見出し画像

嫌われる勇気---ネコのノミ取りの薬

ネコの記憶力って短いから、すぐ忘れるよ。

とか、

ネコだって自分のことを思ってしてくれてるってわかってるって。

なんてコメントをする人に限って、ノミ取りの薬を実際ネコに投与する係か?と聞くと人に押し付けるタイプなのだ。

ネコは必ず覚えていると思う。だって毎月薬をあげる(首の後ろに垂らす)時になると、何かを察してすぐいなくなる。感ずかれたか。。。と躊躇した時にはもう遅く、ネコはじりじりあとずさりして、サッと手の届かないところへ行ってしまうのだ。

毎月、辛いなぁ、と思っている。4週間ごとに投与してください、と書いてあるから、忘れないようにカレンダーに印をつけておく。12か月分。そしてその日が近づく数日前から、ネコ達に「あと数日で薬の日だからね」と話しておく。私の気休めの為に。4週間ごとに嫌われる勇気を持たねばならんのだ。

人懐こいポーの方は、あんまり手こずらない。なんせほとんど警戒心を持っていないから、薬を片手に持った私が近づいても、キュゥゥン、なんて言いながら近寄って来る。ポーに対しては私ってばちょっと上手に出てるかしら。。。と思ってしまうぐらいだ。かわいがるふりをしておもむろに首根っこを掴む。ネコは首の後ろを掴まれるとじっとするので、その間に毛をかき分けて薬を垂らす。手を離した瞬間、まさに「やってくれたね。。。」という目で見られ、あっちゅう間にアパートのどこかへ消えていく。

普段はこんな風に愛想を振りまくのだ。なんか、ウサギみたい。カメラを向けるとポーズまで取ってくれるサービスぶり。

画像1

困るのがリオの方。警戒心が強いうえに、人に触られるのあんまり好きじゃないし。もう10年以上うちにいるっていうのにいまだによそよそしい。なんだけど、外に出かけるのは大概リオの方で、こっちに薬をやるほうが重要。奴がノミを連れ帰ってきてポーに移しているから。

何も、辛くされるほうがさらに好きになる、とかそんなアホなことを言うつもりじゃないんだけど、どうしても愛想のめちゃいい💖の塊のようなポーより、リオに好かれたいと思ってしまうのだ。ここ数年でかなり私らにも打ち解けてくれて、今ではブラシをかけたり、頭をガシガシ掻いてあげたりとかできるようになったんだけど。今だに抱っことかさせてくれない。そんなことしたらひっかき傷どころじゃないわ。

そんなつれないリオに4週間ごとに避けられる、というのは勇気がいるのだ。私の根性無しも手伝って、捕まえ損ねて、さらに警戒されて薬をあげる日が1週間ぐらいずれたこともある。

さて、今月は2日前になんとおめでたいことに2匹そろって薬をあげることに成功。ポー朝、リオ夕方、と時間差さえあれど。

一旦朝にリオにも薬をあげようとして悟られ、失敗した私。機会をうかがっていたんだけど、思いついたことが。最近のリオは裏口の階段で日向ぼっこするのが好きで、しかも自分が寝そべっている時に、人間の誰か(夫か私、と言う意味)が一緒に階段に座って背中を搔いてもらうのを好む。ちょっと年寄りっぽくなってきたのかな、と思う。性格もなんだか丸くなってきてるし。とにかく、その状態から彼の首根っこを掴むのは結構簡単じゃない?と思いつき、さっそくやってみた。そしたら大成功だった。

薬をやるには大成功だったけど、その後、私の手が届かない距離まで階段を下りておいて、振り返って私を見返すリオの目が「このやろう。。。」と語ったか「信じられない。。。」と語ったか。読み取れないんだけど、何にしろ、あ、また嫌われたわ、という確信はあった。

あれから2日。私は裏口の階段に座っていない。寒いからそんなことやってられんのだけど。リオも寒いから外に行くよりは、ヒーターのそばのカーペットがいいらしい。

画像2

↑これはよく見ると右上にポーがいる。ロン毛だから今冬物コートでモフモフ。

自己啓発なんてしなくたって自分ちのネコにノミの薬やってたら嫌われる勇気ぐらいばっちりつきます。4週間おきに。

画像3

寝るときは椅子がいいらしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?