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20決めない演技レッスン

演技を決めてしまうと、決めた演技しか出来なくなってしまうという欠点があります。台詞の言い方も決めてしまうと、決めた言い方しか出来なくなってしまいます。そして決めたことを少しでも崩すと演じられなくなってしまうのです。

例えば告白するシーンを演じる時、台詞を覚えてどう演じるかを考えますよね。自分ならどんな風に告白するかを考え、本当に告白をする時のことをイメージし、気持ちをつくって演じようとします。「よし、こう演じよう」と決めて家で何度も練習します。

撮影当日、撮影場所の時間制限があるにも関わらず相手役の現場入りが遅れ、相手役が居ないまま告白はカメラのレンズに向かってする演技に変更。立ち位置が決められ、照明があたり、汗臭い大人達に囲まれ、カメラ位置を変えて何度も同じ演技をします。台詞が現場で変わることもあります。監督からもっと泣きそうになってとか、もっと思い切って告白してなどの演出があり何パターンも演じます。これらが貴方の決めた演技と違ったらどうしましょう。自分が決めた演技しか出来ないと現場で対応出来なくなってしまいますね。演技プランを考えておくことは重要ですが、自分の決めた演技だけに固執すると変更に対応できず、自分だけでなく監督達も現場スタッフも困ってしまいます。

現場では何が起こるか分かりません。どのような演技になるかを事前に決められないのが現場に向けての演技です。相手役と演出とのイメージの共有もあります。現場の演技は台本がある即興劇といっても過言ではありません。現場でどんなことにも対応できるよう自由で柔軟な状態にして、現場で演技が生まれるようにレッスンしましょう。

決めない(固めない)演技、癖をつけない、型にはめない、言い方に囚われてない、方法に囚われてないない、決めない役づくりなど、決めないって大事なんです。決めないって時に不安です。その不安を乗り越え演技ができるようレッスンしましょう。

演技経験の少ない俳優は、現場の演技には、安心、勇気、覚悟、開き直りが必要だと覚えておいて下さい。

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