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OpenAI、次世代推論モデルを関係者に披露 - AGIへの期待高まる

ブルームバーグの「OpenAI Develops System to Track Progress Toward Human-Level AI」という2時間前の記事によるとOpenAIはAGI(Artificial General Intelligence)への道のりで5段階中の第2レベルに近づいていると報じています。OpenAIのスポークスパーソンや会議に詳しい人物からのコメントに基づいているとの事です。以下、記事を要約した後解説していきます。

OpenAI、人間レベルのAIに向けた進歩を追跡するシステムを開発

OpenAI社内でAGIへの進捗を共有

ブルームバーグのRachel MetzにOpenAIのスポークスパーソンが語った事によると、火曜日の全社ミーティングで新しい分類システムを従業員と共有したそうです。

AGIへの進捗は投資家や他の外部関係者にも共有される計画

この5つの段階は、現在利用可能な人間と対話可能なAI(レベル1)から、組織の業務をこなすことができるAI(レベル5)までを含むもので、OpenAIはこれを投資家や他の外部関係者にも共有する計画です。

OpenAIの幹部は、同社が現在第1レベルにある(注01)と考えていますが、「Reasoners」と呼ばれる第2レベルに到達しつつあると同社従業員に共有されました。これは、博士号レベルの教育を受けた人間が道具を使わずに基本的な問題解決タスクを行うのと同等のシステムを指します。

人間のような推論能力を示すモデルのデモンストレーション

同ミーティングで、会社のリーダーシップは、GPT-4 AIモデルを用いた研究プロジェクトのデモンストレーションを行い、そのプロジェクトが人間のような推論能力を示す新しいスキルを持っている(注02)と考えていると述べました。ミーティングに参加した人物によると、その人物は記者に話す権限がないため匿名を希望しました。

デモンストレーションについてコメントを求められたスポークスパーソンは、OpenAIは常に新しい機能を内部でテストしており、これは業界では一般的な慣行であると述べました。

AGIに到達するための基準

OpenAIは長年にわたり、ほとんどのタスクで人間より優れた仕事ができるコンピューター、いわゆる汎用人工知能(AGI)の構築に取り組んでいると述べてきた。現時点では、そのようなシステムは存在しませんが、OpenAIのCEOサム・アルトマンは、AGIが今後10年以内に到達する可能性があると述べています。

AI研究者たちは長い間、AGIに到達するための基準をどう決定するかを議論してきました。2023年11月の論文で、Google DeepMindの数人の研究者が、AIの5つの上昇するレベルを含む枠組み(注03)を提案し、その中には「エキスパート」や「超人」などの階層が含まれています。このランキングは、自動運転車の自動化の度合いを評価するためにしばしば言及されるシステムに似ています。

記事解説

OpenAIの現在のモデルのレベル

※注01:5月のスプリングアップデートで公開されているGPT-4oのマルチモーダルモデルは「人間と対話可能なAI(レベル1)」です。

デモンストレーションで示されたモデルのレベル

※注02:デモンストレーションで示された新しいスキルは、人間のような推論能力を示していると述べています。これに基づくと、デモンストレーションで使用されたGPT-4 AIモデルは、レベル1の能力を持ちながらもレベル2「Reasoners」に向けて進化しつつあることを示していると言えます。

つまり、デモンストレーションで示されたモデルは、「現在利用可能な人間と対話可能なAI(レベル1)」に該当し、さらに高度な推論能力を持つ方向へ進化している段階にあると考えられます。

モデルの到達する5つの段階

※注03:「自社の技術が汎用人工知能への道のりで5段階中の第2レベルに近づいていると考えている。」という部分は、OpenAIが独自に設定した新たな枠組みに基づいています。この記事では、OpenAIが自社の進捗を追跡するために5つのレベルを設定したことが述べられています。

一方で、Google DeepMindが提案したAIの5つの上昇するレベルに関しては、2023年11月の論文で言及されていますが、これはOpenAIの枠組みとは別のものです。Google DeepMindの枠組みは、「エキスパート」や「超人」などの階層を含んでおり、自動運転車の自動化の度合いを評価するシステムに似ていると説明されています。

したがって、OpenAIが述べている5段階の枠組みは、Google DeepMindの提案した枠組みに基づいているわけではなく、OpenAIが独自に設定したものです。

イーロン・マスクの見立てではAGIは来年来る

X上での問いに対してマスク氏は、来年と答えています。

自ら開発しているxAIのGrokを来年AGIに進化させるつもりなのか、それとも競合他社のAIのどれかがAGIに到達するだろうと予測しているのかさだかではありませんが、日経でも記事になりましたのでリンクを貼っておきます。


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