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バイク、想定外な使い方?

バイクや車のような複雑な工業製品は、一定の使い方を想定して設計されます。
複雑じゃなくてもそうなんでしょうが、複雑なほどその想定から外れると不調になるように思います。

昔々、まだ外国車が日本への輸出を想定してなかった昭和のころ、外車は壊れると言われてました。
日本の夏の気温+湿度と渋滞のコンボは自動車にとって最もシビアなコンディションで、これは恐らく設計上想定していない条件だったのかと。

まあ当時は日本車だって路肩でエンコ(エンジン故障のこと)して止まってるのをよく見ましたから全体的な技術的レベルが低かったのもあると思います。

最大の敵が熱(高くても低くても)なのは今でも同じですから、日本への輸出量が増えて業界のオーバーヒート対策が躍進したのは良いことでしょう。

で、バイクはと言うと、少なくなりましたが空冷エンジンの外車を大事に乗ってるオーナーはおられます。
やはり日本の夏は大変だそうで、渋滞にハマらないように最大限の努力をされてるんだとか。
万一ハマってしまったら…
ぼくなら盛大にすり抜けてとりあえず冷やす一手ですね。
オーバーヒートの厄介さは昭和の頃に身を持って体験していますから。


閑話休題


つい先日、パイロン練習会でリアブレーキに不調(異音)を感じました。
カキン、カキン、と間隔を置いて金属音がします。
これは普段使いしていて聞くことのない類の音なので一気にアラートモードに入りました。

何が起きてるかは不明でも、経験的に熱が原因なのはわかります。
パイロン練習ではリアブレーキをかなり酷使しますから。

嫌なのは熱膨張 ↔️ 冷却を繰り返してボルト類が緩むこと。
なのでトライアンフで点検をしてもらいました。
場合によっては全バラシのオーバーホールも覚悟していましたが…

結果としては、各部の締めを規定のトルクでチェック、→ 問題なし。
カキンカキン音はステンレスローター冷える時の特有の音なんだそうです。

一安心であります。

が、作業といい説明といい妙に手際がいいので、そこを尋ねてみました。
すると、ストリートトリプルでジムカーナに参加しているお客さんがいるそうです。
要はぼくよりもっとシビアな環境で使ってる先輩がいたんですね。

なるほど、先行して似たような相談を受けていたと言うことで、道理でいろいろ知ってるわけだ。

これはまさに渡りに船、ぼくにとっては有り難い話です。
ここから先の見通せる注意点なども聞いてみました。

● ABSセンサーの樹脂カバーが熱で溶ける(かもしれない)。
樹脂カバーだけなら交換は容易です。
センサーがやられたらABSは効かなくなりますが、前後別系統なので本当に必要な前ABSには影響ないとのこと。

これね、ぼくのトライデントでは溶け始めてます 笑。こないだ見ました。先が溶けているように見える。まだABSは生きてますけどね。

● キャリパーのシーリングが熱でやられる(かもしれない)。
やられたらフルードが漏れます。
フルードが滲んできたら合図なのでシーリングの交換が必要。一気に漏れ出して突然ブレーキ不能なったりはしないとのこと。

いつか将来交換するはずのシーリングの寿命が短くなる、という理解でいいのかな?

担当のメカ氏いわく、「トライデントはニッシンのキャリパーなので問題は簡単なんですよ」と。
なんでもブレンボは該当のシーリングだけの補修パーツ設定がないそうで、そうなるともっと大きな単位での交換になるそうです(金額8万円也)。

ニッシンだといくらかなのは言わなかったけど、口ぶりからしてすごい差がありそうでした。

件のストトリ先輩はニッシンのブレーキシステムに交換を検討しているとかいないとか。
他のお客さんのことなので詳しくは話せないでしょうが、どうやらそういうパターンもあり得るという話でした。

どうやらABSセンサーのカバーもシーリングも覚悟が必要ですね。
ここまでリアブレーキを酷使しなければどちらも発生しないので、これはいわゆる想定外なんだろうと思います。

トライデントのリアブレーキ、頑張ってます


下取り時の査定が下がると嫌なので、パイロン系の走り方はしてない体を装っていましたが、ブレーキローターの焼け具合ですぐに分かるんだそうです。
リアのパッドも盛大に減るしチェーンの伸びも激しいし、本職の目は誤魔化せない 笑。

今回の騒動からの収穫は以下を知れたこと。

・ パイロン練習はリアブレーキにかなり厳しい
・ ディーラーのサービスにはその対応策がある(先輩のおかげで)
・ 幾つか気をつけていれば致命的な問題は(たぶん)起きない

幸いパイロン練習はちょいちょい休みながらやります。休まないとブレーキフルードが沸騰するのでどうしたって間隔を開ける必要があるからです。

そういうタイミングで必要な箇所をチェックする習慣をつけたいところですね。

最後に大事なこと、誤解のないように説明を加えます。

これはリアブレーキに想定外の熱が加わったと言う話ですが、ぼくの技量で遭遇した経験であって、他の人でも起きるとは限りません。

つまりもっと上手な人が上手に使えば、リアブレーキの熱問題はないかも知れない。
そもそもパイロンなんてやらなければ無縁でしょうし。
ましてやトライデントのリアブレーキが特に熱に弱いとか、そういう事では全然ないと思っています。

今のぼくの使い方では問題があるのでそこは考えて使わないといけない。
ちょこっと探したら、リアキャリパーを冷やすグッズがあったりするので、そういうのも検討してみようかなと思っています。

まあ本当は「その前に腕を磨けよ」って話になりそうですけど 笑。

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