パン屋さん

いつか自分で焼いたパンを売れるようになりたいと思っている。
全粒粉を出来れば100%使用した美味しいパンを手頃な価格で売りたい。

自分でパンを焼くようになったのは、今3歳の息子を妊娠してからだから、およそ4年。それまであまり「食」にこだわりがなかったのが一変。おそらく私以外の多くの親たちも「自分が食べたもので子供の体が作られていく」というような責任感を背負ってきたと思う。私もそんな一人で、なんとなく「添加物、化学調味料、農薬」にネガティブなイメージを抱き、買うものすべての食品表示をチェックする。見たところで知らない単語だらけ。知っている単語だけだと安心する。

当時住んでいた釧路の集合住宅付近にパン屋はなく、良くてスーパーのパン屋。食品表示を見るとやはりカタカナの添加物が盛り沢山。たまたまネットで目にしたレーズンから酵母をおこしてパンを作っている動画。これなら出来そう!とパンを焼き始めた。自分で焼くと、「粉、水、ふくらませる何か(ドライイーストか自然酵母か)」だけでパンができてしまう。安心感も大きいが、何と言っても原材料費がとても安い!ちょっとこだわった道産の小麦を使ったところでカンパーニュ1個100円かからずに焼けてしまう。そして私はすっかり酵母に魅せられてしまう。目に見えないのに元気に呼吸している何か。手をかければかけるほど可愛く愛おしい。パンを焼くだけならばドライイーストが一番優秀な酵母なのだけど、育てるのが楽しい。

妊娠してから私の食の方針は
添加物フリー、化学調味料不使用、無農薬、オーガニック…と傾きかけた。更にはグルテンフリーを実践するため100%米粉パンを作ってみたり(これは完全に餅だった…)。しかしある時ふと思った。これらは本当に身体に悪いのか。イメージだけでよくわからないものを極端に怖がっているのではないか。意識高い系の気分で実はイメージに踊らされている愚者ではないか…。(注:私の場合と捉えてください。ちゃんと勉強した上でそういう食の方針を取っている方、実際にアレルギー等で制限をしている方がたくさんいらっしゃるのは承知です。私の場合、当時はイメージに流されていました)

以来、食にかかわらず何かの意見を持とうとするときに、賛否の両論を目に通すように心がけている。
食について今は、津川祐介氏の「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本を信頼している。この本はエビデンスデータの深度によって、積極的な摂取によって健康維持に効果的な食物と逆にリスクを上げる食物を記載している。この本によると、白い炭水化物(精製された小麦、米など)避けるべき食材で茶色い炭水化物(全粒粉、玄米など)は積極的に摂取すべき食材とされている。
これについて私は絶対的に茶色い炭水化物のほうが調子がいいと体感している。今まで白い小麦のパンや白米のおにぎり、うどんなどを食べたあとは極度の睡魔や倦怠感に襲われていたが、全粒粉のパンや玄米を食べてもそれらは全く感じない。それにすこぶる腸の調子がいい。コントロールできる範囲で極力全粒粉や玄米を食べるようにしている。

そんなことで、今現在私は全粒粉100%で美味しいパンを作ることに励んでいる。ハード系のパンは相性がよく、違和感なく美味しいカンパーニュになる。一方子供が好きそうな柔らかめのパンがまだ苦戦中。全粒粉は膨らみにかけ、どっしりとしてしまいがち。オイルの配合や豆乳の利用など試す余地がまだまだある。

もしも全粒粉比率が高くて美味しいパンを焼けるようになったら、ぜひ多くの方に提供したいと思う。

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