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実務補習でよくある意見といち指導員としての回答

【2023年春】実務補習の感想

最初に完全に個人的な話です。

初めて実務補習の3コース全部で指導員を実施しましたが、まぁキツイ。本当にキツイ(笑)

終わってみれば面白かったと思いますが、身体的にも、精神的にも負担が大きかったりします。もちろん受講生もキツイでしょうけど。

ただ、一番の感想は「飲み会はイイ!」です。このために実務補習をしていると思います。(今回は全チームでありました。)

飲み会は強制できないですし、無ければ無いで仕方ないですけどね。

さて、ここからは実務補習でよくある意見と回答です。

ヒアリング関係の意見と指導員としての回答

まずはよくある意見

  1. ヒアリングの時間が足りない

  2. 事前資料をもっと欲しい

いち指導員としての回答

①ヒアリングの時間が足りない

ヒアリングは基本2時間程度です。4時間話してくれるところもあるでしょうけど。
2時間のヒアリングでも社長からもらうのは気が引けます。それにそれ以上になると集中力が持ちません。

5日から増やして、2回ヒアリングをしたいという声もあるんでしょうが、指導員として、実務補習にそこまで日程的に負担できないというのが本音ですし、実務補習日数が増えると引き受ける指導員は今以上に減ります。(今でも全然足りない)

プロコンの人は「2時間の面談時間で、初見の相手に、初見の資料で、ヒアリングして、そのまま提言している」ということもあります。

②事前資料をもっと欲しい

事前資料をもっとくださいというのも結構気が引けたりします。ちなみに本部から言われているのは「決算書」だけです。

「勘定科目内訳明細書」「組織図」「事業計画書」などもらえればありがたいものもありますが、ここは指導員次第です。

顧問だったらもらえるかもしれませんが、顧問じゃない会社の診断をされる人も多いので。

そもそも、たくさん資料をもらうと分析の負担も増えます。

事業計画書を貰うと間違いなく助かりますけどね。ほとんどの会社は事業計画書なんか作っていません。
今回、初めて頂きましたが、実務補習ではすごく参考になりました。

分析・方向性作成の意見と指導員としての回答

まずはよくある意見

  1. 討議・検討をもっとしたい

  2. 指導員のツールが欲しい

いち指導員としての回答

①討議・検討をもっとしたい

討議をする時間は大体2日目だと思いますが、2日目中に方向性を決めないと終わりません。その後の個人ワークもできませんし、2日目に指導員も含めてOKにならないと、ちゃぶ台返しをされちゃいます。

方向性を決めるのが最優先。5分野、6分野の方向性を決めて、全員が納得するということを1分野:1時間程度しかないわけです。結構キツイですよね。

基本的にはどの指導員もある程度の討議時間を作っていると思います。
KJ法、SWOT/クロスSWOT、バランススコアカード(BSC)、フレームワークは使わない人など、やり方は違いますけどね。(指導員の中には指導員の示す形で書いて来いという人もいますが)

ただ、分析力がある人ばかりではないですし、思っているほど討議をしても進まなかったり、変な方向に向かったりします。

指導員は適当・任せきりなようで、意外とコントロールしていたりします。

資料作成関係の意見と指導員としての回答

まずはよくある意見

  1. ワードの書式を提供して欲しい

  2. パワポで資料を作りたい

  3. 全員の資料を合体させるのに時間がかかる

いち指導員としての回答

①ワードの書式を提供して欲しい

書類の合体(結合)が面倒だという意見はよくわかります。合体をしないで、章別々でやる人もいますしね。

本部からは提供はありません。指導員として、ワードの書式を提供するのは実は簡単ではあるのですが・・・。

見出し(スタイル)設定ぐらいは「やってください」「それも勉強」というのが個人的な意見です。(もちろん指導員が渡すパターンもあります。)
診断士の重要な仕事の一つとしてフォーマット作りもあるので、これぐらいはやっちゃいましょうと思っています。

年数を経るたびに、ワードを使うのが下手になっている気がします。パワポしか使わない人やエクセル主体の人が増えているんでしょうね。

ただ、書類を作るならワードが楽で速いです。私自体も報告書はワードで作ってます。パワポで作るとコンサルっぽく見えますし、結合も楽ですけどね。

あと、フォントも人や指導員によって違いますし、フォーマットを用意しても、見出し機能自体を使えるかというのもあります。

そもそもワードじゃなく、グーグルドキュメントでやる人がいたりもします。マック環境の人がいると大体うまくいきません。

フォントの違いもあります。個人的にはBIZ UDゴシックを使っていますが、メイリオの人もいればBIZ UDPゴシックの人もいます。

②パワポで資料を作りたい

実務補習ではパワポはNG。本部からもワードでという縛りがあります。実務従事なら自由ですけどね。

パワポで報告書を作るのは楽だと思っている人も多いですが、そうでもないです。慣れているなら使いやすいのは事実ですが、場所の調整をするのも結構時間がかかりますし、手間もかかります。

実務補習で来る人のITリテラシーはかなり差が大きいです。そして、パワポで資料を作るのが当たり前で仕事をしている人は多くはないです。

ただ、パワポはあくまでもプレゼンツールですね。トップメッセージを明確にしやすい、横書きが基本なので、表を入れ込みやすいなどの見栄えのメリットはもちろんありますが・・・

ただ、診断士としての報告書を作りやすくはなっていないと思います。報告書として見せるには結構センスも時間も慣れも必要なので、実務補習の時間でそこまでやるにはきついです。

個人的にはガシガシ作れるので、ワードが好きです。

プレゼン関係の意見と回答

まずはよくある意見

  1. パワポでプレゼンをしたい

いち指導員としての回答

①パワポでプレゼンをしたい

パワポの方が楽ですかね?正直どっちでも構わない気がします。慣れている形でやりたいというだけな気もします・・・。せっかくなので、実務補習ではワードの報告書でプレゼンする練習をしましょう。

大体のところ、実務補習中は時間もないので、パワポまで全員が作るのはかなり無理があります。負担を減らしたい中では優先度は低いですよね。

私はパワポはツールでしかないので、伝えたいことをはっきりさせておけば気にしないでも大丈夫でしょうというスタンスです。

環境に対する意見

まずはよくある意見

  1. 日程がキツイ

  2. Wi-Fi、プロジェクター、1部屋1班にして欲しい

  3. 地元で実務補習をやりたい

  4. 指導員からの連絡は早く欲しい

  5. 指導員を選びたい

  6. もっと班数を増やして欲しい

いち指導員としての回答

①日程がキツイ

これはどうにもならないです。正直、現状の実務補習のスタイルが一番いいと思います。7日ルートを作るという話も聞いてはいますが、全員に負担が大きすぎますね。

1日目:ヒアリング、2日目:方向性確定、3日目:内容確認・ブラッシュアップ、4日目:調整・印刷、5日目:プレゼン

いい報告ができないという思いは指導員にも、受講生にもあるでしょうけど、残念ながら実務補習でそんなにいい提言ができるわけはありません。

何年もプロでやっている指導員でもまだまだだと感じるぐらいなのに、実務補習の受講生ができるとしたらビックリです。もちろん精一杯みんな頑張りますけどね・・・

昔の15日連続の負担はとんでもなかっただろうと思います・・・

②それ以外の環境に関する意見

ごめんなさい。環境改善は難しいです。Wi-Fiの環境は増えてきているんですけど、無ければテザリングで対応するしかないですね。

自分の事務所で実務補習を実施する指導員に当たるとラッキーですね。

指導員関係はずっと足りないですし。指導員を選ぶって言っても指導員のことは分からないでしょうし、システム的にも不可能です。

まとめ

色々と受講生としては意見はあるのはよくわかりますが、中小企業診断士は現場対応力が一番重要です。環境に合わせてベストを尽くしましょう。

それと与えられるものだと思っている方もいらっしゃるとは思いますが、実務補習は自ら、チームと一緒に作っていくものです。

そして、実務補習はコンサルティングだけでなく、ヒアリング準備、資料の作り方、プレゼンの仕方、チームビルディングなど、色々な要素を体験できるものなので、全てのことに前向きに取り組んでもらえると幸いです。

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