加代子さんのこと 2024.6.4

紫陽花があちこちきれいに咲いてる

でも今日の空気はカラッと乾いていて、秋のお彼岸を思わせるような。


朝ずっとお世話をしてきたばあばは、徘徊がひどくなり、あるとき夜中にとんでもないところでお巡りさんに保護されて。その時に転んで頭を打ち血を流していた。
翌日受診し、CTも撮ったけれど、そのときには打ち身の大きなたん瘤しか確認できなかった。

けれどひと月以上たち、どうもその頃からやたらと転ぶことが多くなり、昼間の傾眠も多くなっている様子があった。先日また転び、また顔にあざをつくり、朝の様子もふらつきがひどくおかしかった。さすがに受診となったら、救急ということになった。結局救急車で運ばれ、緊急手術となった。脳内出血の血液を抜く手術。少なくとも1週間の入院。

なんとか自宅暮らしをしてきたばあばも、いよいよもう無理だ、いままでの経験からしても、ここで入院したらもう次は歩けなくなる可能性もある。。そう思いながら、観念し、毎朝のようにデイケア見送りのお世話に行っていたのもはたとなくなり、急に気が抜けるような気もして、どこかほっとする気持ちもあった。できることを全部してきた、そんな思いもあったから。

先日の日曜日。退院と、いつも通う馴染んだホームで急遽臨時でステイをさせてもらえることになりそこへの移動をするために病院へ行くと、なんとも元気になり、ケガする前の口も達者でシャキシャキと、足元も軽快なばあばがいた。もちろん、もろもろを忘れてしまっているのは変わらないのだけれど。

なんとも、よかった、とほっとし、胸を撫で下ろした。そして、これからはもうさすがに、独居ベースの暮らしはむりである。次にどんな怪我をするかもわからない。介護士さん、ケアマネさん、さまざまな方にお世話になり、暮らしていくしかない。そのためにまた引き続き手間もあるのだが、なんとかやっていくほかない。
長かった日々。そんな岐路を迎え6月。季節はもう初夏の陽気。

いま、だれもいない、主を失ったばあばの古い家。おととしに亡くなったおおばあばから住んでいた家だ。いろんな時があった。賑わいもあった。静かな毎日があった。いま、時計の音、通りをゆく自転車の音。傾きかけた明るい陽光。

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