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私も言いたい - なんで二重国籍を認めないの?

ノーベル物理学賞を受賞された真鍋淑郎氏を日本人として報道する日本のメディアや、岸田総理の発言に違和感がある、という記事を読んだ。

そうなのだ、確かに真鍋氏は国籍がアメリカだから日系アメリカ人、として伝えられるべきだと思う。そして、あたかも日本国籍の日本人がノーベル賞を受賞したように報道するのはちょっと待ってくれ、と思う。それに真鍋氏は自分の意志でアメリカ国籍でアメリカ人研究者としてやっていくほうが理に適っている、と判断してアメリカ国籍を選んだ方だ(インタビューとか読む限り)。おめでたい時だけ日本人扱いして、そうでないときには話題にも上らない海外に住む日本人や、元日本国籍だった人、あるいは日系人のこと、もっと知られるべきじゃないか。そして二重国籍のメリットとデメリットについてまっとうな世論が持ち上がってもいいんじゃないか、と思う。

この記事には二重国籍を望む海外に住む日本人に対して、「外国籍を取得しておきながら日本国籍も維持したいなんてズルい」「ワガママ」「調子が良すぎる」という世論が多くある、と書かれている。

正直、なんじゃそら? な意見だ。何を基準にズルい、ワガママ、調子良すぎる、というの? 海外に住むのは楽しそうで、おいしいとこどりばっかりなのに、日本国籍も持っていて、さらにおいしいところどりばっかりされる、とでも思われているのだろうか? 旅行で遊びに行くのと住んで生活するのは違うんだけど。二重国籍ということは両方の国での義務や責任を果たさなければならんのだ。税金とか。兵役のある国もある。それより日系アメリカ人が受賞したノーベル賞を日本人の功績としてカウントするほうがズルく、調子よすぎないか?

そういえばテニスの大坂なおみ選手は、日本代表なんだよね。いくつなんだろう。それでアメリカで生活している時間のほうが長いのに、なんで日本国籍なんだろう、と思って調べてみた。

彼女は今24歳。21歳まではアメリカと日本の二重国籍だったけど、Wikipediaによると、22歳になる時点で日本国籍を選んだそう。その理由として、全米テニス協会が彼女にほとんど興味を示さなかったので日本国籍を選んだ、と記載されている。では、21歳の時点で全米テニス協会が彼女に興味を示していれば、彼女はアメリカ国籍を選んでいた可能性もあるわけで、そうすれば日本は彼女を日本代表なんて騒ぐ機会に恵まれなかった、という可能性もあるわけだ。Wikiの情報だからどこまでは客観的な情報か怪しいが、全米テニス協会の態度が大坂選手の国籍のチョイスに一番大きな影響を与えていたのなら、大坂選手が日本代表だということで鼻高々な日本人は全米テニス協会にお礼の一つでもゆっとけばどうか、と思う。

日本国籍でなくなると、漢字の名前ではなくなるらしい。それは知らなかった。私の名前も、アキコ・ヤマガミという記載になる。もともと角ばった感じの名前がさらに角ばった感じになるね。(笑)

私の名前を聞いて、どんな意味なの?と聞かれることがある。漢字の名前には意味があるけど、カタカナの名前になると意味は失われるんだろうか? 他にアキコという知り合いがいる人なんかから、「秋に生まれたって意味なの?」と聞かれたり。その時に、「私の名前は明るい子って意味なのよ。発音は同じだけどね。」というが、漢字じゃなくなると、名前に込められた意味も薄れるような気がする。

私の国籍はいまだに日本だけど、漠然とそのうちアメリカ国籍になるだろう、と思っている。いつかはわからんが、たぶん日本にいる両親が亡くなった後かな、と思う。旅行することだけで考えると、日本のパスポートもアメリカのパスポートも、私が行きたい国に入国できるのでどちらでもいい。ただ、今後日本に長期滞在することになった場合、私の生活の基盤はアメリカで、永住権(グリーンカード)を有効に保つために6か月ごとに行ったり来たりとか、できるけどめんどくさそう、と思う。そしてそこへ踏み込む前に、外国人として日本に旅行、滞在するにあたって失うもの、不便になるもの等を調べねば、と考えるとそれだけでさらに億劫だ。

世界には二重(多)国籍を認める国がたくさんある。認める国と認めない国は約半々、認める国のほうが少し多いぐらいだ。その内わけも発展国から途上国までいろいろ。どの国も様々な理由で認めたり認めなかったりしているんだろう。日本は「大半がこうしていますよ」というとそれに同調する風潮がある国だから、世界の大半の国が二重国籍を認めてるんですよ、あなたも参加しませんか?なんて誘われるとコロッと二重国籍もいいんじゃない、という世論に変わるなんてことも。。。 ないかしら?

この記事には「海外に住む日本人が外国籍を取得したことで日本国籍を失い、その状況について嘆くと、日本であまり理解されないことがあります。それは外国籍取得にいたった当事者の苦悩が世間であまり知られていないことも原因なのではないかと思います。」とある。どうすれば当事者の悩みを多くの日本にいる日本人に伝えることができるのかしら、と思う。私自身、苦悩、というほどのものはまだ経験していないけれど、日本国籍を手放すことに躊躇しているので、未練はまだまだあるのだ。できれば成人の二重国籍を認める国になって欲しい。

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