Ageだった理由。
楽しかったはずだったんだけどなぁ。
いつから違和感を覚え、心を遠ざけるようになってしまったのだろうか。
すごく些細なことを、少し大袈裟に描く。
僕にとって些細なことではないのだけれど。
サークルに行かなくなる。
大学ではよくあるし、よく聞く話だ。
僕はなんだか物事を真剣に考えすぎる節があるみたいだ。
入ったサークルは野球サークルだった。
当初何か意識してたわけではないのだが、自然と同期である1年生を仕切るようになっていた。
色々不完全で、自分で仕切った方が早くて安心できたからだろう。
6月の誕生日当日には40人近くの同期がサプライズに来てくれたりしたから、そんなに不満なく運営できてたんじゃないかなって思う。
けっこう幸せだったように思う。みんなから慕われてた気もするし。菖とか梅ちゃんとか樹とか辻ちゃんとか。気遣ってくれる優しいやつらもいたし。
でもたぶん、比べちゃったんだ。
ラ・サールの野球部と。
あの頃の僕を纏っていた空気と。
サークルだから、別に一生懸命じゃなくて、遊びでやっている感覚で。
それ自体は別に良かったけど、本気で一緒に何かを目指して、ケンカして本気で話し合って初めて、僕らは本当の友達になれると思うんだ。
ただ楽しいことを、受け入れられなかった。
高校で感じてしまったあの感覚が忘れられない。信じられないくらいバカなことをして監督に怒られたり、最後の試合に顔をくしゃくしゃにして泣いたり。
物足りなかった。
サークルには目標がなくて。
だらだらと過ごしてるだけで。
ありふれた日常を切り取ってつぶさに観察すると、ため息が出る。
今日という日に意味がないのだ。
明日も明後日も何の意味も感じられなくて。
ただ、野球サークルの代表という肩書きだけ迫っていた。仕事量等からして、どうしてもやらなければならなそうだった。
1年の夏合宿。
ほとんど誰にも相談できていなかった。
胸のうちに秘めた悩み。
だって小さなことな気がして。
やっぱり世間では、たかがサークルで。
辞めたかったら辞めればいいじゃん、なんでそんなことで悩んでんの?なんて言われそうで。
僕はそれがどうしても嫌だったんだ。
真剣な悩みをバカにされることも。
そして、なんの理由も無しに、ただ嫌になったから逃げたら、僕はきっと一生逃げる人間になるから。
そんなときに話を聞いてくれたのが、後に1つ上の代で、AGESTOCKという、もう1つ入ってた学生団体の代表を務める青野さんだった。
たまたま野球サークルも一緒で。
この人に誘われてAgeにも籍を置いていた。
野球サークルの夏合宿の夜。
青野さんと話したんだ。
この人は少し僕と似たところがあるんだと思った。完璧主義で、逃げるのが嫌いで。
何より、一生懸命になることの意味を、この人は知ってた。
だから、世間では一笑に付されるこの悩みを
「大事なことだから、しっかり考えよう」
なんて、6時間も聞いてくれた。
半分はAgeの話をしてたと思う。
1年生で何も知らない僕はまだ知らない世界の話を聞いていた。
幹部ってのが変な人ばかりで、キレ者揃いのすげぇ集団であること。そのAgeってところでは、一生懸命がバカをみないということ。
なんとなく、心が動き出す。
10月中旬。
Ageのミーティングに顔を出してみた。
友達なんていない。
何週間かは慣れるのにかかっちゃう。
そう思ってたのに。
同期がその週にご飯行くのに呼んでくれて、初めて会った人とオールして。
その頃はちょうど、11月初旬に迫った学園祭の企画ですごく忙しかった時期らしい。
話の内容はあんまり分からなかった。
初対面の僕を置き去りにして進む彼らの表情が一生懸命なことだけを伝えてくれた。
こんなに話にもついていけてないのに、野球サークルに比べてずっと居心地が良かったのを覚えている。
それから僕は、野球の練習とAgeのmtgが重なった日に、Ageを選択するようになる。
その選択は大学4年間を選択し始めていた。
Ageでの出逢いが少しずつ少しずつ、僕の人生を動かし始める。
些細で大きな悩みを、1つ解消した僕の人生の行き先は、またもう少しあとで話そう。
では。
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