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今月の米国生成AIシェアトップ10:ChatGPTの独走は止まらない

米Anthropicが6月21日(日本時間)にベンチマークでChatGPTの最新モデルGPT-4oのスペックを超えるClaude 3.5 Sonnetをリリースしてから18日が経ちました。果たして現在のチャットボット型生成AIのシェアがどうなっているのか、下記のFirst Page Sage(注01)のリポートを見ていきましょう。

※注01:First Page Sageは、アメリカを拠点とするSEO(検索エンジン最適化)およびコンテンツマーケティング企業です。企業は、検索エンジンでのランク向上を目指すクライアントに対して、データ駆動型のSEO戦略を提供します。彼らのブログでは、最新のSEOトレンドやアルゴリズムの更新、マーケットシェアの統計データなどを詳細に分析しています。また、First Page Sageは、信頼性の高い情報源とし、多くの企業がオンラインでのプレゼンスを強化するために利用しています。


2024 年 7 月8日米国の生成 AI チャットボットの市場シェア

下記のFirst Page Sage提供の円ブラフを見ると、ChatGPTが61.3%で依然として半数以上のシェアを持っている事がわかります。OpenAIに多大な投資をしazureを提供しているMicrosoftのCopilotがChatGPTの僅か1/4のシェアしか持っていないのは驚きです。Copilotの中身がChatGPTのGPT-4oである事を考えると、ChatGPT全体で約75%のシェアを持っている事に驚きます。

AIラッパーのシェア

Google GEMINIに続き4位のシェアにAIラッパーであるPerplexityが食い込んでいます。AIラッパー(注02)はOpenAIの取締役会に名をつらねる、アダム・ディ・アンジェロ氏のスタートアップ、最古参のPoeなどがありますがここのところ、Perplexityがシェアを伸ばしておりソフトバンクgroupも投資しています。ただ、上記のランキングにエントリーしているのはAIラッパーではPerplexityのみと言う結果になっています。

※注02:AIラッパーとは、複数の生成AIモデルを統合し、ユーザーが最適なモデルを選んで利用できるプラットフォームです。Hugging Faceなどのサービスを通じて様々なAIモデルのAPIにアクセス可能で、直感的なユーザーインターフェースを提供します。ユーザーや開発者はモデルをカスタマイズし、継続的な学習により情報の精度と関連性を向上させることができます。これにより、ユーザーは異なるAIモデルの強みを活かして、より効果的なタスク処理や情報検索を行うことができます。

日本ではGMOが国産AIラッパー「教えてAI」を提供しています。下記のNoteで詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

Perplexityの特徴

PerplexityはAI検索エンジンの機能をもっています。AI検索エンジンとは、人工知能(AI)を利用してユーザーの検索クエリに対する回答を提供する検索エンジンです。従来の検索エンジンと異なり、AI検索エンジンは自然言語処理(NLP)や機械学習技術を用いて、ユーザーの意図を理解し、より正確で関連性の高い情報を提供します。

なお、GMOからもAI検索エンジン「天秤.AI」をリリースしています。

最も急成長している生成型AIチャットボット

First Page Sageは、2024 年 7 月時点で米国で最も急成長している生成 AI チャットボットを、四半期ごとの推定ユーザー数の変化で示しています。スタートアップ企業の中では、汎用 AI チャットボットのユーザー獲得はゆっくりですが着実に進んでいます。下記の表を見ると開発者向けの Phind やビジネス向けの Claud AI などの専門 AI ツールが成長レポートのトップを占めています。

ChatGPT は引き続き市場リーダーですが、Google と Microsoft の両社が AI アシスタントの改良をリリースしたため、その成長は鈍化しています。

上記の表の中でChatGPTの様な汎用AIアシスタントではなく、専門性を持ったAIについて解説します。

  1. Phind

    • Description: 開発者向けAI検索エンジン

    • LLMs Used: Phind-34B, Phind-70B, GPT-4

    • AI Search Market Share: 0.4%

    • Estimated Quarterly User Growth: 19%

  2. Claude AI

    • Description: ビジネス向けAIアシスタント

    • LLMs Used: Claude 3

    • AI Search Market Share: 2.5%

    • Estimated Quarterly User Growth: 14%

  3. Brave Leo AI

    • Description: プライバシー重視のAIアシスタント

    • LLMs Used: Mixtral 8x7B

    • AI Search Market Share: 1.4%

    • Estimated Quarterly User Growth: 11%

  4. Perplexity

    • Description: 正確さに重点を置いたAI検索エンジン

    • LLMs Used: Mistral 7B, Llama 2

    • AI Search Market Share: 3.1%

    • Estimated Quarterly User Growth: 10%

その他のAI

  • Komo: リンクサーフェシングAI検索エンジン

  • Andi: シンプルさ重視のAI検索エンジン

これらのAIは、それぞれ特定のニーズや目的に特化しており、ユーザーに対して専門的な支援を提供します。

専門性を持ったAIは今度伸びていくのか?

専門性を持ったAIは、特定の分野や用途に対して最適化されているため、より高精度なサービスを提供できます。例えば、医療分野のAIは膨大な医学データを解析し、診断や治療の提案を行うことができ、開発者向けのAIはコード検索やバグ修正の支援を行います。このように、専門的な知識が求められる領域では、汎用AIよりも専門特化型のAIが有利です。

AIが米国最大手の製薬会社イーライ・リリー株式会社と共同開発しているAIについて解説したNoteも執筆していますので合わせてご覧ください。


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