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1200cc の大トルク

ぼくのトライデントのエンジンは排気量が660cc、ミドルクラスど真ん中です。
トルクは64N・mを6250回転で発生します。

今のところこれに不足を感じてません。
ぼくの使い方では「もっとパワーが欲しい」と思う局面はあまりないということです。

これは私見ですが、ミドルクラスであれば「他車と比較しない限り」あまり不足を感じることってないんじゃないかと思います。

ところが他車と比較してしまうのが人間です。
試乗に行ってみたり友人のバイクに乗らせてもらったり。
好奇心も手伝って、比較するのが目的じゃなくても結果的に比べる機会って案外多いと思います。

つい先日、バイク仲間が彼のBMW RnineTに乗せてくれました。

排気量は1200cc、116N・mのトルクを6000回転で発生します。ぼくのトライデントのほぼ倍(!)です。

この強烈なトルクをどの回転域でも発生します。まさに鬼トルク。
借りて走っている間、ぼくは高回転まで上げて走ることが出来ませんでした。
根拠不明のアラートが心の中に点滅。
せっかく厚意で乗せてくれてるのに変なチャレンジしてパワースライドで転倒なんてオチは絶対避けたいじゃないですか。

そんなあり余るトルクですが、ものすごく使いやすいんです。
さすがはBMWのチューニングだと思います。
あの堂々たる車格もすごく軽く感じる。走り出したらトライデントとなんら変わらない。

トルクがあるというのは楽しいです。
好きな時に好きなだけの力(あり余る力)を右手だけで取り出せる。
この余裕は本当に代えがたい快感だと思います。
これは必要だとか不必要だとかいう議論のレベルを飛び越えてシンプルに楽しい。

そして楽。
楽、はギアチェンジしなくていいみたいな横着の楽ではなく、回転を上げて走らなくても速いという意味です。
回転を上げて走るのは緊張が伴いますからね。
緊張とは真逆の楽。

あとは車体(シャシ)です。
1200のエンジンを載せるべく用意されたシャシが悪い筈がない。
BMWっていつも不思議な説得力があります。
どんな些細なことでも絶対に合理的な理由があってそうなってるんだと思わせる。なんたってバウハウスの国の老舗ですから。
終始、あーなるほどなーと感心しながら走ってました。

冒頭でトライデントのパワーに不足は感じない、と言いました。
それは本当のことだけど、比べてしまうとトルクというのはあればあるだけ楽しいんだと再発見です。

ただし、ぼくの場合はパイロン練習の狭いコースで、あの巨大なトルクを自在に操れる自信がありません。
操れたら最高だろうなとは思うけど……。

1200と言えばバイクのハイエンド。ミスで転倒したら掛かる修復コストもハイエンドでしょう。
なのでパイロン練習はミドルのトライデントでやって、上がりのバイクとして楽しみにした方がいいかなと思ったり。

これまではさすがに1200までは要らないだろうと思ってましたが、1200には確かに1200の世界がありますね。

ふと思ったんだけど、人間でも同じなのかな?

パワーが有り余ってそうな海外のアスリート的体格の人達は普通の生活でもぼくとは感じ方が違うんだろうか?
いろいろ楽だったり?

こればかりは同じ人間が両方を体験しなければ分からないわけで、ぼくには永遠にムリなんですがね…


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