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トレンドワード「すり抜け」

SNSを徘徊していると「すり抜け」というキーワードがちょくちょくトレンドに上ります。

見てみるといろんな「すり抜け」がありますが、バイクで渋滞の中をすり抜けていく行為を非難しているものがあります。大型連休にトレンド入りするやつは大抵これです。

自分の車は渋滞で進まないのにバイクだけどんどん先へ行くのはずるいよね、みたいな論調ならどうでもいいんですが、実際に危険な場面に遭遇した人もいて、それに呼応する形で「そうだそうだ」とリプライが集まりトレンド入りしている模様。
これはバイク乗りとしては歓迎する流れではありません。

すり抜けは普通に走行している時に比べてリスクが高い。

そりゃそうです、走れる幅は車と車の間だけで逃げ場がない上に、車の動きを完全に把握することはできない。何十台も追い抜く中には不可解な動き方をする車は必ずいます。

なのに道の選択肢の一つぐらいにしか思ってない人がいる。相当数いる。

これね、すり抜けないで渋滞の中から見ているとよく分かるんです。
何かあるかもしれないと構えてるライダーと、漫然と走り抜けるライダー。その違いは見ればすぐに分かる。
当然、事故を起こして問題になるのは後者が圧倒的に多いはず。


ぼくは条件が揃っていればすり抜けます。

  •  車列が止まっているかそれに近い

  •  前方に車線を変更する理由がない

逆に言えば車列が流れてる時はやらないし、幹線道路の路面店やGSが並ぶようなエリアではしない。もちろん妙な動きをする車を見たら距離を置く。
リターンに対してのリスクが高いと思うからですね。

こういう状況判断ってみんなやってると思うんですよ。みんなが同じ条件じゃないだけで。
大人なんだから当然それなりに考えて判断してるはずです。

例えば、

  •  路線バスがいる通勤時間の4車線道路でゆっくり流れてる渋滞

  •  行楽帰りの高速のゆっくり流れてる渋滞で少し先に大きなSAがある

こんなパターンでのすり抜けはやばいに決まってるじゃないですか。
これでどんどん行っちゃう人がいたらなんで大丈夫だと思うのか聞いてみたい。

車列のドライバーも「危ない」と思うから反応するわけで、無茶な判断はちゃんと考えてるライダーからすれば迷惑この上ないです。言うまでもなく「今まで大丈夫だったから」は免罪符になりません。


話は戻って、SNSでトレンドに上がるすり抜けは、高速の渋滞名所を集団ですり抜けるパターンじゃないかと思ってます。

ぼくが見るところマスツーリングの帰りにこのケースが多い。

これはすごく目立つんです。集団だから。
そしてもし事故ると渋滞が更に酷くなるので車列から見て「やめてくれよ」と思われる筆頭でしょう。

ただでさえ渋滞でストレスなのに、集団で危険(だと思われる)行為を堂々とされたら印象は最悪ですね。

ぼくがこのパターンのすり抜けがよくないと思うのは、先頭の人以外は自分で判断してるように見えないところ。

考えなしに「ただ前の人に着いていく」がやばいのは言うまでもないです。
他人のことなので正直どうでもいいですが、リスクが高いのにそれに向かって突き進むのはあまり賢いとは思えません。

ひょっとしたらインカムで細かく情報共有してるかもしれないけど。
でもこういうのを見ると色々と頭に「?」が浮かびます。
先頭がパニックブレーキした時に止まれるの?とか、どうせ帰るだけなら集団じゃなくてもよくない?とか。

全ては自己責任。自分がやったことに対しての責任は自分が負う。
ぼくは他人の判断に対して責任を負うのは嫌なので集団では走らない。


これはすり抜けに限ったことではないと思ってます。
同じ状況でも判断はそれぞれのライダーがしている。中には「おいおい」と言いたくなるような自分勝手な輩もいます。

判断の基準が「合法だから何をやってもいい」では無理がある。
自分だちだけが良ければそれでOK、という行動は他人から見て目に付くんですよ。
大多数の人から見てあまりに不合理な判断をしてるライダーがSNSで非難されてるように感じます。

いろいろ書きましたが

「条件なんて考えるのはめんどくさいからすり抜けは一切やらない」

トレンドを見てると案外それがシンプルかつベストな選択なのかもしれないなんて思ったりします。


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