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マンハッタン計画 2.0!?:OpenAIとロスアラモス国立研究所の共同研究とは?

昨日OpenAIがこのようなポストをしたのでいよいよOpenAIの技術が米国の安全保障の中枢を担うのか?と思いましたがそういうわけではなさそうです。

OpenAIとロスアラモス国立研究所がバイオサイエンス研究のためのAI研究で提携を発表

OpenAI

それでは上記の公式ポストの共通先のページの解説をしていきます。

OpenAIとロスアラモス国立研究所がバイオサイエンス研究提携を発表

ロスアラモス国立研究所とは

ロスアラモス国立研究所は、第二次世界大戦中のマンハッタン計画の中心地でした。この計画は、アメリカが原子爆弾を開発するために行った極秘プロジェクトで、ロスアラモスはその研究と開発の主要な場所として機能しました。科学者たちはここで原子爆弾の設計と製造を行い、1945年に広島と長崎に投下されることになりました。

現代では、ロスアラモス国立研究所は物理学、生物学、化学などの幅広い科学研究を行う主要な研究施設となっています。

ロスアラモス国立研究所とOpenAIのバイオサイエンス共同研究

OpenAI とロスアラモス国立研究所は、バイオサイエンス研究を前進させるために、科学者が実験室環境で人工知能を安全に使用できる方法を共同で研究しています。このパートナーシップは、米国の公共部門、特に国立研究所が米国の民間部門と協力して、イノベーションの進歩が医療やバイオサイエンスなどの重要な分野の進歩につながるようにするという長い伝統に沿ったものです。

ミラ・ムラティの言葉

「公共の利益に奉仕することを使命とする民間企業として、ロスアラモス国立研究所と生物科学能力の研究を行う初のパートナーシップを発表できることを嬉しく思います。このパートナーシップは、科学研究を進展させると同時に、リスクを理解し軽減するための自然な進展を示しています。」と、OpenAIの最高技術責任者であるMira Muratiは述べています。

Nick Generousの言葉

「AIは科学の分野で大きな利益をもたらす可能性のある強力なツールですが、どの新技術にもリスクが伴います。ロスアラモスでは、この作業を主導するのは新設されたAIリスク技術評価グループであり、これらのリスクを評価し、よりよく理解するのに役立ちます。」と、情報システムおよびモデリングの副グループリーダーであるNick Generousは述べています。

GPT-4oのマルチモーダル能力が物理的な実験室環境で人間を支援する方法を研究

OpenAIとロスアラモス国立研究所の生物科学部門は、GPT-4oのような最先端モデルが視覚や音声のようなマルチモーダル能力を通じて物理的な実験室環境で人間を支援する方法を評価するための研究を行っています。これには、GPT-4oの生物安全評価と、未公開のリアルタイム音声システムが生物科学研究を支援する方法の理解が含まれます。

この研究は生物脅威リスクに関する既存の作業を基にしており、2024年のAIソウルサミットで合意された最先端AI安全性へのコミットメントと一致しているため、OpenAIはAIバイオセキュリティ評価に関する最先端の研究に貢献すると信じるところとなっています。

GPT-4oが生物学的データの分析や実験プロセスをどの程度向上させるか

ロスアラモスとの今後の評価は、標準的な実験室実験タスクを含む安全なプロトコルを実行し、トラブルシューティングする能力を専門家と初心者の両方が評価する最初の実験になります。

今回の研究では、遺伝子導入、細胞培養、細胞分離といった具体的な生物学的タスクに対して、AIがどのように支援できるかを評価しています。これにより、AIが生物学的データの分析や実験プロセスをどの程度向上させるかを測定し、専門家や初心者のスキル向上にどのように貢献できるかを理解しようとしています。

たとえば:

  1. 遺伝子導入: AIが遺伝子操作の手順を支援し、効率化や精度の向上を図る。

  2. 細胞培養: AIが培養プロセスを監視・管理し、最適な環境を維持する。

  3. 細胞分離: AIが分離手順を自動化し、手作業の精度を高める。

これらのタスクは、生物学的研究における具体的な応用例であり、AIのマルチモーダル機能(視覚や音声など)を活用して効率化と正確性を追求しています。

Xでの反応

この公式投稿に反応しているリポストが興味深いので一例を挙げていきますね。

私たちはこれをブロサイエンスの研究として読み、一瞬興奮しました。

筆者も「バイオサイエンス研究」、「遺伝子導入、細胞培養、細胞分離」と聞き、ついにアンドロイド開発か!?と色めき経ちましたがそういうわけではなさそうです。

マンハッタン計画 2.0 が確認されました。世界を変える可能性のある AI の次のイテレーションは、すでに昨年トレーニングを完了していると思いますが、国家安全保障上の理由から秘密にされています。

まあそう考えますよね。サム・アルトマン自身が2023年の5月にAI開発をマンハッタン計画に例えました。その時のインタヴューについて解説していますので、合わせて下記のNoteをご覧ください。

日本人として見逃せないパートナーシップです。どうぞその力を平和のためにお使いください。

やっぱ、日本人ならそう思いますよね。筆者も一番はじめにマンハッタン計画をアップデートし、綺麗なマンハッタン計画で塗り替えてほしいと思いました。

これはマンハッタン計画か人類補完計画のどちらかとなるだろう

極度のエヴァファンであるサム・アルトマンにとってAIによる「人類補完計画」の回避は悲願です。(サム・アルトマンはXの別垢で10年以上前からその事を繰り返し語っています)

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