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AIの「幻覚」を解消する新たなツール、"Gorilla"の登場

新たな大規模言語モデル「Gorilla」の登場が話題となっています。Gorillaは、大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)が「幻覚」と呼ばれるまことしやかに嘘を作り出す現象を大幅に減少させます。

GorillaのAPIデータベースには、Torch Hub、TensorFlow Hub v2、Hugging Faceからの合計1645のAPIが置かれており、それによりChatGPT3.5などを単独で使った時に起こる「幻覚」を大幅に減少させAIの精度と信頼性を向上させることが期待されています。ダウンロードはGithubから行えます。

APIのアプリストア

Gorillaはエンドツーエンドのモデルであり、追加のコーディングを必要とせず正しいAPIを呼び出すように調整されています。

Gorillaは様々なAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を収集し、それらをユーザーが利用できるように提供する「APIのアプリストア」のようなものと言えます。これにより、開発者は自分たちのAPIをGorillaに追加し、そのAPIがGorillaのユーザーに利用されることを可能にすることができます​​。

つまり、Gorillaは多種多様なAPIを一箇所に集め、それらを大規模言語モデルが効果的に利用することを可能にするプラットフォームとして機能するのです。

Gorillaの特性

Gorillaは大規模言語モデル(LLMs)がAPIを効果的に使用する能力を高めるためのツールです。Gorilla自体はAPIの集合体(「APIのアプリストア」)であり、それぞれのAPIは特定のタスクを実行するためのコードです。

LLMs(例えば、GPT-3、GPT-4、Bardなど)は、自然言語の質問や要求に対して高精度な回答を生成する能力がありますが、それらがAPIを効果的に利用するためには、適切なAPIを選択し、正確な入力引数を提供し、APIの出力を適切に解釈する能力が必要です。

Gorillaは、それらのLLMsがAPIを適切に呼び出すための機能を提供します。すなわち、自然言語のクエリから適切なAPIを選択し、そのAPIを呼び出すための正確な引数を生成し、APIの出力を適切に解釈することを可能にします。これにより、LLMの「幻覚」を減らし、より正確で信頼性の高い出力を得ることが可能になります​。

Gorillaの特性

具体的には、GorillaはAPI呼び出しの改善との「幻覚」の減少をどのように実現しているのでしょうか。
それは、ドキュメントリトリーバと組み合わせることで可能となります。ドキュメントリトリーバとは、特定の問いに対して関連する情報を含むドキュメントを検索し取得するシステムのことを指します。Gorillaはこのドキュメントリトリーバと組み合わせて使用することで、APIドキュメントのアップデートやバージョン変更にも柔軟に対応する能力を持っています​。

Gorillaの可能性と影響

より正確なAPI呼び出しと「幻覚」の減少は、ユーザーにとってより信頼性の高い情報を提供することを意味します。また、ドキュメントの変更に対応する能力は、常に進化し続ける技術の世界で、AIが時代の流れに合わせて更新される能力を示しています。

Gorillaのような新しいLLMの開発は、AI技術の進歩を象徴するものであり、その適用範囲をさらに広げる可能性があります。これは、AIが私たちの日常生活やビジネスに与える影響を大きくすることでしょう。

なお、BardのAPIは現在ベータ版で一般公開されていません。
下記はDisced内のGorillaのチャットグループです。詳しい質問はここでしてみるとより理解が深まるかもしれません。


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