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静岡マラソン2024・レース中(齢54にして初サブ3)

<はじめに>

静岡マラソン2024にてサブ3を達成しました。
 グロス:2:59:22
 ネット:2:58:56

齢54にしてサブ3達成です。
そんな思い出に残る静岡マラソン2024のレースの模様を書き記していきたいと思います。

<自己紹介とこれまでの走歴>

はじめまして、いなみんと申します。
静岡県中部のROUND5というランニングチームに所属しています。

学生時代に運動経験はなく、趣味の登山の延長で2013年ころから走り始め、初めてのフルマラソンは2014年の静岡マラソン。タイムは4時間28分でした。
サブ4まで3年、サブ3.5までにさらに4年を要し、年齢的にもこの辺りが限界だろうなぁ、、と思っていましたが、2021年にサブ3.15、2023年1月には3時間7分33秒と加齢に抗いながらそれなりにタイムを伸ばしてきました。
そして2023年10月に雑誌「月刊ランナーズ12月号」の「サブ3虎の穴」にて静岡マラソンでのサブ3宣言!
それからというもの遮二無二に練習を積んで静岡マラソン当日を迎えたのです。

<静岡マラソン当日の天候>

今年の静岡マラソンは恐らく静岡マラソン史上もっとも天候に恵まれた年になった。
最も長い直線区間である久能街道での風向きがタイムを左右するだが、
今年は朝の最低気温が5℃前後、日中の最高気温が11℃、弱い冬型の気圧配置、朝の早い時間は北寄りの風、昼に向かって南風に変わるという、まさにマラソンをするための天候と言っても過言でない、最高のコンディションだった。

最高のコンディションだったレース当日

<レースの朝>

朝4時半に起床
のろのろと起きだし、うどん1玉に餅を2個をゆっくりと食べる。デザートはどら焼きを1つ。
着替えを済ませ6時半に会場入りするように自宅を出発した。
7時にROUND5の仲間たちと記念撮影。談笑する仲間たちを尻目にたぶんかなりピリピリしていたはずだ。
ブロックの先頭に並ぶために早々に荷物預けに向かう。

ROUNDの仲間たち

<スタート前>

前日に私のためにペーサーを名乗り出てくれたサブエガランナーのSくんは当然にSブロック。7時20分のブロック開放と同時に並んだ私はAブロック最前列。
Sブロックの最後尾とAブロックの最前列に位置し、スタートから同じ位置で走れるのはラッキーだ。
長い待機時間の後に号砲がなった。

もう10年以上になる山仲間のSくん

<スタート~5km地点>

スタートロスの26秒はほぼ想定通り。
市役所前から北街道に入ると混雑も和らぎ、速度も落ち着く。
入りの1キロは4'15"
5キロ地点までは僅かな下り。いいペースに乗る。

4:15-4:12-4:11-4:11-4:10
LAP:21:06 05キロ通過 21:32
計画:8秒遅れ サブ3ペース:12秒遅れ

Sくんが1キロ毎にタイムを読み上げるため、後ろにサブ3狙いのパックが出来る。
ペーサーの後ろのいいポジションを取ろうと、肘打ちあり、体当たりありのポジション争いが繰り広げられた。
「おれのペーサーやで!」

Sくんを先頭に20人以上の大集団(写真は安倍川橋)

<5km~10km~15km>

流通センター通りを過ぎ、観山中学あたりから浅間神社まで緩やかな上りになる。Sくんは無理にペースを揃えようとはせずに一定の体感で淡々と進み10キロ地点を通過した。
計画からは遅れているもののサブ3ペースに着実に戻していく。

4:11-4:14-4:08-4:14-4:18
LAP:21:13 10キロ通過42:45
計画:15秒遅れ サブ3ペース:5秒遅れ

本通りのスライドは仲間を探す余裕もなく、ただ淡々とリズムを刻む。
全くもって息苦しさも脚の重さもない。今日は多分調子がいい。
15キロ地点通過。

4:10-4:11-4:09-4:12-4:15
LAP:20:57 15キロ通過1:03:42
計画:22秒遅れ サブ3ペース:17秒巻き

麻機街道 私は返事を返す余裕なし

<15km~20km>

安西橋から安倍川左岸を経て、右岸の土手の上でやや風を感じる。
後ろに付いていくだけで時計を見る必要がない。
1キロごとに読み上げられるペースはやや4:10を上回る感じか。
まだまだ全然余裕綽々。

4:11-4:10-4:07-4:07-4:10
LAP:20:56 20キロ通過 1:24:38
計画:28秒遅れ サブ3ペース:31秒巻き

今年ほど富士山が綺麗に見えた年はないかも

<ハーフ通過>

ハーフ通過は1:29:13、計画では1:29:02
とは言え余裕を見てあったので1:29:00くらいで通過すれば上出来と思っていた。ほぼオンタイム。

<20km~25km~30km>

単調な久能街道。
例年は必ず向かい風だった。ところが今年は僅かながらの追い風。
「追い風だよね?」と確認するほど滅多にないこと。まさに天祐。
景色を愛でるだけの余裕はけっしてないが気持ちよさを感じる程度には余裕がある。

追い風にも感じた久能街道

4:12-4:03-4:13-4:09-4:08
LAP:20:59 25キロ通過 1:45:37
計画:37秒遅れ サブ3ペース:1分2秒巻き

久能山東照宮を過ぎてまもなく30キロ
練習で初めてサブ3ペースで30キロ走をしたときはこの辺りから辛くなっていた。今日は余裕。
「大丈夫!イケる!」とSくんに聞こえるように、そして自分に言い聞かせるように声を上げる。

4:12-4:10-4:11-4:11-4:11
LAP:21:03 30キロ通過 2:06:40
計画:35秒遅れ サブ3ペース:1分19秒巻き

<30km~35km>

30km以降はサブ3ペースでは未知の領域。
ただ、呼吸にも脚にもまだ余裕がある。落ちるはずのペースが落ちない。
サブ3が現実味を帯びてきた。
「どんなポーズでフィニッシュしよう」
そんなことを考えるだけの余裕もある。

4:12-4:11-4:15-4:12-4:10
LAP:21:08 35キロ通過 2:27:48
計画7秒巻き サブ3ペース:1分30秒巻き

サブ3いけるんじゃね?と思い始めたころ

<35km~40km>

久能街道を折り返すと少々きつくなってきた。
脚が重く、呼吸が荒くなる。何より呼吸が荒いと水が飲めない。水分を摂り損ねる。ペースが落ち始める。
全てが上手くいった静岡マラソンの唯一で最大の失敗。
このために最後の瀕死のフィニッシュになるのだが、この時点では知る由もなし。

415-415-415-417-419
LAP:21:31 40キロ通過 2:49:19
計画:41秒巻き サブ3ペース:1分19秒巻き

清水に戻ってきた

<40km~フィニッシュ>

40キロ地点でサブ3を確信した。
多分、Sくんもそうだろう。
残りはキロ5をチョイ切るくらいで十分なのだから。

ところが40キロを過ぎたあたりから体が変調を訴える。意識が怪しい。
どんなに力を入れても首が後ろに反り返り、顎が上がる。頭が下がらない。

フィニッシュ100m前の瀕死の走り

フィニッシュ100m手前。足が止まりフラフラとよろめく。
Sくんの「歩いても間に合うから」の声に意識を取り戻す。
「早く終わりたい」
朦朧としたままフィニッシュゲートの手すりを掴む。

フィニッシュ

朦朧としたままフィニッシュ

喜びより安堵の気持ち。
Sくんにしがみつき握手と抱擁。
フィニッシュゾーンの隅に倒れ込む。
既にフィニッシュしているWくんの肩を借りて立ち上がる。
仲間たちから祝福の声にようやく喜びをかみしめる。

肩を借りて立ち上がる

フィニッシュタイム 2時間59分22秒(グロス)

初めての静岡マラソンから10年
走り始めた頃は想定もしていなかったところにたどり着いた。

サブ3!

おしまい

両足の痙攣に耐えながら笑顔のポーズ

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