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16 患者と施術者、双方に求められるこ

いまの私の治療院では、私の受けたい治療である、『人生に寄り添った視点を持った治療/施術』を提供することが可能になっています。

これは、患者さん側の理解があり、そのご理解の上に成り立っていると私は思っています。

私はいままで語ってきたような治療/施術が受けたいです。これはただ症状をとることを目標にした治療/施術ではないということです。

ここを理解していただける患者さんがいらっしゃるから、成り立っていると私は患者さんに感謝しています。

施術者の課題:観察する技術と理解力


人生に寄り添った視点を持った治療/施術を提供するには、施術者として、ただ、提供する技術、つまりマッサージや整体、鍼、お灸などのテクニックを持つことだけが必須ではありません。

☆患者さんを診る力:四診

患者さんを診る技量、すなわち、四診する力が必須です。これは深掘りしようとすればいくらでもできますが、基本的なシンプルなものだけでも持つと本当に違います。

また、もう一つ必要なのは、人間観です。まるごと一つの人間を生命観を持って理解するという視点を一つ持つ。

これが本当に大事。
世の中には数々の情報が溢れています。

その情報の度に、生命を考える物差しをかえてしまっては、一体何を診ているのかわからなくなります。

1つ自分の軸となる考え方を身につけてほしいと切に思います。そしてそこには、東洋医学で言う『まるごと一つの身体』という全体観が一番役に立つと思います。

全体観を持った上で、患者さんが訴える症状を考えると、違った世界が見えてくると思います。

☆業界への苦言(秘密の苦言)

ここで、ひとつだけ私が二十年以上この東洋医学の業界にいて思う独り言の苦言があります。

この四診と人間観を深掘りする先生や、勉強会は非常に多い。
ここがポイントだということは誰でも気がつきます。

ただ、残念なことに、あたりまえに道具としてこの四診の技術を持てるレベルの人が少ない。また人間観も、教科書的な文字は一杯知っていても、実際にイメージして使えていない人がなんと多いことか。これはひとえに症例でのレッスン(数多くの症例の弁証論治を書いて学ぶという姿勢)が足りていないことにつながります。

そして、また逆にここを深掘りばかり。いうなればそればっかりということがあります。

これらは深掘りすれば果てしなく深掘りできます。
ただ、本来の患者さんをみる、寄り添うといったところからは、離れて行ってしまっているのではないかと私には感じる事もとても多いのです。

実際の患者さんを診るという視点よりも、学問そのものとしての追求。
また、派手な技術ばかりを前面に出し、高い講習会料金で、施術者を食い物にしているセミナー屋さんも多く見かけます。

どっちも本末転倒ではないかと私は思うのです。

もっとシンプルでよい
もっとあっさりでいい
そして、本当にしなくてはいけないこと、本当にして欲しいこと。
ここから目をそらさず、軸をぶれさせず、学び、実践する。

そんなことが、業界の古株になっているいま、思うのです。
シンプルでいい、あっさりでいい、本質を掴んだ治療を!

☆『観察ー見立てー相談ー方針を決めるー施術』

いまの私の治療院の場では、私が観察して診立ててというプロセスが非常に大きなウエイトを持つ事が可能になっています。

米山自身が臨床経験が長く、観察が好きなことと、

患者さんご自身がこのプロセスを踏んだ治療を納得してくださっている。

そんな前提が出来上がっていると思います。

私自身、そんなプロセスがゆるされる治療院を持つ事ができたことがとても嬉しいですし、またそんなことを理解してくださる多くの患者さんが来てくださることが嬉しいです。

患者さん側の課題

患者さん側の課題もあります。

施術者が診る、観察する、東洋医学的な人間観から理解すると言うことに対して理解していただく。

そのうえで、症状を対応する治療を選んでいるのか、体力貯金の積み増しを考える治療を受けるのか、この観点からの出発が必要です。

施術者側の観察、つまり身体の状態をみて、一つの東洋医学的な人間観に基づき判断するということが、必須な項目であることを患者さん側も理解することが大切だと私は思います。☆☆肩こりから考えてみましょう

少し例題を出して考えてみましょう


☆例題:35歳女性 肩こりが辛い楽にしたい。


1)凝りをほぐすー局所のアプローチ

肩こりというのは、肩周辺の筋肉が凝って辛いということですよね。この凝って辛いを、とりあえず解決するには、なでさすったり、マッサージをしたりして、凝りを解消することが求められます。

2)凝りをほぐすー全身のアプローチ

この、肩の凝りがなぜ凝るのかなということを、症状的な観点から考えれば、背中や頭の筋肉まで広げて考えることもできますね。また全体の血流が悪いということであれば、足や手先を動かして、血流をあげる施術が功を奏すことも考えられます。

この2つの視点は、
患者さん側が、治療/施術側のやっているサービスメニューから選ぶことになります。

ここで、治療/施術に、まるごと一つの人間としてみるという体表観察を中心とした四診の観点をいれます。

☆症状から一歩引き、メタ認知の視点をもつ

主訴が肩こりであるので、肩こりだけに注目し、肩こりの治療を考えがちですが、一つ視点をあげて、

・患者さんをそのままみる。そしてその身体に困っている症状である肩こりがある。

という少し俯瞰した診方でみることが、過去から生き、今を生き、未来を生きる患者さんを診るということであり、人生の今を生きている患者さんのメタ認知的な観察です。

この視点があれば、全体の中で『肩こり』という問題がどの程度の問題なのか、この方に本来必要なこと、はなんなんだろうか?という発想につながり、人生を歩むときの大きな寄り添うとなるちりょうになります。

いまやるべきことは、肩こりの解決なのか?もっと解決しなければならないことがあるのではないかを、ここを先ず考えようということです。

肩こりの治療という非常に一般的でシンプルな出来事でも、このように視点が変わると見える世界が変わるのです。

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