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Vitpilenの低速は駄目なの?

ぼくが日々乗っているVitpilen 401のエンジン(373cc 単気筒)は中速域からトルク感が盛り上がる特性です。6000から上はとてもパワー感があってレスポンスが鋭い。ここは万人に大きく評価されているところで「おもしろい」とか「速い」と言われます。

では6000rpm以下はどうなのか、が今回のお話。

Webの記事やYoutubeの試乗レビューを見ると「低回転は使い物にならない」とか「あまりに低速がないので~」などのコメントが多いです。果たして実際はどうなんでしょう。

トルクは低回転でもしっかり出ていると思います。エンジンの回り方が下と上ではかなり違いますね。3000から6000までは単気筒らしい回り方をして6000を超えると一気に回転が揃う感じになる。見方によってはジキルとハイドみたいな二面性があります。

レビュアーは回転が揃わない6000rpm以下のレンジを単気筒の良さとして認識してないのかもしれない、と思ってます。みんながみんな単気筒のテーストが好きとは限りませんからね。

アイドリングは「ダカダカダカダカ…」という大きめの単気筒パルス。さすがに3000以下では走れません。ガクガクとエンジンが止まるかもしれない感じがします。3000を超えると角が取れた回り方をし始めます。ここから上が本領発揮です。

試しに3000~6000だけを使って市街地を走ってみると単気筒のパルス感とそれに連動するトルク感が楽しいです。弾けるように回る6000以上を封印して走るのは「縛り」感があっておもしろい。

この回転域の良さは短時間の試乗では分からないかも知れないですね。回した時の方が特徴がわかりやすいし、その方が速いから回したいでしょう。

6000rpmから上はあまり説明の必要はないと思います。ビーン!と一気に吹け上がり気持ちのいい加速をします。この加速感は単気筒独特の「地面を蹴る」感じです。バイク自体が軽いので体重の軽い人が乗ったらさらに速いと思います。

このエンジンはウルトラスムーズに回ります。鼓動感はすごくあるけど不快な振動はほとんどない。単気筒のいいところを生かしつつ軽快に回り、高回転では多気筒エンジンのような怒涛の回り方をする。相当素性のいいエンジンだと思ってます。

さすがはKTMの小型ラインナップを長年支えている名機だといつも感心させられます。もう2年間乗ってますがまったく飽きないです。

Vitpilen 401の一番の魅力はなにか?と問われたら、ぼくはブランドイメージもデザインも脇に置いて躊躇なく「エンジン」と答えます。

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