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図書館のにおい

少し前に日高敏隆氏の本を2冊立て続けに読んだら、、その両方にDesmond Morris氏の裸のサルが度々引用されていた。日高氏の本が気に入ったので、ではこの裸のサルも読んでみようとアマゾンで検索。

Desmond Morrisはイギリスの動物学者で、彼の本は英語で出版されている。それなら日本のアマゾンを通して邦訳の本を注文するより、英語版をアメリカのアマゾンで注文するほうが安いか、と思ってみてみたら。なんと、裸のサル、ことThe Naked Apeは廃版なのか、新しい本では売られていない。それで中古を注文する。

届いた本は、ノース・キャロライナの図書館が処分したもの、という感じだ。裏表紙の中には返済期日をスタンプを押すためのカードが張り付けられている。そして背表紙にはコールナンバーとバーコードが。

図書館の本って大概ハードカバーなのよねぇ、と改めて観察してみて発見したことが。

これは。。。もともとソフトカバーの本を長持ちするようにわざわざハードカバー仕様に作り直している。。。

というのも、よく見ると、本の表紙になる固い部分は真っ白で、そこにソフトカバーであっただろう表紙がラミネートされているようなのだ。そして本の中身の部分も一度本から丁寧にはがして、新たにしっかりとしたハードカバーの表紙に張りなおされているようだ。

図書館で本を借りてくるといつもハードカバーで重たくって、通勤時間が私の読書時間だったCOVID以前の私にとっては結構借りてきた本は重荷であった。けれど貸し出す本を長持ちさせるためにこんな工夫まで、というか労力までかけられていたのだ。

感慨にふけりながら本を開けると。。。 ふわ~~~~っと漂ってくる図書館のにおい! ついでにページはもう淵が黄色く変色してるから、結構古いんだろうなあ。そしてびっしり文字が並んでいる。ページの端のほうまで文字が並んでいる。こんな印刷の本って今までにこれ以外に1冊しか出会ったことないわ。それも図書館で借りてきた本だった。チョコレートの話。細かくはチョコレートを巡るHershy とMarsの話。

この図書館のにおいってたまらん。

本を借りなくてもにおいをかぐために市立中央図書館に昼休みに行っていた日々が懐かしいな。あそこのギフトショップはいろいろ買わなくてもいいのに欲しくなるものがたくさんで困った。

本を広げて スーハースーハー ページの隙間から香り立つ本のにおいを嗅ぐ。そんなことばっかりしてるので、全く先に進まない。においは日が経つにつれて薄れていくよ。そしたらこの本を図書館に持って行って、また図書館のにおいが付くまで置いて行ってもいいですか?なんてことできないだろうか。

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