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生成AI著作権訴訟、盛り上がってまいりました:Saveri法律事務所とGlaze

Saveri法律事務所では著作権侵害による申し立てが行われました。
Midjourneyが版権物だと分かりながらアーティストの作品を学習させていた証拠のチャットのスクショがXにポストされています。

各スクショを翻訳してみましょう。一枚目

pbaylies 2022年2月13日 1:06 AM 「^^ 大規模な機械学習データセットがインターネットからただ楽しむためにスクレイプされた画像で構成されていることが、おそらく問題を解決する助けにはならないでしょうね...」

danielrussruss 2022年2月13日 1:07 AM 「Codexを微調整して通すだけでいいんだよ 100 11 @pbaylies ^^ 大規模なMLデータセットがただ楽しむためにスクレイプされた画像で構成されていることは、おそらく問題解決に役立たないでしょうね」

joule 2022年2月13日 1:07 AM 「ある時点で、著作権の観点から何が派生作品かを追跡することは本当に不可能になるんじゃないかと思うんだ 2022年2月13日 1:07 AM やるべきことは、ただそれらスクレイプされたデータセットを使って、モデルを訓練するために何を使ったか便利に忘れることだけだ。バン!法的問題は永遠に解決される」


この会話は、大規模な機械学習データセットがどのように作成され、それが著作権問題にどのように影響するかについての議論を含んでいます。特に、インターネットから収集された画像を使用することの複雑さと、そのようなデータセットがどのように著作権に関連する派生作品の追跡を難しくするかについて話しています。

2枚目:
@DavidH 4000アーティスト名 1000スタイル dmvaldman 2022年2月12日 11:12 AM 「それはどこかからスクレイプされたものですか?」

DavidH 2022年2月12日 11:13 AM 「アーティスト名はウィキペディアとマジック・ザ・ギャザリングから、スタイルはウィキペディア、美学サイト、アートカタログから来ています」

dmvaldman 2022年2月12日 11:13 AM 「なるほど。それならこのリストは増えていく可能性がありますね」

Neuraldivergent 2022年2月12日 11:14 AM 「私も以前にこんなクロールをしたことがあります。Wikiartは美術家にとっても良い資源です。現代アーティストの大きなリストがあればいいのにと思います。今はみんながアーティストなので、リストは大きくなるでしょうね」

DavidH 2022年2月12日 11:21 AM 「[Googleスプレッドシートのリンク] こちらが私たちのスタイルリストです。誰かが何かを追加したい場合は、「提案された追加」の下に自由に追加してください。重複を心配しないでください。私たちが重複を排除します」

Somnai 2022年2月12日 11:22 AM 「私は16,000人のアーティストを持っていますが、多すぎますか?」

DavidH 2022年2月12日 11:22 AM 「全く問題ありません。提案された追加のところにどんどん入れてください。そして、そばに「アーティスト名」と書いておいてください」


この会話は、アーティスト名とスタイルのデータベースを作成し、それをコミュニティで共有し、拡張していくプロセスについてのものです。ウィキペディアや他のソースからの情報収集、そして共有されたGoogleスプレッドシートを通じてのコラボレーションが議論されています。


著作権侵害の申し立てにフェアユースで対抗するMidjourney

Midjournyによるプロンプトに有効なスタイルを設定した作家のリストもGoogleドキュメント上に発見されました。
著作物と知りながら取り込んだ証拠を押さえられてはいるものの、なおフェアユースを主張しアーティストの画風でMidjourneyで生成された画像をXなどのSNSにアップしたユーザーをバンしているようです。あくまで使用したユーザーに著作権侵害の罪があるとのスタンスを崩していません。

Saveri法律事務所のまとめた訴訟資料

ペンギンさんはMidjourneyが学習した日本人約950人絵師含む学習データ作家約4700名のリストをアップしたポストを元旦にリポストしています。

引用元の訴訟資料は非公開のgoogleドキュメントでアクセス権が必要ですが、ペンギンさんはそれをpdfにして公開してくれています。

アーティスト名以外のプロンプト抽出もリスト化

web archiveに抽出した物が上がっています。

抽出日は昨年の12月31日になっていますね。こちらはstyleなどのプロンプトも掲載されています。

日本人作家を抽出してリスト化したpdfも公開される

秋野ソラさんは、日本人作家名をローマ字表記に加え漢字を添え五十音順リスト化した物をアップしてくれています。

絵師本人が自分の名前をリストで確認

言葉の壁が在ろうかと思いますので、グループを組んで弁護士を立てて用意周到に取り組んで頂きたいものです。

日本人作家のリストを制作した秋野ソラさんは、リストをざっと見た所感をこちらでポストされています。

生成AI開発元はAIに罪はないと言うスタンス

学ばせましたが、学んだ画風をピンポイントで指定して生成されるのはユーざーの自己責任でそれを商用に使ったら著作権違反は生成したユーザーと言うスタンス。以前、カセットテープ→MD→CD-ROM→HDDで音楽のコピーを持ち歩いていた時の法律に準じているのかな?

フェアユースではないと判断されるため作戦

Saveri法律事務所はフェアユースではないと判断されるためにどのような作戦が有効なのか考えてみました。

フェアユースの原則に基づいて著作権侵害の問題を考慮する場合、特にアーティスト名を明示して「XXX style」というプロンプトを指定する行為や、訓練データについての記憶を「便利に忘れる」という発言は、重要な法的考慮事項を提起します。以下の点を検討します。

  1. フェアユースの基準:フェアユースは、使用の目的(教育、批評、ニュース報道、パロディ等)、使用される作品の性質、使用される量、市場への影響などに基づいて判断されます。アーティストのスタイルを直接指定することは、これらの基準とどのように関連するかを検討する必要があります。

  2. 意図的な記憶の選択:学習データに関する記憶を「便利に忘れる」という発言は、意図的に著作権侵害を隠蔽しようとする意図があると解釈される可能性があります。これは、フェアユースの原則に基づく防御に悪影響を及ぼす可能性があります。

  3. 著作権の範囲:アーティストのスタイルや特定の技法が著作権の保護を受けるかどうかは、具体的な作品やその独創性によります。一般的なスタイルや技法が著作権で保護されるかどうかは、具体的なケースによって異なります。

  4. 市場への影響:「XXX style」というプロンプトがオリジナルのアーティストの市場に与える影響を考慮する必要があります。これがオリジナル作品の価値を減少させる場合、フェアユースの主張は弱まります。

  5. 法的先例:過去の類似した著作権侵害訴訟の結果を分析し、それらを参考にして訴訟戦略を構築します。

これらの要因を考慮に入れつつ、著作権侵害を主張する場合、中心となる戦略は、Midjourneyの行為がフェアユースの基準に適合しないことを証明することです。また、意図的な記憶の選択や市場への影響を強調することも重要です。それぞれの点に対して、詳細な証拠や専門家の意見を集め、強固な訴訟戦略を構築することが求められます。

法的にフェアユースが認めらた場合の作戦

フェアユースを主張している場合は公衆の関心を喚起し、社会的認識を高めることは特に重要な戦略となり得ます。フェアユースは法的に複雑で解釈の余地があり、公衆の意見や認識はしばしば法的判断に影響を与えることがあります。以下の点に焦点を当てることが効果的だと思われます:

  1. メディアキャンペーン:メディアやSNSを活用して、訴訟の趣旨と著作権侵害の問題点を広く伝え、公衆の意識を高めます。

  2. 著作権の重要性の強調:アーティストの権利と著作物の保護がなぜ重要なのかを強調し、フェアユースの基準との対比を訴えます。

  3. 関連業界や団体のサポートを得る:著作権を保護するために活動している業界団体やアーティスト組合などのサポートを得ることで、より大きな影響力を持たせることができます。

  4. 個々のアーティストの声を集める:影響を受けたアーティストの個人的な話や証言を集め、その影響を具体的に示すことで、より感情的な共感を呼び起こします。

このような戦略は、Midjourneyに対するフェアユースの主張に対抗し、著作権侵害に関する一般の認識を変える効果を持ちます。しかし、実際の法的戦略としては、このアプローチを他の法的要素と組み合わせて用いることが重要です。

著作権侵害発見投稿フォーム

ただいま、クローズドにされていますが流出しGoogleAIによる著作権侵害を発見したらこちらのフォームに投稿するよう呼びかけています。

画像生成AIや人間の無断使用から作品を守るGlaseが誕生

WebGlaze は、アーティストが使用するコンピューティング プラットフォームに関係なく、アーティストが自分のアートを Glaze するためのシンプルなブラウザ ベースのインターフェイスを提供する無料のWeb サービスです。ユーザーは、強度パラメーターと電子メール アドレスとともに、単純な Web フォーム経由で画像をアップロードします。画像はシカゴ大学にルーティングされ、Amazon AWS クラウド GPU サーバー上で実行される Glaze バイナリによって処理されます。すべてのネットワーク接続は SSL で安全に暗号化され、画像がグレーズされると、結果はユーザーが指定したアドレスに電子メールで送信され、元の画像とグレーズされた画像の両方がすぐに削除されます。画像はいかなる形でも保存されず、Glaze チームのメンバーでさえあなたの画像を見ることはできません。

Saveri法律事務所は作品を守るため、こちらへの登録をXのポストで呼びかけています。


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