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結局日本の法律が正しかった。サムのリポストが暴いたAirbnbの問題

AirbnbのSEOブライアン・チェスキーがAirbnb2023 Winter発表のポストをしました。

ブライアン・チェスキーの親友、サム・アルトマンもこの事をリポストしてくれており、筆者はAirbnbホストの一人として喜ばしい限りだと思っていました。

ところがこのブライアンのポストに対して、ネガティブなコメントがいっぱいリポストされており逆にAirbnbの評価を下げてしまったなと思った次第です。


サムのリポストに寄せられたネガティブコメント

デザイン/プレゼンテーションは世界クラスですが、実際の内容は不足しています。 AirBnB は年々、利用するのが楽しくなくなってきました。 料金の高さ、ホストの信頼性の欠如など。 一見すると、今回の発表ではこれらのどれにも取り組んでいません。

Alex Valaitis

そして、顧客サービスの質は、あらゆる業界で絶対的な最低水準を設定しています。 ブライアンの製品発売を褒め続けても、ブライアンはそれについて何もしません。

Customer Service Hell

ブライアンのポストに寄せられたネガティブコメント

隣人はいつ、ホストが違法な短期レンタルを行っていることを見込み客に知らせたり、ゲストが一晩中パーティーをして隣人の庭で小便をしていたことを見込み客に知らせたりするためのレビューを残すことができるようになるのでしょうか?

次のトリックは、意味のある問題が解決されたと人々を騙す非常にクールなビデオです...!申し訳ありませんが

@airbnb 、バッジのブランド変更と写真の並べ替え機能はあまり印象に残りません。しかし、顧客サービスは改善される可能性があります。


Logan Hitchcock

筆者の気持ちはこのポストに等しい

世界規模のリスティングとユーザーをもつ巨大なサービスがUIを変更するのはタワマンをリビルドするよりも大変な事です。

もちろんこの様な称賛のポストもありますが、サムが拡散したおかげでより一層のネガティブコメントを拾ってしまった感があります。

Airbnbが上陸した数年後には省庁あげて法整備に動いた日本

日本での民泊は国土交通省、観光庁、厚生労働省が一気に法整備をしてしまいました。法整備に動いたきっかけはホテル組合のつき上げと地方自治体に寄せられる苦情からでしたが、結果のばなしになっていた、ゴミ騒音問題の沈静化はできたと思います。
ニューヨークでは今年の9月になって法整備がされたのはAirbnbが全国展開し始めた2010から13年も経っています。

日本同様の厳しい法整備が進んだニューヨーク

ニューヨーク市のAirbnbホストは今後全員、市に届け出が義務付けられます。しかも貸す物件に実際に住んでいるホストに限られ、ゲストの滞在中もその物件にいる場合にしか許可を得られません。ここまでは日本の法律と変わりありませんが、さらに、滞在できるゲストの数は最大2名に制限されます。この法律は日本も施行してもいいのではと思いました。
詳しい内容は、下記の記事をご参照ください↓

コロナ禍の渋谷区のAirbnbは

渋谷区では緊急事態宣言中、8時に閉店する飲食店の代わりに6名以上宿泊できるAirbnbに人が集まり、夜通しどんちゃん騒ぎをする「宅飲み」が増えてしまい苦情が500件余り寄せられたと区議会議員から聞きました。法整備前の騒音ゴミ問題以上の苦情が寄せられたとの事です。

緊急事態宣言中インバウンドがなく、撤退した民泊は400件にのぼります。また、緊急事態宣言明けにはマンション同様民泊物件にも空家を買い漁る中華資本が押し寄せました。安く投げ売られた民泊物件を中華資本が根こそぎ持っていった形です。ただ、コロナ明けのインバウンド客には以前の無礼講の様な爆買い客などがいないため、日本では新たな法規制が設けられる事はまだありません。

ニューヨークで問題が沸騰したのはおそらくコロナ明け

ニューヨークでの新法が中華資本による買い漁りへの対策かどうかは確定的なことは言えませんが、そうした動きが規制の背景にある可能性は考えられます。民泊市場への外国資本の流入は市場に変化をもたらし、それに対する各地の対応が注目されます。

日本にはあまり無いバケーションレンタルがAirbnbを押し上げたともいえる

アメリカでは長期休暇を取るのは当たり前で、Airbnb創立前から休暇で家を空けるときに休暇中家を貸し出すバケーションレンタルというしくみが昔からあります。アプリ一つで遠隔操作できるためにその需要がAirbnbとマッチしてしまったと言えます。

それらのサービスは、短期レンタル (STR) 市場とあわせて予約、家賃の支払い、メンテナンスの追跡などの賃貸管理に関連するタスクを自動化されるため、多くの外国人投資家がこの市場に参加しています。実際にその場にいなくても利益を得ることが容易になります。

Airbnb「原点回帰」への方針

ニューヨーク市が打ち出した新法「貸す物件に実際に住んでいるホストに限る」は元々のAirbnbのポリシーであり当初は投資目的の業者を想定してはいませんでした。法律ができた事により、日本と同じくニューヨークも本来の意図に戻るわけです。以下の記事に創始者の一人、ネイサン・ブレチャージクが6月に来日した時の記事があるので合わせてご覧ください。

Airbnbが投資家を締め出しおうちホストに原点回帰するなら苦情は減るはず

サム・アルトマンのリポストに寄せられた、Airbnbへの苦情は、「暮らす様に旅をする」「全ての人に居場所を」という創業理念に立ち返り、「おうちにもてなすホスト」と「お宅にお邪魔するゲスト」の関係であれば近隣の苦情が出る訳もなく、ホストの質も保たれるとおもいます。

世界規模の巨大企業になったAirbnbがホームシェアリングに原点回帰できるのか?

ユーザーの苦情や品質の低下に対処するために、Airbnbが原点に戻り、ホームシェアリングの初心に基づいたサービスを提供することは、多くの利害関係者にとって望ましい方向性かもしれません。ただし、これが実現可能か、またどのように実装されるかは、Airbnbの戦略と市場の要求に依存するため、慎重な検討が必要です。

PMSの存在が外国人のAirbnb投資を容易にしている

Airbnb、Booking.com、Agodaなど複数の旅行サイトに掲載しながらカレンダーを一括で管理したり、掃除のスケジュール管理、ゲストのチェックインプロセスを自動化するシステム、「チャネルマネージャー(Channel Manager)」または「プロパティマネジメントシステム(Property Management System、PMS)」という物が存在し、これらのシステムは、異なる予約プラットフォーム間でリスティングの情報を同期させ、運営の効率化を図ることを目的としています。

この存在が、予約カレンダーの同期、価格設定の自動化、ゲストとのコミュニケーション、清掃スケジュールの管理、さらにはスマートロックのコード発行などのタスクを一元管理し、国際的に分散した不動産ポートフォリオを持つ投資家が物理的に現地にいなくても、短期レンタルビジネスをスムーズに運営することを可能にしているのです。

PMS業者とホームシェアリングホストの見分け方

ユーザーが個人ホストのリスティングを好むようなインセンティブを提供したりすることで、ホームシェアリングの精神への回帰を促進することは理論的には可能です。

しかし、実際には市場の要求や経済的インセンティブが大きく影響し、このような原点回帰は簡単なことではないでしょう。

必ず抑えたい満足を与える良質なAirbnbの見分け方

ホストがPMS業者かホームシェアリングホストかを見分けるためのポイントを以下に示します:

  1. ホストのレビューが4.8以上:ホストの平均レビュースコアが4.8以上(スーパーホストのエンブレムがついている)というのは、一貫して優れたゲスト体験を提供していることの証です。個人ホストは自分の家やサービスに誇りを持ち、ゲストの満足を重視するため、高い評価を維持することに力を入れています。このスコアは、ホストがゲストのニーズに応え、期待を上回る努力をしているかどうかの良い指標になります。

  2. プロフィールに顔写真を設定している:プロフィールに本人の顔写真を掲載しているホストは、透明性と信頼性を大切にしていることが伺えます。ゲストに自分をオープンに示すことで、信頼の構築に繋がり、個人としての接続を促進します。顔写真はホストがゲストに対して個人的な接触を大切にしているサインとも取れます。ただし、着物姿の若い女性とかなら十中八九ネットで拾ってきたフリー素材。リアルにいそうな普通の日本人の顔をしているか吟味する事。スーパーホストのエンブレムがプロフィール写真についているかもご確認ください。

  3. ゲストのレビューでホストについて触れている:ゲストのレビューにホストに関する言及がある場合、それはホストがゲスト体験に大きな影響を与えていることを示しています。ゲストがホストのもてなしや人柄を評価している場合、それはホストが積極的にゲストと関わり、親しみやすい雰囲気を作り出している証拠です。特にホストの親切さや気配りがレビューで強調されている場合は、そのホストが本質的なホームシェアリングの精神を体現していると考えられます。

  4. ホストの返信率と返信時間個人のホストは返信率が高く、返信も速い傾向があります。対面でのコミュニケーションを重視するホストは、より個人的なやり取りを提供することが多いです。

  5. リスティングの詳細と個性:個人ホストは自分の家や提供する空間についての情報を詳しく書き、個性が反映されたリスティングにすることが多いです。

  6. インタラクションの種類:個人ホストは、ゲストが到着した際の歓迎や、地域の情報を提供するなど、よりパーソナライズされたサービスを提供することがあります。

  7. リスティング数:一人のホストが多数のリスティングを持っている場合、それはPMS業者の可能性が高いです。

  8. ホストの滞在経験:プロフィールにホスト自身の旅行体験や滞在経験についての言及がある場合、個人ホストである可能性が高いです。

  9. 自宅の写真の有無:ホストが自宅の写真を掲載しているかどうかも一つの手がかりです。個人のホストは自宅の写真を通じて、ゲストに親近感を持ってもらうことを意識しています。

  10. 地元情報の提供:ホストが地元のレストランやアクティビティについての情報を詳しくリスティングに書いている場合、地域社会に根ざしている個人ホストである可能性が高いです。

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