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法律から政治の世界へ、挑戦。

昨日、19年間勤めた法律事務所のパートナーを退任しました。
今日から、政治の道にチャレンジします。

物心がついた時、祖父は政治家でした。そして私が高校留学から帰ってくると、父が国会議員になっていました。子供のころから、大人たちにいつも「あんたもいつかは政治家になるんやろ」と訊かれ、「いえいえ」と苦笑いでこたえるしかなかった日々。いつも忙しく、食卓での会話も難しい話ばかりだった祖父や父を見て育った私は、政治に対して何とも説明しにくい複雑な感情を持ったまま大人になりました。

私は弁護士として主に担当してきた危機管理、危機対応の仕事に誇りを持って取り組んできました。夜中に携帯が鳴り、「助けてください」と頼られ、解決の道を一緒に模索し、依頼者のほっと安心する顔を見る度に、やりがいと使命感を感じてきました。優秀な同僚や後輩に支えられ、法律や制度を変える大きな仕事にも携わらせていただき、弁護士こそ自分の天職だと手ごたえを感じられるようになりました。

最近になって父が不出馬の可能性を考え始めていることを知りました。昔から父が私の進路に口を出すことはありませんでしたが、このことが自分の気持ちに大きな転機をもたらすきっかけとなりました。 

弁護士として難しい案件に関わる中で、時に政治でなければ解決できない壁にぶつかることも少なくありませんでした。官房長官の秘書官を経験し、この国は社会の構造的変化や国家危機に対して常に後手を取ってきたのではないか、との問題意識を持つようになりました。そして残念ながら、このコロナ禍で日本の危機への備えのなさ、変化への脆さ、高まる将来への不安などの課題を、改めて強く感じるようになりました。次の時代の主導権を巡って各国の熾烈な知恵比べが加速する中、日本はこのままでは表舞台から消えていってしまうのではないか、と日々の危機感と苛立ちは募る一方でした。

父の不出馬表明の後、友人や恩師、知り合いの方々からたくさんの連絡を頂きました。メッセージの行間から将来を案ずる真剣な思いが伝わってきました。言葉の一つ一つに心を揺さぶられました。

これから困難な時代を迎えるからこそ、さまざまな危機対応を経験してきた自分が果たすべき役割があるのではないか。政治を近くで見てきた自分だからこそできることがあるのではないか、と考えるようになりました。

生きがいを持って頑張ってきた仕事や仲間たちとの日々を思い、
家族のことを考え、
何度も何度も自分に問い、悩み、問い直し、
それでもなお、私なりの使命を求め、この度政治への挑戦を決意しました。

家族との関わりについても随分悩みました。 私が政治の道を選択することで妻のキャリアや、子供たちの人生を無理矢理巻き込んでしまうことになってしまわないだろうか、家族は大丈夫だろうか。

実は、私の家族は現在、ふたつの拠点に分かれて暮らしています。東京には私と中学生の長男、サンフランシスコには赴任中の妻と、秋から中学生になる次男という組み合わせです。一日二回、日本の朝食と昼食はできる限りビデオ会議でつないで、4人で「食卓」を囲みます。

コロナ禍の直前に始まった妻の海外転勤は私たち家族にとっては大きな挑戦でした。が、思い切って別々の国でそれぞれのキャリアを続けるという生活をこの1年半続けてみると、離れていても家族の絆は維持できるものだ、それぞれの人生を尊重しながら、家族で共に歩んでいく事はできるのだ、と新鮮な発見がありました。慣れなかった長男の弁当作りもだいぶ要領よくできるようになりました。リモートでの生活を実践してみて、私たち家族は以前より強く繋がり、より成長できたと感じています。

法律事務所を辞めて政治を志すと初めて話した時、子供たちは驚き、なかなか納得してくれませんでした。次々に浴びせられる質問に、君たちの時代がもっといい時代になるように働きたい、という想いを繰り返し話しました。子どもたちにとっても大きな変化です。でも今朝長男は「新しい挑戦、頑張ってね」と温かい声をかけてくれ、落ち着いた様子で登校していきました。

新たな道を、家族で互いに助け合いながら歩んでいきたいと思っています。 自民党の公募に応募するため、準備を進めてまいります。応援のメッセージを頂いた大勢の方々に御礼申し上げます。一人では無力な私ですが、大勢の方々のお支えを頂き、家族一人ひとりの生き方を尊重しながら困難な政治への道に挑戦して精一杯努力してまいります。

重いリュックを背負って出ていく長男の背中を見送りながら改めて、日々の暮らし、それぞれの当たり前の暮らしの大切さを実感しています。こうした、一人ひとりの大切な暮らしこそ、政治が何より守っていかなくてはいけないものではないでしょうか。

大切な原点を忘れずに、新しい道に挑戦して参ります。

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(リモート家族の日々の「食卓」風景)


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