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<歴史の中に>

第二十二候【蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)】

『小満』の初候 5/20〜5/25頃

二十四節気は、立夏から小満へと移り変わりました。
立夏から始まった夏が、さらに夏らしくなってくるのが小満のころ。
本格的な梅雨を目前にして、先走るようにぐずつく天候が続く「梅雨の走り」がみられる頃でもあります。
梅雨対策も頭に入れておきたいですね。

七十二候の方は、「蚕起食桑」に入りました。
旧暦の4月は、かつて「木の葉採り月(このはとりづき)」とも言われていました。
ここで言う木の葉は、桑の葉。蚕の成長にかかせない桑の葉を摘む時期ということです。
何度か休眠を繰り返しながら成長した蚕が、最後に猛然として桑の葉を食べると、いよいよ糸を吐いて繭を作り始めます。
かつて絹は、日本の重要な産業のひとつでした。
農家は蚕の世話と田植え、そして地域によっては麦の収穫も重なって、猫の手も借りたいほど忙しい時期でした。
大切な蚕をネズミから守る役として、猫を貸し借りすることもあったそうで、「猫の手も借りたい」という言葉は、ここからきています。

現在の生活の中では、蚕が桑の葉を食べる光景を見ることはほぼありませんが、七十二候の言葉から、日本を支えてきてくれた先人たちの生活を感じることができます。
目まぐるしく変化する現代の生活の中で、気持ちが疲れてしまった時、
歴史や先人の知恵の中に解決の糸口が隠れているかもしれませんね。

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