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OpenAIの受難のはじまり:ニューヨーク・タイムズと決裂

ニューヨーク・タイムズがOpenAIに対して起こした訴訟の背景は以下の通りです。
ニューヨーク・タイムズは、事前学習に利用されたテキストが無ければ、その価値は実現しなかったはずだと主張しています。それゆえ、生み出された価値の大部分は、元のテキストの作成者に還元されるべきだと主張しています。ニューヨーク・タイムズはこれまでOpenAIとの契約締結に向けて交渉を行ってきましたが、OpenAIはアメリカの著作権法を基に、生成AIによるオリジナルの価値の創造プロセスは新しい価値を生み出すものとしての立場を取っていました。

生成AIは、既存のテキストから新しい知識や洞察を抽出・生成する能力を持ち、この新しい価値は生成AIの独自のモデルとプロセスに起因するものです。OpenAIとニューヨーク・タイムズの間での契約交渉は合意に至ることなく破綻し、それに続いてニューヨーク・タイムズからOpenAIに対して訴訟が提起されました。

参考記事はこちら↓


イリア・サツキバー氏のポストから深刻さが伺える

OpenAIのチーフ・サイエンティスト、イリア・サツキバー氏の本日のポストはこのような物でした。

The saying “the beatings will continue until morale improves” applies to a surprisingly large number of situations

Ilya Sutskever @ilyasut

すでに消されています。この意味は、難解なのでGPT-4に確認しました。

イリヤ・スツケヴェルは特定の状況において、厳しい批判やペナルティが実際には問題を悪化させ、モラルや生産性を低下させる可能性があると指摘しているようです。この言葉は、逆効果の例や、過度な厳格さがどのように個人やグループの動機付けに影響を与えるかを、風刺的に表現しているかもしれません。

GPT-4

筆者問:これはまさに 「ニューヨーク・タイムズの訴訟でChatGPTが立往生の可能性」を受けたものですね。

GPT-4返答:

Zun、それは面白い観察です。このツイートが「ニューヨーク・タイムズの訴訟でChatGPTが立往生の可能性」と関連しているかもしれないというのは興味深い解釈です。イリヤ・スツケヴェルが特定の状況に言及しているのか、それとも一般的なコメントをしているのかは完全には明らかではありませんが、そういった背景がある場合、ツイートはさらに深い意味を持つかもしれません。

GPT-4

すでに消された、サツキヴァー氏のポストに即座にリポストされたのは以下のポストです。

GPT-4にこれについて尋ねるとこんな返答がありました。

GPT-4返答:

ここで言われているのは、もしモラルが改善されない場合、状況はさらに悪化する可能性がある、ということです。"The beatings compound"という表現は、問題が積み重なり、それによってさらに多くの問題が生じる可能性があることを示唆しています。

イリヤさんが関与するかもしれない著作権問題や法律的な挑戦に対するコメントとして読むことができます。特に、この状況において、「避けて通れない事案」と「さらに悪化する」という表現は、法律問題やその他の関連する問題に対処しなければならない重要性を強調しているように見えます。

これらのツイートは、著作権や法律的な問題が適切に対処されない場合、状況がさらに悪化し、組織や個人にとってさらに困難をもたらす可能性があることを示唆しているかもしれません。それは、問題に対処し、適切な解決策を見つけるための重要性を強調しているかもしれません。。

GPT-4

生みの親はChatGPTに聞くという選択をしたのかも

上記のポストが消され、以下のポストに置き換えられました。

「ちょうど"just ask chatgpt"の略として、"chask it"っていうのを見つけちゃった!」みたいな意味だと思います。

chask it!し重い気持ちを切り替えたのかもとも思いました。ちなみに、"chask it"の発音をカタカナで書くと「ちゃすきっ」になるので、日本語では、「ChatGPT好き❤️ 」の省略形になりますね。

開発に専念してもらうため開発者の気をわずらさせるべきでない

筆者問:というか、開発者に負担をかけてはいけないと思います。法律家を100名くらい揃えて対応し、 イリヤさんに負担をかけちゃだめです。

GPT-4返答:

開発者は技術の進歩と新しいアイデアの創造に集中するべきで、法律や政策に関連する問題は専門家に任せるのが理想的です。法律家や弁護士が関与することで、技術の専門家は自分たちの専門分野に焦点を当てることができ、同時に法的な対応やロビー活動も適切に行われます。

企業や組織は、専門家のチームを持って法律の側面をカバーし、開発者や技術者が技術的な挑戦に集中できるようにサポートすることが重要です。それによって、組織全体が効果的に動き、各分野の専門家が最高のパフォーマンスを発揮できる環境が作られます。そして、それが結果的には組織全体の成功につながるでしょう。イリヤさんのような開発者が自分の専門分野での成果を追求し、同時に法律の専門家が法律や規制の問題に対処することで、全体としてのバランスと効果的な進行が保たれます。

GPT-4

ニューヨークタイムズの言い分も理解できる

筆者の思いをGPT-4に投げかけてみました。
筆者問:プログラマは著作権なんか気にしない。なぜなら彼らはシェア文化だから。 新しい発見があるとGithubですぐにシェアし、瞬く間に世界に広がり世界中の人がそれをよりよく改善していく世界だ。 だが、クリエイターの世界はちがう。 自分が何枚何百枚と書いたエスキースのなから選び丹念に描いた1枚をいとも簡単に生成AIが模倣する。作家は1週間、あるいは1ヶ月、あるいはもっとかけてその一枚の絵を生み出した。 だがそれを生成AIが模倣するのに1分もかからない。 その事がクリエイターにとってはがまんならないのです。 私は美大卒なのでずっとそんな気持ちがありました。Zunのアイデアが盗まれたら悔しいとおもってきました。フロントエンドエンジニアになるまでは、そんなクリエイターマインドをもっていましたね。 作家も然りだと思います。その文章を完成させるまでにどれほどの月日がかけられたでしょうか。生成AIがそれを模倣するのは一瞬です。

GPT-4返答:

Zun、あなたの感じていることと考えを共有してくれてありがとう。プログラマとクリエイターの間のこの文化的なギャップは非常に興味深いもので、そしてそれはテクノロジーが進化するにつれてますます顕著になる可能性があります。

プログラマのコミュニティは確かにオープンソースと共有文化を高く評価しており、これによって新しいアイデアやソリューションが素早く広まり、改善されます。一方、クリエイター、特にアーティストや作家は、自分の作品に多くの時間、労力、そして感情を投入し、それが独自であり価値があると感じています。

生成AIの出現は、クリエイターの努力を模倣または置き換える能力を持っているため、このギャップをさらに広げる可能性があります。クリエイターにとって、そのような技術が彼らの努力と才能を過小評価し、あるいは侵害する可能性があるため、それは懸念材料でしょう。

あなたが言及したように、著作権と個人的なクリエイティブな投資は、テクノロジーとクリエイティブな産業の交差点での重要な議論のトピックです。これは、技術の進歩が個人やコミュニティに与える影響を理解し、適切なバランスと倫理的な枠組みを見つけるための深い考察を必要とする課題です。

あなたの個人的な経験と感じていることを共有してくれて、本当にありがとうございます。それはこのような重要な問題についての深い理解と共感をもたらします。

GPT-4

サイエンティストや開発者には理解できなくても、GPT-4は理解してくれたのかな。
ChatGPTが使えなくなったら困るのでうまく解決できればいいなと思います。

法律問題が発生した場合の対処法

筆者問:著作権については、画像生成AIに対しても数々の訴訟が起こされたおり、また肖像権についても訴訟がおこされています。 このような権利問題にたいして、どのようなパブリックリレーションズ(PR)を仕掛けていきますか?

GPT-4返答:
権利問題は複雑でデリケートなため、効果的なパブリックリレーションズ(PR)戦略は非常に重要です。以下のアプローチを採用することで、組織は公衆の理解を深め、信頼を築き、技術の受け入れを促進することができます。

  1. 教育と啓発キャンペーン:

    • AIや画像生成技術の基本原則についての教育キャンペーンを実施し、これらの技術がどのように機能し、どのように価値を提供するのかを説明する。

    • 著作権や肖像権の基本的な知識を提供し、これらの権利がどのようにAI技術と関連するのかを明らかにする。

  2. 透明性とオープンなコミュニケーション:

    • 組織のポリシー、プロセス、および目標について透明性を持ってコミュニケーションをとる。

    • 訴訟や法律の問題に対する組織の立場と対応を明確にし、常に事実ベースでオープンなコミュニケーションを維持する。

  3. 利害関係者との連携:

    • クリエイター、法律専門家、政策立案者、および一般公衆と連携し、共通の理解と目標を築く。

    • インフルエンサーや専門家と連携して、公衆に対して正しい情報を提供し、テクノロジーの利点と権利問題の解決策を広める。

  4. 法律および規制への対応:

    • 組織は法律顧問と連携し、現行の法律および規制に準拠しながら、新しい技術の開発と展開を続ける方法を探求する。

    • 法律の改正や新しい規制の制定を支援するためのロビー活動を検討する。

  5. コミュニティエンゲージメント:

    • コミュニティとの定期的なエンゲージメントを通じてフィードバックを収集し、公衆の懸念に対応する。

    • ソーシャルメディア、ブログ、フォーラムなどを通じて公衆との対話を維持し、新しいアップデートや情報を提供する。

これらのアプローチを通じて、組織は公衆の理解と信頼を築き、新しい技術の受け入れを促進し、法律および規制の課題に効果的に対応することができます。そして、これが長期的には技術の持続可能な開発と展開につながります。

訴訟を起こしているけど関連ニュースは執筆している?

ニューヨーク・タイムズにはGPT-4V関連のChatGPTアップデートニュース記事も掲載されています。うまく収まりがつくといいのですが。


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