デヴィッド・サンボーンのこと
アルトサックス奏者のデヴィッド・サンボーンが亡くなった。大学に入って最初に懇意にした友達といっしょに組んだバンドで、彼の曲を演奏した。演奏の楽しさをものすごく感じることのできる、よい経験だったと思う。
彼は音を聞いただけでサンボーンだとわかるという、本当に稀有な音を出す人だった。確かに演奏を聞けば、誰だかわかるプレイヤーは少なくない。しかし、あれだけ個性的な音を出す楽器弾きを、他に思いつくことはできない。
そして素晴らしい歌心のある演奏をする人だった。そんなに熱心に彼の音楽を聴き込んでいたわけではない。けれども、彼はありとあらゆるジャンルの音楽に客演していた。だから、彼の音楽は私の体に染みついている。
ポップでキャッチーでもあり、テクニカルでプログレッシヴでもあり、でもとにかく愛くるしい音楽を奏でる人だったと思う。新しい演奏が聞けないと思うと非常に寂しい。どうぞやすらかに。
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