0-1 その頭痛、低髄液圧症候群ではないですか???

お日様とひまわりが自分のトレードマークのような気がしているので、この写真を選んだ。本名のあきこは「晶子」と書き、お日様が三つ分の明るさをもって強運に恵まれて生きてこられたのは、この名前があったからだと思っている。

noteに記録しようと思ったのは、ある日突然発生した鎮痛剤のまったく効かない強烈な頭痛により、2回の救急搬送、大学病院への30日の入院・検査・治療を経て日常を取り戻しつつある今、同じ病気になった人に向けて情報提供になればという思いと、この病気についての認知が広まればという気持ちからだ。

低髄液圧症候群もしくは脳脊髄液減少症という病気

この病名を聞いてピンとくる人は正直まだ多くはないと思う。低髄圧と言われることもあるが、病名が長いと面倒なので以降「低髄圧」と記載する。

【症状】

起立時(上半身を起こした状態)に激しい頭痛が起きるが、臥床安静時(頭を床につけて横になった状態)に沈静化する。首の痛み、吐き気、眩暈などを伴うこともあるが、一番の特徴はやはり、起き上がっているときと、横になっている時の痛みの落差だ。

【メカニズム】

脊髄から脳にかけて硬膜という膜で覆われ、その中は髄液という液体で満たされている。通常、硬膜内は一定の水圧が保たれており脳はその中に浮いているような状態である。しかし、何らかの原因で硬膜の一部が損傷することにより髄液が漏れ出し、硬膜内の水圧が低くなることで脳を定位置に固定できず、起立時に特に激しい頭痛が起きる。

【髄液漏れの原因】

①外からの刺激→交通事故やスポーツなどで頭や首を強く打つ、整体での骨格調整、尻餅をつく、無理なストレッチ。

②検査→腰椎穿刺による髄液採取や、髄腔への薬剤注入時の刺激。

③原因不明→日常生活を送っていて突如発生するケース。私の場合はこれで「特発性」という。

①の場合は本人も自覚があるので診断が速いこともあるが、一方で「むち打ち症」などと誤診されて、病気が慢性化するケースもある。②の場合は、一時的に副作用のような症状なので1週間程度の安静で回復する場合がほとんど。③の場合がやっかいで、病院で軽傷扱いされることも・・・。

ざっくりいうと、低髄圧とはこんな病気だ。すぐに命に関わる疾患ではないものの、日常生活はまず送れない。しかし、こんなに辛いのに医療機関含め周りの理解が得られなかったり、診断まで2年以上かかったり、慢性化して10年以上闘病を続けている人もいる。

早期に正しい診断をしてもらうために重要なこと

多くの病気がそうであるように、早期に正しい診断をしてもらうことで、治癒の見込みもあると思うし、実際に私は幸運にもこの病から回復しつつある。

重要なのは、下記2つだと思う。

1、診療科を間違えない!

先に述べた、起立時の激しい頭痛&安静時に収まるという症状がある場合は、低髄圧の可能性が高いので「脳神経外科」を受診する。

迷走する人は、首が痛いからと整形外科へ行きレントゲンで異常なし、眩暈がするからと耳鼻科へ行くも異常なし、心因性かもと思って心療内科へ行くも原因は見当たらず・・・。そんなことをしているうちに、症状はどんどん悪化する。

2、低髄圧診断歴があり放射線科の専門医がいる病院へ行き検査する

医療関係者からすると珍しい病気ではないようだが、現状まだ誤診は多い。私も2件の病院で誤診された。自分の住む都道府県と「低髄圧」で検索し、脳神経外科で診断履歴があったり、低髄圧についての説明がされているページがある病院に行くことで、正しい診断が受けられる可能性が高まる。

また、放射線科に専門医が数名常勤している大病院にかかったほうが良い。私は2件目の病院で頭のMRIを撮影したもらったが、完全に低髄圧を見落とされた。救急搬送だったため、「命に関わる疾患(腫瘍や血栓の有無)をまずは判断する」という病院内のルールがあるのか、低髄圧の診断に必要な断面を撮影してもらえなかったのだ。

頭のMRIは検査の中でも一番多いものなので、普通の施設では頭部ルーチン、というように、撮る画像の種類や断面がパッケージ化されていることがあるらしい。確かに、多くの患者を受け入れかつ迅速に診断していかねばならない救命救急などでその措置がとられるのは納得できるが、MRIを撮影したのに低髄圧を見落とされたのはかなりの痛手であった。

【低髄圧を確定できる検査】

腰椎穿刺(髄液採取時に髄圧を調べる)

MRI(できれば造影剤投与。前から見た断面と、横から見た断面で撮影してもらう)※造影剤はガドリニウム造影剤アレルギーの人、喘息の人や腎機能が悪い人は使えないので要注意!

上記を受けることでほぼ低髄圧は確定するはず。MRIは横断面だけだと低髄圧所見である硬膜肥厚が見落とされる可能性がある。私はその後、髄液漏れの箇所を特定するために「脳槽シンチ」と「CTミエロ」という検査を追加で行った。

低髄圧症状の頭痛もそれはそれは痛いのだが、検査もまた痛いものが多くて、冷や汗の連続ではあるが、最終的に今は体を起こしてPC作業ができるレベルに回復している。2か所も損傷個所があり、髄液ダダ洩れ状態だったところから、硬膜が塞がってくれたことが本当に本当にありがたい。

どんな経過をたどったのか、その際何を感じたのかなどを今後綴っていく。



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