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一人で寝に行く、と宣言された日

今年の5月に、いつまで添い寝できるんだろう、という気持ちをnoteに綴っていた。息子ちゃんは9歳になるし、そのうち一人で寝るから添い寝しないでいいって言われる日がくるだろうなぁ、と思っていた。そしたらその日は結構すぐ来た。

先週の金曜日だったか、私がやたらと疲れていて、眠くって仕方なかったので、私、お先に寝ます、後は自分たちで好きなようにやってくれ、と言ってさっさとベッドにもぐりこんだ。その晩、息子ちゃんは主人にも、添い寝しなくても一人で寝れる、と言って、実際自分で一人で寝に行った。土曜日は私が添い寝したけど、日曜日の夜は、彼から、僕はこれから一人で寝るから、と宣言したのだ。

なんで?と聞いたら、友達はみんな一人で寝てるし、もっと小さい子でも一人で寝てるから、僕もできる、という。小さい子、というのはこの前まで近所に住んでいた6歳ぐらい年下の子。

9歳の子供を相手に添い寝してるなんて、あんまり自慢できることではない、と捉えているけど、別に無理して一人で寝ろ、って言わなくてもいいかな、というのが私と主人の考え方だった。そして、添い寝、といえ、結局は大概私のほうが先に眠ってしまって、1時間後ぐらいに目が覚めたら自分のベッドに寝に移る、という行動だ。添い寝、というよりは寝る時間を同じにした、という感じかもしれない。夜は9時過ぎに寝て、私は5時半ぐらいに起きる、というようなスケジュールだった(COVID以前の話だけど)と思う。今は7時ごろ起きている。通勤しなくていいから。

なんでそんなことにしたかというと、まだ息子ちゃんが小さいかったころは、とりあえず彼を寝かしつけて(8時とかに)、その後自分のやりたいことをする、というような感じだった。そのうち彼が大きくなるにつれて、寝る時間が少しづつ遅くなり、9時頃になったあたりで、大人が起きていると、なんか無理して彼も起きていようとしてない?と思ったからだった。その気持ちもわからないではなかった。なんせ自分が子供の頃、夜更かしして、何か特別なことをするわけでもないけど、両親と一緒に起きている、というはなにか楽しいことだったから。大人が起きているなら、私も起きていたい、大してすることないけど、という心境。もし彼もそんな風に感じているなら、心置きなく眠れるように、私も寝る時間を一緒にしたほうが話がはやそうだ、と。

それから、夜9時ごろに一度軽く眠ってしまうと、頭が冴えてしまって、それから起きて歯を磨いてパジャマに着替えて、と寝る用意をすると、いざ寝るぞ、となった時にお目々ぱっちり状態。それを避けるためにも寝る準備は9時ごろに済ませてしまう。そして、息子ちゃんを寝かしつけながら、うたた寝してしまっても、ちょっと朦朧とした頭で眠ってるのと起きてるのの淵ぐらいでふらふらと自分のベッドにもぐりこみ、本格的に寝る、というシステムになった。

私は3人姉弟で、子供の頃はみんなで布団を並べて寝ていたので、一人で寝るのが寂しい、という思いをしなかった。暗い部屋は怖かったけど。なので、小さい子供が一人で寝るのって、寂しくないんかしら、とかつまらんことないんかしら、と考えてしまう。子供の頃、隣にいる妹と話をしながら寝付いたりしたのを覚えているから。実際息子ちゃんは寝つきがいいので、初めの数分は起きていてどうでもいいことを話しているけど、そのうちすぐ眠ってしまう。私もだけど。

それから、一人っ子だから、添い寝だけに限らず、いろんなことを一緒にやっておかないと、私が母親やれる相手ってこの先にも後にも一人だけだしな、と思う。それが一番の理由かもしれない。

昨日(日曜日)は、彼が赤ちゃんの時にいただいたオルゴール入りのクマのぬいぐるみの修繕をした。そのクマは足を引っ張ると中のひもが引っ張られて、足が縮まる間、頭の中に入ってるオルゴールからブラームスの子守歌が流れる、という仕掛けになっていた。もう数年、そのひもが切れてオルゴールがならなくなっていたのだ。どの子も毛布だったりぬいぐるみだったり何か特別に好きになるものがある、って聞くけど、彼にとってはこの青いクマがそうで、いまだに一緒に寝るし、日本に行くときも、ペンシルベニア州に帰省する時も一緒に連れて行く。それでひもが切れて以来、数年になるが、このクマ直してよ、と頼まれていた。そしてやっと昨日クマの手術をしたわけです。

驚いたことにオルゴールはまだまだ大丈夫で、手探りで見つけたひもを引っ張ったら、ちゃんと子守歌が流れてくるのだ。なのでひもを新たに足の辺りに縫い直し、背中を閉じ合わせると、元のような感じに見える(色はくすんでるけど)。息子ちゃんは大喜びだった。それで昨日の晩、一人で寝る、と宣言して、一人でベッドに向かった彼。耳を澄ましているとクマのオルゴールが聞こえてくる。それからネコが一緒に寝ようとベッドに上ってきたようで、ネコに話しているのも聞こえてくる。10分もせずに物音がしなくなって、どうやら眠ってしまったようだった。こんなにあっけなく一人で寝る日は来るんだね。



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