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評価額が12兆円に到達し、個人投資家サム・アルトマンの手を離れたOpenAIの投資戦略

ロイターの記事で、OpenAIスタートアップファンドのアルトマン氏の所有権が一時的にゼネラル・パートナー(GP)に移行した事を伝えています。

アメリカの証券取引委員会(SEC)への提出書類

OpenAIは、AIスタートアップに投資するベンチャーキャピタルファンドのガバナンス構造を変更し、その結果、高いプロファイルを持つ最高経営責任者であるサム・アルトマン氏はもはやそのファンドを所有または管理していないと、アメリカの証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかにされました。

所有権保有者に金融的な利益はないという歪な構造

3月29日の提出書類に記載されたこの変更は、OpenAIスタートアップファンドのアルトマンの所有権が、企業のベンチャーアームに似た形で市場に出されていたにもかかわらず、彼が外部の限定パートナーから資金を集め、投資決定をしていたことで注目を集めた後に行われました。OpenAIは、アルトマンが所有権を持っていたにもかかわらず、ファンドに金融的な利益はないと述べています。

OpenAIはスタートアップに1億7500万ドルを投資していた

オーナーシップの変更については、最初にAxiosが月曜日に報じました。OpenAIのスポークスパーソンは声明で、ファンドの初期の一般パートナー(GP)構造は一時的な取り決めであり、「この変更はさらなる明確性を提供する」と述べています。 OpenAIスタートアップファンドは、マイクロソフトなどのOpenAIパートナーから調達した1億7500万ドルを投資していますが、OpenAI自体は投資家ではありません。

アルトマン氏が外部の限定パートナーから資金を集めて投資決定

サム・アルトマンがOpenAIスタートアップファンドの所有者であり、運営もしていた構造は、一般的な企業のベンチャーキャピタルアームとは異なる、少し珍しい形でした。通常、企業のベンチャーアームはその企業自体が資金を提供し、投資決定を行いますが、このケースでは、アルトマンが外部の限定パートナーから資金を集めて投資決定をしていました。このため、彼の所有とファンドの運営方法が話題になり、注目を集めたわけです。そして、このイレギュラーな構造が最近変更されたことで、より標準的な運営構造に移行したようです。

アルトマン氏の人望一つでやってきた個人経営スタイルだった

これは、サム・アルトマンが自身の影響力や人望を利用して外部の限定パートナーから資金を集め、OpenAIスタートアップファンドに投資を行っていたことを示唆しています。彼の立場と業界での知名度は、投資家を引きつけ、ファンドへの資金調達を成功させるのに役立ったと考えられます。このように彼が直接関わって資金を集めることは、そのファンドの運営において彼が重要な役割を果たしていたことを意味しています。

より広いチームやパートナーシップに基づいて運営を行うことが重要

ファンドの運営方法を変更することは、透明性を高め、組織のガバナンスを改善するための一歩と見ることができます。また、OpenAIのような組織では、一人の人物に依存するのではなく、より広いチームやパートナーシップに基づいて運営を行うことが重要です。そのため、このような変更が行われたとしても、OpenAIスタートアップファンドは他の投資家やパートナーとの関係を維持し、成功を続けることができるでしょう。


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