。
神輿洗いでは中御座神輿だけが四条大橋へ向かいます。

南門から出ていく中御座 まだ飾りが付いていません
神輿庫から運び出されて舞殿に移動した東御座
同じく神輿庫から運び出されて舞殿へ移動する西御座

境内では大松明がスタンバイ。

18:00に本殿での神事が終了。舞殿では東御座と西御座の飾り付けが進んでいました。

舞殿で飾り付けが進む東御座と西御座

日が傾いてほの暗くなってきた19:00に大晦日の”をけら参り”と同じ御神火から大松明に点火されました。

神職が手に持っている赤い箱の中に御神火が入っています

まずは大松明だけが四条大橋へむかって露払い。

本殿前から南門へ向かう大松明

16:30に八坂神社を出発したお迎え提灯の行列は河原町通、御池通、寺町通と市内を練り歩いて、19:20に八坂神社へ戻ってきました。

鷹山の屋台

19:00に八坂神社の南門を出発した大松明が戻ってきたのは19:40頃。

大松明から火をつけた松明と、中御座が八坂神社の南門から出発して、東大路通と四条通の交差点を通ったのは20:00頃。

これから四条大橋へ向かう中御座

ホイトォッホイトの掛け声を四条通で聞いて”京都のお祭り”が始まったなぁと感じました。

朝行われた神事用水清祓式で鴨川から汲み上げた御用水に、八坂神社の神職が榊を浸して、四条大橋で中御座をお清めするのが神輿洗いのクライマックスです。
四若の役員の方も榊をふってお清めされます。
この時に御用水を浴びることで一年間の無病息災が叶うとされていて、多くの方が四条大橋につめかけます。

四条大橋では立ち止まらないようにと警察が交通整理していたので、四条大橋での神輿洗いを観るのは諦めました。

20:40頃 宮本組、四若が担いでいる中御座、四若と宮本組が担いでいる松明(5本か6本あったと思います)が隊を成して、ヨイヤーサージャの掛け声で八坂神社の西門前に戻ってきました。お迎え提灯の行列も合流して南門から境内へ。

四条大橋から戻ってきた中御座と松明

八坂神社の舞殿に戻った中御座はその日のうちに飾り付けが行われます。
夜は松明の明かりと舞殿に奉納されている提灯の明かりで八坂神社は幻想的になります。24時間参拝可能ですので、祇園祭期間中に京都にいらっしゃったら、是非八坂神社へお参りされてください。
(7月17日~24日は四条通の御旅所に御神輿が鎮座されています)

朝の神用水清祓式から夜の神輿洗いまで、いろいろと祇園祭を見れて楽しかったです。

複数の方に祇園祭のことを質問されて、知っている範囲でお答えしましたが、英語での説明はかなり難しかったです。
お神輿がportable shrinesだとは知りませんでした。八坂神社の英語サイトで勉強しようと思います。


いいなと思ったら応援しよう!