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ITも営業も未経験から、SES営業を始めて

8ヶ月の試行錯誤を公開してみる


SES営業になってから丸8か月が経ちました。
鼻につくようなことを言いますが、褒めていただくことも多いので、もしかしたら上手く行ってる方なのかもしれません。

僕は昨年の9月まで、ITも営業もやったことがない

キャリアで言うと

大卒→ベンチャーでマーケ
→大学生をイベントに派遣するみたいな会社で起業
→上位会社の未払いで実質破産→SES営業

といった感じだ。
(見返すと本当に経歴汚い。親泣く。)

が、SES営業を始めてからの成約数は以下の通り、そんなに悪くない。

(〇内の数字はSES営業を始めて〇ヵ月目の数字)
① 2件 ② 0件 ③ 2件 ④ 4件
⑤ 7件 ⑥ 3件 ⑦ 5件 ⑧ 9件 ⑨7件
※詳細はうえやまのツイートを漁ってください

粗利も1万とか薄利にして
無理やり決めてるものではなく、
ちゃんと常識の範囲内でいただいている。

また、これまで決めたBPで退場したのは
8ヵ月通算でわずか2件。

転職で、どうしようもなかった退場も含んで
この数字なので、精度もそれほど悪くないと思う。

自分はプレイヤーとしてもまだまだ
新人ではあるが、後輩が3名入ってきたこともあり、指導する側に立つことも増えてきた。

そこで、後輩へ残すことも兼ねて、
この8ヵ月、僕の試行錯誤の跡を

最近SESを始めた人向けにも
まとめてみようと思う。

社外にも公開する意図としては、
少しでも業界全体の底上げをしたいからだ。

昨今、Twitterを開けば必ず目に入ってくるほど、
SES営業を揶揄する人たちが増えている。

心底うるせぇ、って思う一方で、
一理あるとも思ってしまう。

確かに存在価値に疑問を抱かざるを得ない営業マンも多々いるから。

自分はそう思われたくないし、
人のふり見て我がふりを直しているつもりだ。

そんなこんなで8ヵ月、色々と試行錯誤した結果、
上手く行くもの・行かないものが
少しずつ見えてきた。

この業界に長年いらっしゃる方からすれば
常識的/青臭いことばかりだと思うが、

温かい目でうえやまの8か月の試行錯誤を
見ていただけると嬉しい。


根底にある考え方

SES営業は大きく分けて
この3つでほぼ決まると思っている。

①国語力と想像力
②競争を避ける意識
③精神論

細かい話やテクニックは置いといて、
大局の話をしようとしたら、
やはりこの3つでほとんど片付くと思う。

実は①と②はMECEじゃないのだが、
どうかご愛嬌としていただきたい。

①国語力と想像力

大前提として①で話すことは、
何一つ突飛なことではない。

営業マンというより、
社会人としての最低水準を保つためのラインと
理解してもらえると嬉しい。

まず「国語力」とは何か。
文字を読み書きする力のことと、
ここでは定義する。

例えば、50歳までと書いてたら
63歳は提案しないでほしいし、

地方不可って書いてあったら
地方の要員は提案しないでほしい。

沖縄なんて提案するなよ。
日本で1番リモート不可に適さないだろ。

あえて極端な言葉を使うなら、

「読めば分かること聞いてくんなよ」

と思われた時点で営業は終わりだ。
デキる営業は決断("断"つものを"決"めること)も早い。

また、伝わらない文章を書くのも同様に終わりだ。

長くてもスラスラ読めて、一意的に伝わらなければ
トラブルのきっかけにもなる。
(一意的=他の解釈が存在せず、ただ一通りに定められること。)

一言一句、注意深く発言したい。


次に「想像力」とは何か。
文字面では拾えない情報を、
想像し、予備知識で補う力
のことを、
ここでは指している。

例えば、
「必須:Java3年以上」
といった募集要項をしばしば見かける。

後輩の提案で実際にあったケースでは
(1)Java10年以上やってるスキル高い要員です!
(2)Javaの経験は2年なのですが、Java Goldを取得しています!

という提案で、通ったのは(2)の提案だった。

そもそも案件を見ると、
明らかに開発のフェーズで、
"開発要員"を探していた。

(1)の要員は、確かに3年以上経験があったが、
直近5年ほどは要件定義や基本設計等、
資料作成ばかりをしており、開発をしてなかった。

一方で、(2)の要員が取得しているJava Goldという
資格を分かりやすく言うなら、

Java Gold=漢字検定準1級(もはや趣味の領域)
Java Silver=漢字検定3級(一般教養があれば取れる)

といったイメージで、
この要員は開発が本当に好きで、
休日も開発に触れてしまうような人だった。
(Silverを軽視する意図ではないので悪しからず)

Java3年の要員募集と書いたPMの、
文字では見えないニーズを想像し、
たとえ2年目だとしてもJava Goldを持つ要員が
どんな要員なのかを、資格に関する知識で補う力。
これを想像力と呼んでいる。

他にも、

開発規模が10人程度の案件の
リーダーをやってきた人には、
同じ「リーダー」という役職だからと言って、
1,000人規模の案件のリーダーは荷が重くないかな。

とかは、知識や経験がなくても、
何となく想像がつくと思う。

そういった想像力を働かせようと意識するだけで、
提案の質はぐっと上がると思う。

案件側はどんな人を探してるのだろうか、
要員はどんな案件を求めているのだろうか。

国語力と想像力があれば、
開発経験や知識がなくとも、最低限、営業マンとしての体裁を保つことは可能だと考えている。

②競争を避ける意識

①は正直、よっぽどの初心者以外は
みんな当たり前にやってることだと思う。

一方、②はうえやま独自の特徴なので、
参考になる人とならない人がいると思うから、
鵜呑みにしすぎないでほしいと、前置きしておく。

そもそも、SES会社は数が多すぎる。

Twitterで出会う会社は、
ほとんど同じ案件や要員の情報を持っている
と言っても過言ではない。

今、SESとTwitterで検索すれば、
本当に数えきれないほどの
アカウントを見つけることができる。

これ全部と競争するとしたら、
少なくとも僕は勝てる気がしない。

だから、競争を避けるのだ。
もう少し具体的に話をしよう。

  1. 要員/案件を独占する
    当たり前のことを言うが、自社の正社員は決まりやすい。何故かというと、自社が独占しており、競争を最初から避けられているからだ。

    これと同じ状況を他社でも作り出せれば、
    成約数は、当然伸びてくる。

    僕が実際に上手く行ったやり方を1つ紹介しよう

    開発経験3-5年程度など、良い要員をたくさん抱えているな、と感じた会社に狙いを定めて、1ヵ月、その会社の要員に注力しまくることだ。

    例えば、その会社が4人の要員を営業していたら、1人あたり5件以上、合計20件は案件を紹介した。もちろん商流が深すぎたらウザいので注意は必要だが。

    すると、要員を抱えている会社から、うえやまの見え方が変わってくる。

    「うえやまさん、うちのエンジニアにめちゃくちゃ案件紹介してくれる!」

    となったら勝ちだ。
    独占させて!とわざわざ交渉せずとも、

    「スキルシートできたのでサマリまだだけど先に送ります!」

    と所属側からご厚意で送ってきてくれる。

    そして、最寄りや金額など基本情報だけを先行して回収し、僕が自分でサマリを作って営業すれば、所属が他社に展開するまでは独占要員の出来上がりだ。

    案件側でも同様に、
    「さっきエンドから電話かかってきたんですけどこんな人いたり…」

    みたいな電話を文字起こしして、営業を開始することで誰よりも先に人集めを始められる。

    動きの速いこのSES業界で、
    この初速の差は、最後まで埋まらない差となる。

    決めてくれるから独占させる、独占できるから決まる、というサイクルを生み出せたら、コンスタントに結果が出せると感じた。

  2. 他の人が動いていない時間にやる
    賢いとは言えないが、これも立派な差別化だ。
    僕は深夜でも平気で提案する。

    当たり前だが、同じく深夜にも動いてる人からは返信が返ってくる。

    日中は多くの人とやり取りしなければならないため注意はどうしても散漫になるが、深夜は違う。

    動いている人が非常に限られているため、お互いにやり取りが丁寧になり、提案の質も良くなる。

    そして、気持ち悪いことを言うが、
    深夜に返信が返ってくると「嬉しい」。

    だが恐らく同じようなことを相手も思っている。

    サンプルが僕のみで申し訳ないが、深夜に提案して返ってきた人とは今のところ100%、信じられない速度で仲良くなる。そして、互いに独占し合うような関係となり、これまで漏れなく全員と成約に至っている。

    別におすすめも強要もしないが、何が何でも成果を残したいなら、1ヵ月程度試しても損はないと思う。

  3. 扱う要員/案件を絞る
    これは僕より、他社の方が良い事例だと思うので、先に他社を紹介しようと思う。

    1つは、外国籍可の案件のみを扱う会社だ。
    これは非常に上手いなと思った。

    正直、外国籍のエンジニアは、日本語が上手くない要員も混ざっていて、玉石混交と言わざるを得ないため、本人がどんな人かに依らず、国籍だけでNGとなってる案件も少なくない。

    しかし、想像してほしい。例えば現場が韓国人のみだったら、韓国籍は全く障壁にならないし、むしろ歓迎されるだろう。

    こういった案件/現場を、ひたすらにかき集めている営業もいる。

    年齢制限がない案件を集めている会社も同じだ。

    他人が嫌がるor手が出せない領域を独占的に取り扱うことで、成果が出ている事例だと解釈している。僕は真似できないし、思いついてもやり切れない。

    発想力は上記に劣るが、僕は高単価に絞ることにした。

    実際、今うえやま経由で稼働している要員のほとんどは、月単価が100万を超えている。200万を越える要員も数名、平均は118万らしい。

    これはあくまで統計的な話で、特定の個人を誹謗中傷しているわけではないのだが、高単価の人は勤怠などのトラブルが少ない。

    そもそもサボったり、遅刻を繰り返すような人に
    100万以上の値は付きにくいからだ。

    一度成約に至れば退場が少ないことも、
    この絞り方を選んだ一つの理由だったりもする。

以上の1.~3.ように、
僕はあまり多くの人と戦わないようにしている。

だって僕は現場の経験も
他業界での営業経験もない、底辺営業だから。


勝てない勝負に挑みつづけるのは、
勇者じゃなくて愚か者。

最初の数か月、普通にやって勝てなかったから
勝ち方を探した。それだけのことだ。


③精神論

僕が通っていた高校の担任の言葉で、
今でも大切にしている言葉があります。

質か量かを追っている人は、その時点で負けです。
トップで戦いたければ、良質な勉強を大量にしてください。

改めて良い環境で思春期を過ごしたなと思います。

僕は去年の8月、ついに自分の会社が立ち行かなくなり、生活が厳しくなった。

25歳にして親に借金をしなければいけない生活。
とてつもなく惨めでした。

9月に今の会社に拾ってもらい、営業は僕一人。
早急なキャッチアップが必要だった。

元バイト先の先輩という、仲は良かったが、
無理を言えるほどの距離感ではない、
某戦略ファームの先輩を休日に丸1日捕まえて、

PMOとは何か、開発はどう進んでいくのかなど、
基礎の基礎を解説してもらった。

同級生のエンジニアをしているやつに
気持ち程度の謝礼を払って、

フロントエンドとは何か、それぞれの言語でどんなことができるのか教わったりした。

早く成長したかったから、
金も休日も使うしかなかった。

そして提案は「これは絶対通るだろう」と、
確信が持てる提案を、深夜までかかっても
1日20件は必ず行った。

上に書いたような仮設も、
自ら立てて検証しながら、
やっと少しずつ成果が出始めている。

十分だとは思い返しても思えていないが、
質を意識して、大量にこなした結果だ。

結局大事なのは「何が何でも」
という精神に始終するな、と久々に感じた。


最後に

僕は「巨人の肩に乗る」という言葉が好きです。

万有引力の発見で知られる
科学者アイザック・ニュートンの

私がかなたを見渡せたのだとしたら、
それは巨人の肩の上に立っていたからです。

という言葉が有名ですが、先人が試行錯誤の上、遺してくれた知識を活用し、より発展させていくことを意味しています。

実は、偉そうに書いた上記の半分以上を、
今所属している会社の代表から教わりました。

自分で考えたつもりになっているものもありますが、それは巨人の肩に乗っていたがゆえに、思いついたものなのだと思います。

今回、この文章は主に会社の後輩に向けて、
次いで、最近SESを始めた他社の営業の方々に向けても書きました。

この文章が読んでくださった皆様にとって、肩に乗れるほどの巨人とまではならずとも、何か1つ明日からの取り組みを変えるきっかけとなれば幸いです。

では。

底辺SES営業
上山晃寿

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