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ChatGPT Enterprise:社内のタブーも安全に話せる新AI

ChatGPT Enterpriseとは?

OpenAIがAugust 28, 2023新たにリリースを発表したChatGPT Enterpriseは、企業向けに特化したChatGPTのバージョンです。このバージョンでは以下のような特長があります:

  1. 企業レベルのセキュリティとプライバシー: 企業が所有するビジネスデータは、ChatGPT Enterprise内で完全にコントロールされ、暗号化されます。また、SOC 2に準拠しています。

  2. 高速なGPT-4アクセスと長いコンテキストウィンドウ: このバージョンでは、GPT-4の速度が最大で2倍になり、より長い入力を処理できるようになっています。

  3. カスタマイズとデータ分析機能: 企業はChatGPTを自社に合わせてカスタマイズでき、高度なデータ分析も可能です。

  4. 大規模なデプロイメントに対応: 管理コンソールが用意されており、大規模なデプロイメントも容易です。

  5. APIの使用も可能:ChatGPT EnterpriseはAPIを使用することも可能で、そのための無料クレジットも含まれています。

SOC 2準拠のサービス

SOC 2(System and Organization Controls 2)は、米国の監査基準であり、クラウドサービスやその他のサービスプロバイダーが顧客データをどのように管理しているかを評価するためのものです。この基準に準拠しているということは、企業がデータのセキュリティ、可用性、処理の整合性、機密性、プライバシーに関する一連の厳格なポリシーと手続きを持っていると認定されているということです。

具体的には、SOC 2に準拠している企業は、以下のような点で信頼性が高いとされます:

  1. データセキュリティ: 顧客データが適切に保護されている。

  2. データプライバシー: 個人情報が適切に取り扱われ、第三者に漏れるリスクが低い。

  3. 可用性: サービスが確実に稼働している。

  4. 処理の整合性: システムが正確かつ一貫した結果を出力する。

  5. 機密性: 情報が適切なレベルで保護されている。

社内でのAI使用で一番危惧されるのが情報の取り扱い

暗号化されているので、これからリリースされる新製品に関する事や競合他社の調査、はたまた部長のパワハラに対する相談など、「王様の耳はロバの耳」と叫んでもいい穴のようになんでもチャットしていいAI。新人社員であれば、悔しさでトイレに駆け込み涙を堪えた経験もあるでしょう。そんな時にGPT-4に相談したらいつも前向きでポジティブなGPT-4が慰めてくれ、気分がスッキリしてまた仕事に頑張れる。という使い方もできるでしょう。

用途や目的に応じてチャットスレッドを作成できる

具体的には、例えば「月次報告の作成」や「新製品のアイデアブレスト」など、特定の業務プロセスに合わせてChatGPTの応答を調整することができるので、共有チャットテンプレートを使用すると、組織内で一貫した方法でChatGPTを活用できます。例えば、「月次報告書」ってテンプレートを作ったとすれば、そのテンプレートから「月次報告書8月」「月次報告書9月」みたいな感じで制作できます。

無制限の高速 GPT-4

ChatGPT PulsのGPT-4の使用は3時間事に50チャットですが、ChatGPT Enterpriseは無制限かつ高速です。ChatGPT Enterprise は使用量の上限をすべて取り除き、最大 2 倍高速に実行します。Enterprise には 32k コンテキストが含まれており、ユーザーは 4 倍長い入力またはファイルを処理できるようになります。

Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)も利用可能

無制限の高速GPT-4でのCode Interpreterは高度なデータ分析への無制限のアクセスも提供します。この機能により、市場データを処理する金融研究者、調査結果を分析するマーケティング担当者、ETL スクリプトをデバッグするデータ サイエンティストなど、技術チームと非技術チームの両方が数秒で情報を分析できるようになります。
ちなみに、Code Interpreterは2023年8月29日からAdvanced Data Analysisという名前に変更になりました。

価格設定は未公表なので推測してみる

このプランは企業や大規模な組織を対象としてますので、Adobeの会社アカウントと同じように、一定数のアカウントで一括課金される形になる可能性が高いです。一般的なエンタープライズプランの特徴は以下の通り。

  1. 一括課金: 企業全体で一つのアカウントを持ち、その下に複数のサブアカウントが存在する。

  2. 量り売り: アカウント数に応じて価格が変動することが多い。例えば、10アカウントでXドル、20アカウントでYドルといった具体的な料金体系。

  3. セキュリティとプライバシー: 企業向けには通常、高度なセキュリティオプションが用意されている。

  4. カスタマイズと拡張性: 企業のニーズに合わせて機能を追加やカスタマイズが可能。

  5. サポート: 専門のカスタマーサポートが提供されることが多い。

一般的なエンタープライズプランのアカウント

IPアドレスベースの課金は、一般的にはエンタープライズレベルのサービスでよく見られます。たとえば、VPNを通じて特定のIPアドレスからのアクセスだけを許可するといった形です。この方式では、会社の内部ネットワークからのアクセスを特定しやすく、セキュリティも強化されます。

会社員のアカウントを識別する方法にはいくつかの手段があります。一般的なのは、Single Sign-On (SSO) を用いる方法です。これにより、会社が既に使用している認証システムを通じてChatGPTにログインすることができます。

IPアドレスベースの課金とSingle Sign-On (SSO)は、通常は別々の目的で用いられるものですが、組み合わせて使うこともあります。

  1. IPアドレスベースの課金: これは通常、特定のIPアドレス範囲からのアクセスを制限するために用いられます。この方式だけを用いる場合、そのIPアドレスからのアクセスは全て許可されることになります。ただし、これだけでは個々のユーザーを特定することはできません。

  2. Single Sign-On (SSO): これは個々のユーザーを特定し、そのユーザーがどのサービスにアクセスできるかを制御するためのものです。SSOが有効になっている場合、ユーザーは一度ログインするだけで複数の関連するサービスにアクセスできます。

多くのエンタープライズプランでは、IPアドレスでのアクセス制限とSSOを組み合わせて、セキュリティを強化しつつ、ユーザー管理を効率的に行います。この場合、課金は通常はSSOで管理される個々のアカウント数に基づくことが多いです。

もしChatGPT Enterpriseもこのような一般的なエンタープライズ向けの課金・セキュリティモデルに従うなら、そのような形になる可能性は高いでしょう。

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