「幸せになる勇気」を読んだときのメモ

行動面

① 自立する事
 ・「自己中心性」からの脱却
 ・いつまでも「世界の中心」に君臨することはできない
 ・世界と和解し、自分は世界の一部なのだと了解しなければならない
 ・甘やかされた子ども時代のライフスタイルから脱却しなければならない
 ・「わたし」から脱却すること
 ・自立とは、経済上の問題でも、就労上の問題でもなく、人生への態度・ライフスタイルの問題
 ・他者を愛することで、ようやく大人になる
 ・愛は自立。大人になること。だからこそ愛は困難
 ・「愛し、自立し、人生を選べ!」
② 社会と調和して暮らせる事

心理面

・わたしには能力がある、という意識
・人々はわたしの仲間である、という意識

人生のタスク

・幸福になるためには、対人関係の中に踏み出さなければならない
・人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
・人間の幸福もまた、すべて対人関係の幸福である
・だからこそ、人生のタスクに踏み出さなければならない
・「幸福」とは「貢献感」である
 ・われわれはみな「わたしは誰かの役に立っている」と思えたときにだけ、自らの価値を実感することができる
 ・しかし一方、われわれは自分のおこないがほんとうに役立っているのかについて、知る術を持っていない
 ・「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚があれば、すなわち「貢献感」があれば、それでいい

・「わたしの幸せ」を追求することによって、分業の関係を築く
・「あなたの幸せ」を追求することによって、交友の関係を築いていく
・不可分なる「わたしたちの幸せ」を築き上げる、それが愛の関係

① 仕事(の関係)- 健全な Give and Take

 ・分業のタスクとも言える
 ・自分の出来ることを仕事にすることによって、社会に貢献ができ、お金をもらえて、自分の生活が確保できる
 ・「わたしの幸せ」を突き詰めていくと、結果として誰かの幸せにつながっていく。分業の関係が成立する。

人間には「信じない」という選択肢などありえません。
協力しないこと、分業しないことなどありえないのです。

生きるためには分業が必要であり、分業するためには、相互の「信用」が必要であると。しかもそこには選択の余地がない。われわれはひとりで生きていくことはできず、信用しない、という選択肢はありえない。関係を築かざるをえない。

② 交友(の関係)- Give and Take の発想はない「与えよ、さらば与えられん」
 ・教育者の成すべき「仕事」とは「自立に向けた援助」である。
 ・どのように援助するのか?
  ・「尊敬からはじめよ」
 ・「尊敬」とは
  ・「ありのままのその人を見ること」
  ・「その人がその人であることに価値を置くこと」
  ・自らの価値観を押し付けない
  ・その人のことを無条件で受け入れ、信じる
  ・すなわち「信頼」していないと「尊敬」はできない

あなたは「あなた」のままでいいのだ。特別である必要はない。あなたが「あなた」であることには、それだけで価値があるのだ。尊敬を通じ、そう伝えることによって子どもたちは、くじかれた勇気を取り戻し、自立の階段を登りはじめます。

  ・「尊敬」と「信頼」はほぼ同義
  ・「尊敬」していない相手のことを「信頼」することはできない
  ・他者の事を「信頼」できるか否かは「尊敬」できるか否かにかかっている
  ・どんな相手でも「尊敬」を寄せ、「信じる」ことはできる。
  ・大切なのは「なにが与えられているか」ではなく「与えられたものをどう使うか」である
 ・自分にできる事は、ただ「自分が語りかける相手を信じること」それだけ。
 ・相手に「信じろ」と強要することはできない
 ・我々人間は、わかり合えない存在だからこそ、信じるしかない
・愛(の関係)
 ・すべての議論は「愛」へ集約されていく
 ・一般論的な血の通わない愛
  ・崇高にして穢れを許さない、相手のことを神格化するような愛。
  ・性的な欲動に駆られた、動物としての愛。
  ・自らの遺伝子を次代に残さんとする、生物学的な愛。
  ・観念的な「神の愛」と、本能的な「動物の愛」ばかりが語られ、誰ひとり「人間の愛」を語ろうとしない
 ・愛とは「ふたりで成し遂げる課題」である
  ・「ひとりで成し遂げる課題」は教わる
→ 歩くことや、コミュニケーションをとること
  ・「仲間たちと成し遂げる課題」も教わる
→ 画家でも協力者がいる、キャンパスを作った人や交渉者や購入者
  これについても家庭・学校で教わる
  ・しかし「ふたりで成し遂げる課題」については「技術」を学ばない
  ・「ふたりで成し遂げる課題」=「幸福」
  ・「わたし」や「あなた」よりも上位のものとして「わたしたち」を掲げる
  ・「わたし」の幸せを優先させず、「あなた」の幸せだけに満足しない。「わたしたち」のふたりが幸せでなければ意味がない
  ・ほんとうの愛を知ったとき、「わたし」だった人生の主語は、「わたしたち」に変わる
  ・幸福なる生を手に入れるために、「わたし」は消えてなくなるべき
  ・子どもは親がいないと生きていけない
   ・それを十分に理解する知性を子どもは持っている
   ・そしてある時気づく「わたし」は親から愛されてこそ、生きていくことができるのだ、と
   ・それ故、子ども時代は皆ライフスタイルを選択する時「親からどうすれば愛されるか」が目標にならざるを得ず、われわれは皆、命に直結した生存戦略として「愛されるためのライフスタイル」を選択する
   ・その「愛されるためのライフスタイル」が親や教師への反抗的な態度であったり、引きこもりであったり、暗がりを怖がったりする子ども、であったりする

子どもは、非常に優れた観察者です。自らの置かれた環境を考え、両親の性格・性向を見極め、兄弟がいればその位置関係を測り、それぞれの性格を考慮し、どんな「わたし」であれば愛されるのかを考えた上で、自らのライフスタイルを選択します

人は意識のうえでは愛されないことを恐れているが、ほんとうは、無意識のなかで、愛することを恐れているのである - Erich Fromm

  ・ほんとうの愛を知り、たったふたりからはじまった「わたしたち」は、やがて共同体全体に、そして人類全体にまでその範囲を広げていく
→ 共同体感覚
  ・「運命の人」を求める「目的」を考えると、おのずと結論に行き着く
   ・新しい「関係」を築くことから逃げている
  ・結婚とは「対象」を選ぶことではない。自らの生き方を選ぶこと
  ・われわれはいかなる人も愛することができる
  ・愛はただの決断。自分が決意すれば誰でも愛することができる
  ・運命を感じ、その直感にしたがって結婚を決意する
→ 「運命だと信じること」を決意しただけ
  ・誰かを愛するということは、たんなる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である」
  ・「ふたりで成し遂げる課題」に立ち向かうことが愛
それができるのであれば、いかなる相手との愛もありえる
  ・「運命的ななにか」を感じることは、ふたりの努力で築きあげてきたものであるはず
  ・運命とは、自らの手でつくりあげるもの
  ・運命といえるだけの関係を築くには「踊る」
わかりもしない将来を考えず、いまを「踊る」

われわれは他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されます。他者を愛することによってのみ、自立を成しえます。そして他者を愛することによってのみ、共同体感覚にたどりつくのです。

課題の分離

・自分でコントロールできるものは「自分の課題」
・相手にしかコントロールできないものは「相手の課題」
・他人の「課題」に介入してはいけない、できない

他者があなたのことをどう思うのか、あなたに対してどんな態度をとるのか。これはいっさいコントロールできない。

その他のメモ

・心が貧しくなってはいけない
・お金と一緒で、心が豊かでないと与えられないし、与えられないという事は、与えてもらう事も出来ない
・心の物乞いになってはならない
・共同体感覚 = Social Interest

・「世界はシンプルであり、人生も同じである」
・しかし「シンプルであり続けることはむずかしい」
・そこでは「なんでもない日々」が試練となる

・ほんとうに試されるのは「歩み続けることの勇気」
・愛することに疲れ、愛される人生を求めたくなる
・しかしそのときには、その場の人たちと、新しい時代を生きる仲間たちと語り合う。
そしてできればアドラーの思想そのままではなく、自分たちの言葉で、更新していく
・アドラーはこの心理学を「すべての人の心理学」と位置づけ
アカデミズムの世界から遠く離れた、人々のコモンセンスとして生き続けることを望んだ
・今「関係」のある人々と「最良の別れ」を迎えれるよう、日々努力する

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